帰宅したら泥棒がいた!悲鳴を上げるどころか「おやつで懐柔」しようとする少女の異常な適応力【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
学校や仕事から帰宅して、もしも自室のタンスを見知らぬ猫が物色していたら? 普通なら悲鳴を上げるところだが、そこにいたのは唐草模様の風呂敷を背負った、あまりにも堂々たる「ドロボウ猫」だった。
2025年8月、X(旧Twitter)で公開され、そのシュールな設定と愛らしいキャラクターで大きな反響を呼んでいるのが、ツル(@TSURU_MOFU)さんの漫画『家に帰ったらドロボウ猫がいた』だ。泥棒を捕まえるどころか、おやつで仲良くなろうとする少女と、どこか憎めない「ドロ猫さん」の奇妙な交流。作者のツルさんに、本作に込めた仕掛けや制作の舞台裏を聞いた。
「泥棒猫」という言葉から生まれた、逆転の発想と“家族エピソード”
本作誕生のきっかけは、猫の漫画を構想していた際、ふと頭に浮かんだ「泥棒猫」というフレーズだった。
「猫から連想する言葉を並べているうちに『泥棒猫』に辿り着きました。そこから『家に帰ったらドロボウ猫がいた』というシチュエーションがパッと浮かび、一気に描き進めました」と語るツルさん。
物語には、クスッと笑える小ボケが随所に散りばめられている。特に注目なのは、読み進めるうちに判明するドロ猫さんの私生活だ。「読み終えたあとに『そういうことだったのか』と思ってもらえるような仕掛けを意識しました。特にドロ猫さんの家族にまつわるエピソードは、自分でも一番気に入っています」
驚かないのは「慣れ」のせい? 動物たちの境界線がない世界観
作中、少女は泥棒猫を目撃しても全く動じない。警察を呼ぶどころか、「猫ちゃんならおやつで仲良くなれるかも」と、むしろ期待に満ちた反応を見せる。
「もし野生の姿で出会っていたら驚いたかもしれませんが、彼女は人間の生活に溶け込んでいる動物たちを日常として受け入れています。だからこそ、警戒心や恐怖心よりも先に『どう仲良くなるか』を考えられる。そんな、人間界と動物界が地続きにあるような空気感を大切にしました」
恋の行方と、次に狙うは「マーモット」の魅力発信
物語の裏側で描かれた、女の子とバイトの先輩の恋模様。二人のその後について尋ねると、「うまくいったと思いたいですね! ドロ猫さんのように温かい家庭を築いて、ドロ猫一家とも仲良く過ごしていてほしいです」と、ツルさんらしい優しい答えが返ってきた。
現在は、リス科の動物「マーモット」とその仲間たちをテーマにした漫画やイラストを精力的に投稿しているツルさん。目標は、動物たちの面白くて可愛い姿を詰め込んだ作品の書籍化だという。
「ドロ猫さん」が盗んでいったのは、タンスの中身ではなく、読者の心だったのかもしれない。ツルさんが描く次なる動物たちの物語が、今から待ち遠しい。
取材協力:ツル(@TSURU_MOFU)
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