福岡在住の墨絵アーティスト・西元祐貴、初個展で「龍のキセキ」を追ってみる
九州ウォーカー
福岡アジア美術館(福岡市博多区)にて、2月11日(日)まで開催中の「西元祐貴 龍のキセキ」福岡展。連日、多くの観覧者が来場する話題の展覧会となっている。会期終了がわずかとなった今、新しい発見を求めて改めて巡ってみた。

今回は、タイトルにもある「龍」を追いかけてみることにした。理由は、以前西元氏自身が、これまで描いてきた龍の絵を見ると、自分がその時どういう状態だったかを鮮明に思い出せると言っていたことを思いだしたからだ。観る側に、その心境はわからなくとも、変化は感じられる。「龍のキセキ」というからには、その変化を見つけたくて龍を追って展覧会を観てみることにした。

まずこの展覧会のアイコン的な作品でもある入口に展示された二枚組の龍。今の西元祐貴を表現するかのような、勢いのある一枚。

会場に入ってすぐ、躍動するアスリートたちが描かれた作品が展示されたスペース。その中に、たった一枚だけ龍の絵が展示されている。しかも真正面を向いている。じっとこちらを見つめる龍に、心をのぞかれている気持ちになる。

和紙で作られた灯籠のようなオブジェは、三枚の絵で構成されている。和紙に光が灯り、立体的であたたかな雰囲気すら感じる。

女性の絵が集められたブースに、大きな口を開けて何かに向かう龍の絵。渇望するその姿の向こうに穏やかな表情の女性がいる。“欲望”を感じる龍だろうか。

この展覧会で、一番大きな龍の絵は6枚一緒に観ることで、一匹の龍の姿が浮かび上がる。落ち着き払ったような雄大な龍は、何もかも包み込んでくれそうな“懐の深さ”を感じずにはいられない。

真っ白な掛け軸に描かれた龍。狭い掛け軸の世界が窮屈なのか、今にも飛び出してきそう。龍の絵だけでなく、掛け軸の台紙も独創的で、作品に対する西元氏のこだわりが感じられるひとつ。

タイルのような陶板に描かれた龍は、唯一色が使用された作品。躍動と孤高を同時に見ているようだが、どこか温かみが感じられた。

展覧会の最後に展示されているのは、真っ白な着物に描かれた龍。西元氏は、絵を描き始めた頃に「いつかは着物に絵を描きたい」と思っていたという。龍が守り神として存在することをイメージして描いたというだけに、邪心を持っていたら近寄りがたいと見えるかも。
これ以外にも、龍の絵はたくさんあります。気になった龍の絵を勝手な解釈で紹介しましたが、もう一度、視点を変えて観てみると、また違った作品の姿が見えてきそう。
文乃
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