【実録】18連勤中の配達員を襲った怪異…玄関をすり抜けた先にいたのは「血まみれの自分?」【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
郵便配達員たちは毎日、町の隅々まで郵便物を配達して回っている。そんな現役の郵便局員が、実際に経験した不思議な話や怖い話を漫画化したのが『郵便屋が集めた奇談』だ。作者は、現役の郵便局員である送達ねこさん(@jinjanosandou)。同僚たちが体験した話を漫画化していくうちに、他局からも体験談が届くようになったという。今回紹介するのは、事故を起こした配達員の身に起こった奇妙な事件、「死に損なった俺の話」だ。
18連勤の果てに見た「血まみれの自分」
時代は少しさかのぼり、平成20年代前半。労働基準法(36協定)の運用もまだ緩やかだったころの話だ。N局に勤めていた星野さんは、郵便局とは別の配送の仕事も兼業し、その日は18連勤中だった。突発的な欠勤の穴埋めで急きょシフトに入った彼は、「ま、稼げるからいっか…」と軽く引き受けたが、その矢先に事件は起こる。
配達先の民家で呼び鈴を鳴らすが、音がしない。「壊れてる?」と思って声をかけようとした次の瞬間、星野さんの体は玄関をすり抜けるようにして、いつの間にか家の中に入っていた。「なんで中?玄関開けてないが」と混乱していると、玄関のドアがガラッと開き、血みどろの姿で入ってきた人物がいた。それは、星野さん自身だったのだ――。
ブラック労働が当たり前だった時代
送達ねこさんは当時の労働環境について、「郵便局もひと昔前は人が足りず、『ゆうメイト(当時の名称)』さんが何十連勤もしていました。兼業も普通で、休日や退勤後に別配送やスーパーの仕事に従事している人が少なくなかったです」と振り返る。過酷な労働環境が、星野さんを生死の境へと追いやったのかもしれない。
「表に出せない話」も描きたい
送達ねこさんのもとには、まだ漫画化されていない話が数多くあるという。「配達先で見聞きした怪異、郵便局内の不思議な出来事、事件の注意喚起などネタは尽きません。そのまま描くと差し障りのあるものも少なくないですが、そんな『表に出せない話』こそ描く意義があると思うので、いつか全部を描きたいと思っています」
タイトルの「死に損なった」には、2つの意味がある。「もう少しで死にそうになる」ことと、「死ぬことに失敗する」ことだ。今回は前者だが、星野さんは生還したとき、後者の意味も頭によぎったという。奇妙な現象だけでなく、思い悩む星野さんの姿にも注目してほしい。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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