「あのおばあさんは…30歳?」ラストに「胃が圧殺された」。ハッピーエンドか、それとも…若き夫婦を襲った“老い”という病【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
妻のひまわりは誰からも愛される笑顔の似合う女性だった。しかし、現在の姿は…!結婚10周年、夫婦そろって30歳を迎えたばかりだというのに、妻はまるで老婆のように年を取っていた。読者から「残酷な物語だけど、美しすぎる」と反響を呼んでいる漫画『としとしあわせ』。今回は作者の墨染清さん(@sumizomesei)に、本作に込めた想いを聞いた。
30歳の妻が「老婆」に…近所の視線
「気味悪いったら」「や~だ~、こわい~」。近所では心ない噂が飛び交っていた。「奥さんを見たら驚くわよ」「あのおばあさんも30歳」。主婦たちは興味本位の視線を送る。
夫はそんな声を気にせず、妻をやさしく大切にしていた。しかし、どうしてもできないことが一つだけあった。それは、急激に老いていく妻の顔を直視することだ。「俺は…老いが恐ろしい」夫は妻に見えないところで、嗚咽(おえつ)を漏らしていた。
タイトルに込めた「夫婦の幸福」
本作の作者は、小学館の新人賞などで実績を持つ墨染清さん。『としとしあわせ』というタイトルは、「歳と幸せ」と「歳歳合わせ」をかけたものだという。無情に訪れる『老い』ですが、伝えたいことは『夫婦の幸福』でしたから、幸せを感じられるタイトルにしたいという想いがありました。夫婦が立ち向かう『歳』と『幸せ』、そして夫婦が手を取り合うイメージから『合わせる』。このフレーズを組み替えて言葉遊びをした結果、このタイトルになりました」
「胃が圧殺された」衝撃のラスト
読者からは「涙腺崩壊」「嫁さんの前で泣いちゃったよ」といった声が多く寄せられている。墨染さんは、「自分が老いることよりも、大事な人が老いて弱る姿を見るほうがよほどつらいと昔から強く感じていて、その苦痛を当時の私なりに精いっぱい詰め込んだ作品です」と語る。
物語の結末については、「最高のラストでした」という声がある一方で、「ラストに胃が圧殺された」「どう解釈していいかわからない」と頭を抱える読者も。最後の数ページは、果たして神が与えてくれた奇跡なのか、それとも胡蝶の夢なのか。「ラストの結末はあいまいに描きすぎたために読者の方を困らせてしまいましたが、それぞれ『私はこういうことだと思う』という考えを聞かせてもらえたので、とてもうれしかったです」と墨染さん。
取材協力:墨染清(@sumizomesei)
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