【実話】耳が聞こえない娘を育てる母親!?当時の様子や手話について娘がリアルに語る【著者インタビュー】

東京ウォーカー(全国版)

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保育園の先生から「耳が聞こえていないかもしれません」と言われる親子画像提供:あかねさん

あかね(@akanedeaf)さんは2025年11月にX(旧Twitter)で『わたしの娘は耳がきこえない』という作品を投稿。1.3万を超えるいいねの反響があり、注目を集めている。本作は耳が聞こえないあかねさんの母親の実体験に基づいて描かれた作品だ。本作が誕生したきっかけや子どもがどれくらいで手話を覚えるのかなどについて、あかねさんにインタビューした。

電車の真ん中に座ってお菓子を食べる娘『わたしの娘は耳がきこえない』01画像提供:あかねさん


――本作はどのように誕生しましたか?

普段は聴覚障害やろうをテーマにした漫画作品を描いています。新作を描こうと思い、内容に迷っている時にふと、家族で昔話をするときに母がよく言う「あなたが手話を覚える前は本当に大変だった」という言葉を思い出し、幼少期の私のことを漫画にしてみようと思ったのがきっかけです。

本作は私の母親の実体験をもとにアレンジを加えて描きました。娘のカエデちゃんのモデルは私です。きこえないとわかった時のことや母の手話への抵抗感、ろう学校でカエデちゃんが手話を覚えてからのこと…などはほぼ実際にあったことそのままに描いてます。電車の通路の真ん中に座ったエピソードは母からよく聞かされた実話です(笑)。

ろう学校を見学する親子だが…!? 13画像提供:あかねさん


――本作を描く上で工夫された点などがあれば、お聞かせください。

漫画における手話表現をわかりやすく見やすく、を意識しました。手話を知らない人が読んでも、「こうやって表現するんだな」「こういう意味なのかな?」とわかるように手話の描き方を工夫しました。手話は動く言葉なので絵にするのは難しく、省略してる部分も多いのですが手話での会話の雰囲気だけでも感じて取ってもらえたらうれしいです。

また、手話をする時は表情もとても大事です。うれしいことを話す時は笑顔、困ったことを話す時は困り顔、など…当たり前のことですが、表情をつけることで手話の意味も伝わりやすくなります。キャラの表情を話してる内容に適したものにすることを忘れないよう心がけて描きました。

娘の将来を考えて普通の子と同じように育てたい母親 19画像提供:あかねさん


――カエデちゃんは手話を使って、自分の気持ちなどが伝えられるようになりましたね。子どもが手話を覚えるには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?

耳がきこえない・きこえにくい子どもは音声だけでは情報を得ることが難しく、そのため耳から言葉を学ぶことが困難です。カエデちゃんの場合は、耳で聞き取ることが難しかったので発語が遅かったです。手話教育を行なっているろう学校に入ってから「見る言葉」である手話を覚え、使うことで自分の気持ちをうまく伝えられるようになりました。

母に当時の私はどのくらいで手話を覚えたのか聞きましたが、流石にはっきりとは覚えていませんでした(笑)。でも半年はかからなかった、と言われたので覚えの早い子どもだと数カ月ほどで手話で会話できるようになると思います。人によりますが、ろう学校のように友達や教師など周囲の人が全員手話をする環境に毎日通い、多くの時間を過ごすと2〜3カ月ほどで子どもは日常生活でよく使う手話を覚えることができると思います。

外でも手話で会話をする親子 28画像提供:あかねさん


――母親は外で手話を使うことに躊躇されていたようですが、人の目は次第に気にならなくなったのでしょうか?

90年代頃はまだ手話への理解が低く、外で手話で会話をすると周囲の人にジロジロとおかしなものを見るような目で見られていました。そのため母親も手話の知識がなく、手話に対する抵抗感もありました。

私が小学生の頃、電車の中で友達と手話で話してるとチラチラと(なにあれ?)とでも言いたそうにヒソヒソと話す人が時々いました。私はその視線に気づいていて、ヒソヒソされることに嫌な思いをしましたが気づかないフリをしていました。

ですが、聴覚障害をテーマにしたドラマや映画、漫画などの作品ができたり、聴覚障害者の先人たちの努力のおかげで徐々に手話の知名度が上がり、外で手話をしてても変な目で見られることは減っていきました。今は外で家族や友人と手話でお話しをしてても誰も気にしないので、伸び伸びと手話ができてとてもうれしいです。

最初は手話をすることに躊躇していた母親だが…!? 20画像提供:あかねさん


――最後に、耳が聞こえない子どもを育てているご家族の方にメッセージをお願いします。

自分の子どもの耳がきこえないことがわかり、悲しい思いをしたきこえる親の方は多いと思います。きこえる子どもと同じように育てたい、大きくなった時社会で苦労してほしくないから、という考えから口話教育で育てるという親も少なくはありません。ですが、大事なのはきこえない・きこえにくい子ども本人がストレスなく周囲とお話ができる環境を親が用意したり教えてあげることだと思ってます。

きこえる子どもと同じように育てたいからと手話という選択肢を最初から取り除くのではなく、会話手段のひとつとして選択できるようにしてあげられるようになればいいなと思っています。

今後も私はきこえない人の視点で聴覚障害・ろうをテーマにした作品を描いていきます。少しでもきこえない・きこえにくい人のことを理解する手助けになればうれしいです。

本作では、あかねさんの母親の実体験がリアルに描かれている。あかねさんはほかにも数多くの作品を描いているので、興味がある方はぜひ一度読んでほしい!


取材協力:あかね(@akanedeaf)

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