高校野球スペシャル連載 “ワタシ”が語る甲子園 第3回/球児愛が止まらない! 高校野球女子アナ実況の裏側(前編)
関西ウォーカー
“高校野球大好き”な著名人が甲子園の魅力を語るスペシャル連載「”ワタシ”が語る甲子園~100年の熱狂ストーリー~」。情報誌「関西ウォーカー」と連動してスタートしたWEB版連載では、誌面に掲載しきれなかった未公開トークを含むスペシャル版を前後編で掲載する。
連載第3回目は「関西ウォーカー5号」(2018年2/20発売)掲載の、高校野球愛が強すぎるフリーアナウンサー・市川いずみさんのインタビュー(前編)をお届け!

2000年夏に甲子園で試合を見て以来、甲子園の虜に。「野球をするお兄ちゃん、カッコいい!」
―野球を好きになったきっかけを教えてください
「週末に祖父の家で食事をすることが多かったんですけれど、祖父が巨人ファンで食事の時はテレビで巨人戦が流れていることが多かったんです。でも、当時は野球よりちびまる子ちゃんが見たかったので、野球が嫌だったんです(笑)。ただ、野球を身近に感じていたのか、中学ではソフトボール部に入ることにして、入学前には壁を相手にキャッチボールをしていました。初めて夏の甲子園を球場で見たのは、中学1年の時でした」
―実際に球場で見てどうだった?
「スタンドに入った瞬間、目に飛び込んできた景色や熱気、芝の香りが忘れられません。“すごい場所に来たんだな”、“野球をやっているお兄ちゃん、カッコいい!”と興奮しっぱなしでした。それからソフトボールの練習を終えたら甲子園に行って外野席で試合をよく観ていました。当時は智辯学園和歌山がすごく強くて、もうかなりハマってしまって。あらゆる雑誌を買って、好きな選手を切り抜いて下敷きに入れていました」

―その年を機に、甲子園には毎年よく行っていたのですか?
「そうですね。私がいたソフトボール部は全国大会に行く強豪で、毎日ノートを書く習慣があったのですが、甲子園で見た選手のプレーを材料にして“こんなプレーが参考になった”みたいなこともよく書いていました。生かせるプレーがあったらどんどん取り入れようと。甲子園球場がすごく好きで、ここでお仕事ができるようになればいいなぁ…と当時から思っていましたね」

―高校生になってからも、甲子園には通ったのですか?
「それが…高校生になると高校野球熱が少し冷めてしまったんです。高校野球は、年上のカッコいいお兄さんがやっている競技、というイメージが強かったので、同世代になるとあこがれが薄れてしまって。しかも私が高校在学中の3年間は阪神が2度もリーグ優勝したので、プロ野球にどっぷりはまったんです。私の世代は、ダルビッシュ有選手や田中将大選手がいましたけど、高校野球を見に甲子園に行くことはなかったですね」
高校球児へのあこがれで、ついにはアナウンサーとして山口へ!
―アナウンサーを志すまでの経緯は?
「アナウンサーになりたいというより、野球に関わる仕事がしたかったんです。野球に近いのはマスコミだと思って、まずはアナウンサーを目指そうと。アナウンサーは狭き門なので、ディレクターでも記者でもいいと思っていました。とにかく甲子園で働きたかったので、阪神園芸さんやスポーツメーカーさんも考えましたね。そんな中、高校野球の山口大会を1回戦から放送している山口朝日放送の面接で、野球が好きだということをアピールしたら受かったんです!」

―山口朝日放送では、女性ではまだ珍しい、実況も担当してましたよね。
「1年目は大会でスタンドレポートを担当できたのですが、レポートは新人がメインのお仕事。2年目はニュース勤務がほとんどだったんです。私は野球の仕事がやりたくて山口に来たのに!…と思っていた時に、当時の局長や部長から実況やってもいいよ、と言われました。ただ最初は、男性の方がいい中継ができると思っていましたし、やれる自信もなく、手を挙げる勇気がありませんでした。」
―実況にチャレンジしてみようと思ったきっかけは?
「仲の良い男性先輩アナウンサーから『自分がやっても確かに大変だったけど、野球の仕事がしたくてここにいるのなら、全面的にサポートするから手を挙げろ』って言われたんです。その一押しで実況アナウンサーに挑戦することに決めました」
―実況アナウンサーになるための研修があるんですよね
「はい。(系列局の)ABCで研修することになりました。」
―研修時代に印象に残ったことはありますか?
「研修の時にお会いした清水次郎アナウンサー(当時)に、開口一番『お前、アホやわ』って言われたんですよ(笑)」
―それは、どういう意味で?
「『こんなに野球が好きなアホな女の子に初めて会ったわ』って。たしかに研修に来ていたのは男性ばかり…、目立っていましたね」

―それは目立ちそうですね。ほかには?
「まだ何も分からない研修の序盤で、実際の映像を見て実況する講義がありました。ピッチャーが花巻東時代の大谷翔平君で、追い込まれたバッターがボールにバットを当てたシーンだったんです。それを私が『バッターなんとかバットに当てました』と表現したら、研修を見てくれていた枝松順一アナウンサー(当時)が、『普通は打ちにいきましたって言うのに、女の子で当てたっていう表現が出来る子はいない。追い込まれてから何とか食らいつくというバッターの心理状況もちゃんと読んでいる。それはセンスだから大事にした方がいい』と言ってくださったのが印象に残っています。」
―ソフトボールの経験があったからこその表現ですね。
「ソフトボールをやっていた経験が生きたと思います。そこから帰省するたびにABCに行って、清水さんや枝松さんに見てもらいましたね。1イニングだけでも2時間ぐらいかけて教えていただいて…。それで入社3年目から実況デビューしました」
高校野球の実況をするまでに至った熱い思いを語ってくれた市川さん。次回は、高校野球の実況アナウンサーとしての奮闘や球児愛を語る!
◇
〈今回の語り部〉
市川いずみ
1988年1月19日、京都府出身。関大卒業後、山口朝日放送に入社し、山口県大会の実況中継を担当。4年目の夏にテレビ朝日系列のスポーツ実況部門の最優秀賞を受賞した。15年からフリーとなり、MBS「みんなの甲子園」ナビゲーターや、センバツ大会期間中はスポーツニッポンでコラムも担当。現在はABC「おはようコール」やMBS「ちちんぷいぷい」にも出演中。今、イチオシの選手は大阪桐蔭の青地斗舞選手と乙訓の山本レオ選手。
沢井 史
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