不妊治療の末に四つ子を妊娠…「減胎手術」という命を巡る決断に正解はあるのか?選択を前に夫婦が向き合った現実【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
不妊治療の末に妊娠が判明したとき、
サヤ山サヤ
さんが告げられたのは「四つ子」という事実だった。二卵性双生児のポン子ちゃんとコン子ちゃん、三女のピイ子ちゃんを育てる母であり、育児をテーマにしたエッセイ漫画をSNSで発信してきたサヤさんにとっても、想定外の出来事だったという。ウォーカープラスでは「今日も三姉妹が舞う!〜七転び八起き育児日記〜」と題し、妊娠や出産、育児の中で訪れる数々のピンチを、明るさと率直さをもって描いた奮闘記を全編描き下ろしで届けている。今回描かれるのは、四つ子を妊娠したことで医師から提案された「減胎手術」を巡るエピソードだ。
電話越しに伝えた現実、夫が抱いたのは不安だった
病院から帰宅し、自分の気持ちをある程度整理してから、サヤさんは夫のぷみおさんに電話で状況を伝えた。返ってきたのは「えぇっ!?」という大きな驚きの声だったという。電話越しでも動揺が伝わり、不安のほうが大きかったことが感じ取れた。ぷみおさんは終始、サヤさんの体調や負担を気遣っていた。
体験談を描くと決めた理由、11年前と今の違い
減胎手術については、体験談がネット上にほとんどなく、受けたこと自体を非難されるケースもある。そうした中で、このエピソードを漫画に描こうと決めた背景には、SNS環境の変化があったという。11年前はX(旧Twitter)こそ普及していたものの、Instagramは始まったばかりで、不妊治療や減胎手術について積極的に発信する人は少なかった。
一方で現在は、高齢出産や不妊治療が増え、SNSを利用する年代も幅広くなっている。減胎手術は中絶に含まれるためタブー視されがちだが、きれいごとだけでは済まない現実がある。自分自身が直面した現実として、体験を知ってもらいたいという思いから、漫画という形を選んだ。
正しさではなく、「家族で決めた」という事実を伝えたい
サヤさんは、不快に感じる人や批判的な意見があることも理解したうえで発信しているという。個人の意見や感情は尊重されるべきだとしながらも、大切なのは「何が正しいか」ではなく、「自分たち家族のことは自分たちで決めた」という点だと語る。それこそが、この作品を通して最も伝えたかったことだ。
同じ選択に悩む人へ、伝えたいこと
「減胎手術」という選択に直面した人に向けて、サヤさんが伝えられるのは「家族でよく話し合ってほしい」という一言だという。妊婦の体の状態や置かれている環境は人それぞれ異なり、どんな選択であっても、その責任を負うのは当事者である家族だ。周囲の意見に流されるのではなく、一緒に暮らす家族と話し合い、納得して決めたことなら、それがその家族にとっての最善の選択になると考えている。
取材協力:サヤ山サヤさん
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