影山貴彦のテレビのホンネ。「キツいホンネと気配り、そのバランスが大事!」

関西ウォーカー

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元毎日放送プロデューサーで、同志社女子大学情報メディア学科の影山貴彦教授が、“関西ローカル”のテレビ番組の核心に迫るコラム!

「東京では言えないこと」をしゃべるのが、関西バラエティ番組の例えに使われるが…


いい年をしたおっさんだが、芸能情報番組が大好きだ。東京局制作のものも見るが、やや物足りない。「そこ、もう少し突っ込まんかい!」とか、「それ、笑いにせなあかんやろ!」とか、「何もっともらしいこと言うてんねん!」など、ブツブツ心の中で言いながら見ており、欲求不満が募ることもある。

「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ・中京テレビ共同制作)は、そんなボクみたいな人間の強い味方となっている番組だ。上沼恵美子と高田純次が司会のタッグを組み、芸能情報を中心に独自の切り口で伝える。芸能のプロ、井上公造と中西正男が裏付けをとった話をしてくれるので、信憑性も増す。他のパネリストには、雑誌編集者や医師など、その道のプロがキャスティングされており、彼らの持ちネタをプレゼンしてゆく。スタジオゲストも毎回2人ほどいて盛り上げる。演者たちの立ち位置がしっかりして、笑いのバランスもいい。さらに笑いが欲しいときは、上沼、高田がしっかり場をはじけさせてくれるから、安定感抜群だ。

こうした番組作りは、おもに「西」の視聴者が好むものだ。実は「クギズケ!」は関西ローカル番組と表現することは適切ではない。多くのエリアで放送されている。しかし東京では放送されていないので、全国ネット番組でもない。加えて言えば、東日本よりも西日本エリアの局が圧倒的多数を占める。

情報をストレートに伝えることを是とする「東」。対して、トークを広げ、面白く展開させることが本流の「西」。視聴者がテレビに何を求めるか?、その嗜好は東西で違う。『東京では言えないことをホンネでしゃべる』という表現が、関西バラエティ番組の例えに使われる。それは間違いではない。だがキツめのホンネに加え、ひとさじの気配りが演者に必須であることを絶対忘れてはならない。

同志社女子大学 学芸学部 情報メディア学科の影山教授


【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 情報メディア学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「影山教授の教え子が泣きにくる。~涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室」など。

影山貴彦

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