冬コミ参加者必見!「冬の脱水症状」を防ぐオススメ対策
東京ウォーカー(全国版)
今年も始まる年末の戦、冬コミ(コミックマーケット93、C93)。夏コミでは脱水症状にならないよう、しっかり対策しているコミケ戦士たちも多いと思いますが、なんと冬でも脱水症状の危機はあるそう。
今回は、気づきにくい「冬の脱水症状」にならないための対策を、熱中症・脱水症などに詳しい、済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生に聞きました。

「冬の脱水症状」はなぜ起こる?
――夏の脱水症状はよく聞きますが、冬の脱水症状はなぜ起こるのでしょうか?脱水症が起こるメカニズム含めて教えてください。
谷口先生(以下、谷口):脱水症は、体内に入ってくる水分量が減り、出て行く水分量が増えるというアンバランスが生じるときに起こります。夏の脱水症は急激に汗をかき、大量の水分が奪われる急性型が多く、目に見える形で劇的に症状が出ることが特徴です。
一方、冬の脱水症は、じわじわ水分が奪われることが特徴です。本人が気づかないうちに進行しており、脱水症の手前である「かくれ脱水」がよく見られます。冬場に暖房にずっと当たっているときや就寝時、アルコール摂取後などは特に注意が必要です。
また、冬場は水分摂取が減ることも一因です。冬場は寒く、トイレが近くなるため水分の摂取を控えたり、野菜や果物など水分の多い食事をあまり摂らなくなったりします。さらに、空気が乾燥しているため、不感蒸泄によって身体から水分が奪われやすくなることも原因の一つです。
――冬コミをはじめとする大型イベントに潜む脱水リスクを教えてください。
谷口:エアコンや人の多さによる暑さは、水分を身体から奪っていきます。これは冬コミに限らずですが、トイレが不便なイベントなどは、水分摂取を控えてしまう人も多いでしょう。
また、アルコールは体内で分解するときに水分を必要とするので身体から水分を奪い、さらには利尿作用もあるので尿として水分を排出します。
「冬の脱水症状」を防ぐには?
――冬の脱水対策方法について教えてください。
谷口:まずは、規則正しい食生活が脱水症予防の第一歩です。私たちの身体は1日におよそ2.5リットルの水分を入れ、同量の水分を出しています。しかし、出ていく水分量だけ水分を摂取しているかというと、そうでもありません。
私たちが飲料として飲める量は1日にせいぜい1.5リットル程度で、そのほかの水分は食事から補っています。例えば、朝食を1食抜くだけでも500gほど水分が減るといわれているくらいで、食べものからも水分を補給しているため、体液を維持するには、きちんと食べることはものすごく大切な要素です。水分の多いメニューを意識するなら、お鍋やスープ、カレーライスなどが適しています。
また、冬コミなど外でのイベントではなかなか難しいですが、加湿器や部屋に植物などを置き、湿度を60%に保つと良いでしょう。最後はやはり、こまめな水分補給でしょう。冬はのどが渇きにくいので、時間を決めてお茶を飲むなどするのがオススメです。


水分補給としておすすめなのが、ココナッツウォーターの「cocomax」や経口補水液の「OS-1」など。特にcocomaxは、通常のスポーツドリンクの何倍ものミネラルと、カリウムが豊富に含まれており、身体への吸収が良いことから発展途上の国では点滴代わりに使われていたこともあるそう。冬の脱水症状を効果的に予防するのにおススメです。
コミケは戦場ですし、きっと冬コミも熱い戦いが行われるでしょうが、誰も倒れることなく、目当ての欲しいグッズや薄い本をゲットできますように!
■谷口英喜(たにぐちひでき)
済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長 兼 栄養部部長。専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書に『熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版』『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』。
大原絵理香
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