育児放棄された弟を救えるのか?再会した弟の変わり果てた姿に涙が止まらない【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア
弟がいると知ると、世界が変わって見えた!墨染清(@sumizomesei)

「私に弟がいた!!」。主人公の恵(めぐむ)は、家の押し入れで1枚の古い写真を見つける。そこには離婚した父と母、そして幼い自分と見知らぬ小さな弟が写っていた。弟の存在に歓喜した恵は、写真の裏に記された住所を頼りに、一縷の希望を抱いて弟に会いに行く。しかし、そこで待ち受けていたのは想像を絶する凄惨な現実であった。

弟のことを覚えていなかった姉と、姉のことを覚えていた弟墨染清(@sumizomesei)

毒のこども_P03墨染清(@sumizomesei)

毒のこども_P04墨染清(@sumizomesei)


学校帰りに友人に付き添われ訪ねたアパートの一室は、まるでごみ屋敷のような惨状だった。ドアを開けたのは、育児放棄(ネグレクト)の結果か、学校にも通わずやせ細った弟の姿。奥にはだるそうに寝そべる女がいた。恵は言葉を失い、同行した友人は「やばいって、帰ろう。これは無理」と戦慄する。ドアを閉められたあとも、恵は「弟…かわいかった」と大粒の涙を流しながら絞り出すように呟く。今ここで逃げ出せば、二度と「お姉ちゃん」とは名乗れない。そんな予感に、彼女は立ち尽くすしかなかった。

封印された「負の記憶」と、埼玉への不思議な愛着


本作のタイトルは「毒のこども」。作者は、2017年冬期の「ゲッサン新人賞」(小学館)や2021年5月期の「新世代サンデー賞」(小学館)で佳作受賞の経歴を持つ漫画家・墨染清(@sumizomesei)さんだ。2024年12月まで「DLsite comipo」((viviON)にて「強がりユキヒト君はデレたくないのに」を連載するなど、精力的に活動している。

作中、恵は弟の存在を「さっぱり覚えてない」と笑い飛ばすシーンがある。この描写について墨染さんは「恵は弟のことを忘れていたわけではなく、考えないようにしていただけ」と分析する。彼女にとって、弟の記憶は自分自身の負の歴史の象徴。普段明るく振る舞う彼女は、その話題に触れることを無意識に避けていたのだという。

また、墨染さんの作品の9割は埼玉県が舞台となっているが、意外にもさんは同県を訪れたことがないという。「東京ほど人が多すぎず、かといって田舎でもなく、適度に賑わいがありながらも穏やかな空気が流れていそう。そんなイメージが私の描きたい世界観とぴったり合う」と、独自の視点でその魅力を語る。

鳴り止まない共感の声、描き続ける「家族」の物語


読者からは「ただ一言、お姉ちゃんに『よく頑張ったね』と言ってあげたい」「ひぃひぃ泣ける」といった熱い感想が寄せられている。特にラストシーンで描かれる「4つのケーキ」が持つ意味に、多くの人が涙した。

墨染さんは現在、家族をテーマにした新作の読切作品を準備中だという。「家族がテーマの話なので、本作を気に入ってくださった方は、こちらもチェックしてもらえるとうれしいです。ほかにも、今まで取り組んだことがないチャレンジも予定しています」と、フォロワーを驚かせるような仕掛けを示唆した。

凄惨な環境に置かれた姉弟の心の機微を、温かく、かつ鋭く描き出す墨染作品。最後の展開まで、その行く末をしっかりと見届けたい。


取材協力:墨染清(@sumizomesei)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

この記事の画像一覧(全49枚)

キーワード

カテゴリ:
タグ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集2026

全国約900件の花火大会を掲載。2026年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

金麦花火特等席&グッズが当たる

CHECK!花火開催カレンダー

夏休み特集2025

夏休み特集 2026

ウォーカー編集部がおすすめする、この夏の楽しみ方を紹介。夏休みイベント&おでかけスポット情報が盛りだくさん!

CHECK!夏祭り 2026の開催情報はこちら

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る