サンドイッチがおいしい! 札幌のオシャレなカフェに泊まる
北海道ウォーカー

泊まりたくなるくらいくつろげるカフェは世界中にあるかもしれないが、札幌の「めざましサンド店」は実際に宿泊できるカフェだ。店内の奥にゲストハウスの入口があり、日本国内はもちろん、世界各国のバックパッカーたちが訪れる。カフェのオープンは朝8時。次の目的地に向かう前の宿泊客も、ジョギングついでに食事に立ち寄る地元客も、ひとつの空間で同じ時間を過ごす。そしてカフェは夕方5時にクローズした後、宿泊者がくつろぐラウンジに変身する。

再開発が進む札幌の創成川イーストエリアに、ユニークな”泊まれるサンドイッチカフェ”が誕生したのは2017年2月。2014年に開業した地域交流型の宿「Social Hostel 365(ソーシャルホステルさんろくご)」のオーナー2人組、佐々木壮一さんと大畑俊介さんのゲストハウス3号店になる。
それぞれ個性的な宿を3軒続けて作ってきたが、3号店は「おいしい朝食を食べられる宿」がコンセプトだ。素泊まりが基本のゲストハウスにカフェを併設し、宿泊客が普通にお金を払って好きなメニューを選ぶスタイルで、チェックイン時にサンドイッチを注文するとドリンクが付くチケットを1枚サービスしている。

自慢のサンドイッチは、長イモを加えた自家製だし巻き玉子や、北海道の郷土料理・鮭のちゃんちゃん焼き、豚のしょうが焼きなど、和のメニューを米粉を配合した特注のパンではさんだオリジナル。「Social Hostel 365」1階ラウンジで2年間、夏限定でかき氷専門店「氷処さゆり」を開いていた及川さゆりさんが、メニュー作りを担当した。オーブンで表面はカリッ、中はふっくらモチモチに軽くトーストしたサンドイッチは食べごたえがあり、定番7種類のほかに月替わりメニューもある。夏はシフォンケーキでバニラアイスをはさみ、自家製フルーツソースを添えたアイスサンド、秋は体を温める根菜のサンドイッチなど、季節感あふれる期間限定品も好評だ。開業直後から地元で評判を呼び、パンが営業時間中に完売して、午後からパンとスープのみになった日が何日もある。

主にカフェの調理を担当しているマネージャーの長崎さんは、接客業を中心にさまざまな仕事を経験しながら、海外を旅してきた。日本に帰ってきて転職を考え、職業訓練校に通って手に職を付けるのもいいかもしれない。でも、接客の方が好きだなあ……と考えていた時、たまたま「めざましサンド店」の求人情報を見つけたそう。
「いろいろなお客さんと触れ合えるのが楽しいし、スタッフ同士もすごく仲がいいんですよ。キッチンで仲間と調理をしながら、この店が開店したおかけでやりたい仕事ができて、本当によかったねってよく言っています。札幌は求人が少ないけれど、ゲストハウスに滞在して、自分も働きたいと思ってる人はたくさんいると思います」。

オープンから1年足らずで、たくさんの出会いがあった。韓国のゲストからハングルと日本語でお礼のメッセージを添えた韓国のお菓子をもらったり、道に迷っていたタイ人のゲストを地元の学生が連れてきてくれたり。1号店の台湾人ヘルパーが帰国する前に食事に立ち寄ってくれる日もあれば、宿泊客の寄せ書きノートに「サンドイッチおいしかった」と書いてあるのを見て元気が出た日もある。「札幌国際芸術祭」でゲストハウスとアートのコラボ企画が催された時は、札幌在住のアーティストがカフェにカラフルな壁画を描いてくれた。オーナー2人組のためにバースデーケーキを手作りして、スタッフみんなでサプライズ誕生会を開いたことや、オーナーが10月生まれのスタッフたちにかわいいハロウィンデコレーションのケーキを差し入れてくれたことも、楽しい思い出だ。
旅人とスタッフ、地元の人の笑顔が集まる幸せな空間、それがゲストハウス。ゲストだった人もいつしか、スタッフになってしまうような場所だ。長崎さんと仲間たちは、今日も体も心も温まるサンドイッチとスープを用意して待っている。

めざましサンド店 ■住所:札幌市中央区南4東3 ハイツ昭和1F ■電話:011・211・1866 ■時間:IN15:00〜23:00/OUT11:00、カフェ8:00〜17:00(LO16:30) ■休み:カフェは火曜休 ■料金:1泊1人3,000円〜
三本木香
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