「生贄になりに来ました」「制度は廃止されたよ」。死を覚悟した少女と王様→「マズそうだ」すれ違いがコントすぎる【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
貧しい村を救うため、残忍な王への「生贄」として差し出された一人の少女。死を覚悟して城の門をくぐった彼女だったが、玉座の主から告げられたのは耳を疑う言葉だった。「生贄制度なら、もう廃止になっているぞ」なんと、獣人と人間が共存するこの世界では、すでに社会変革が進んでいたのだ。國里さんが描く『おいしい生贄のはずだった。』は、そんな拍子抜けするような勘違いから始まる、心温まる物語だ。
「しんどいとき」にこそ読んでほしい
本作は100ページを超える長編だが、全編を通して「優しさ」に満ちている。執筆のきっかけについて國里さんは、「とにかく自分自身が癒やされたくて描きました」と語る。心が疲れているときや、「もう何もしたくない」とふさぎ込んでいるときは、複雑な伏線や感情が乱高下するドラマを読む気力さえ湧かないことがある。だからこそ、「ストレスなく読めて、感情が安定する物語」を目指した。作者自身が大好きな「大きなモフモフした動物」をたくさん登場させ、主人公がただただ報われ、愛される。そんな世界観は、現代人の疲れ切った心への処方箋のようだ。
嫌な奴にするはずが「愛されバカ王子」に
登場キャラクターは、人間も動物も「いい人」ばかり。読者からは「優しい世界」「最高です」といった癒やしのコメントが続出している。中でも國里さんが描いていて一番楽しかったのが、隣国の王子・エヴァネルだという。「本当はもっと嫌な人間に描こうと思っていたのですが、『少し抜けているおバカな王子』という設定にしたら愛着が湧いてしまって。頑張って嫌味を言おうとしている姿もかわいく思えました」と、制作の裏側を笑顔で明かしてくれた。殺伐とした現実を忘れさせてくれる、究極の「ノーストレス漫画」に浸ってみてはいかがだろうか。
取材協力:國里
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