高校野球スペシャル連載 “ワタシ”が語る甲子園 第4回/球児愛が止まらない! 高校野球女子アナ実況の裏側(後編)

関西ウォーカー

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“高校野球大好き”な著名人が甲子園の魅力を語るスペシャル連載「”ワタシ”が語る甲子園~100年の熱狂ストーリー」。情報誌「関西ウォーカー」と連動してスタートしたWEB版連載では、誌面に掲載しきれなかった未公開トークを含むスペシャル版を前後編で掲載する。

連載第4回目は「関西ウォーカー5号」(2018年2/20発売)に掲載した、高校野球愛が強すぎるフリーアナウンサー・市川いずみさんのインタビュー(後編)をお届け!

高校球児への愛と尊敬が詰まった実況の裏側


―初実況の出来はいかがでしたか?

「それがもう…ボロボロ(笑)。いざ、マイクの前に座ると、言葉が出てこない、事前取材した話も出てこない…。目の前の試合で起こることを伝えるのに精いっぱいでした」

自身もソフトボールの経験がある市川さん。フォームもさまになっています


―慣れない実況。そんな中で大切にしていたことは?

「高校野球はプロ野球と違って、その夏や秋にしか脚光を浴びない子ばかり。地方大会はとくに、よっぽど野球好きでないと“ずっと○○高校の□□君のファン”なんていないと思うんです。だから、私は試合の中でその選手のファンになってもらえるような実況をしようと思いました。その子が3年間やってきたことや、その試合に賭ける思いがあるので、事前に取材して中継の中に入れたりして。その子がどんな子なのか紹介すると、テレビで初めて見た方も“応援してあげよう”という気持ちになると思うんです」

―事前の取材もかなり時間をかけていたのですね。

「あとは、エラーした選手の名前は言いません。起こったことは事実として伝えないといけないので、“ショートのエラーです”とだけ言います。反対に良いプレーをした選手は名前を言ってあげる。そのためにはすぐに名前が出てこないといけないので、前日は寝る前にベッドの上でも資料を読み込みました」

実況時に使っていた資料を特別に見せてもらった。試合ごとのポジションや打順はもちろん、選手の特徴までびっしり


―ほかに心掛けていたことは?

「9回裏の攻撃を最終回の攻撃とは絶対に言いません。もしかしたら追いつくかもしれない! 球児が諦めていないのに、最終回と決めつけてはいけないと思って。それも含めて、とにかくマイナスなことを言わないようにしています」

高校野球は自分を振り返るきっかけ


―市川さんにとって高校野球の魅力とは?

「高校野球は大切なことに気づかせてくれます。目標を達成するために限界まで頑張っている球児を見ると、”私、最近ここまで頑張ったことがあったかな“って考えさせられる。」

―取材で出会った球児に驚かされることもありますよね

「最近だと大阪桐蔭の青地斗舞君。前チームではベンチにも入っていなくて、しかも同級生は藤原恭大君や根尾 昂君など全国レベルのライバルばかり。なのに、昨秋の公式戦は打率がチームでトップでした。取材でこの結果について聞くと、ベンチ入りしていなかった昨春のセンバツから“秋は打率1位になる”と決めていたと言うんです!」

市川さんのお宝グッズ・球児からもらった甲子園の土。「5年前に甲子園出場した岩国商の選手にいただきました」


―それはすごい! どんなことを考えて“打率1位”の目標を立てたんでしょうか

「“何でもいいから1番になれ”とお父さんから言われていたそう。“ホームラン数は無理かもしれないけど、打率はいけるんじゃないか…可能性が0%じゃない限り、打率トップになりたい”と秋の大会に向けて春のセンバツ時から逆算して準備をしていたそうです。自分で目標を決めて、逆算して日々を過ごす…、すごいですよね。私は高校球児を本当に尊敬しています」

―レギュラーになれない選手たちの姿勢にもグッときますよね

「印象的なのは一昨年の春に優勝した智辯学園(奈良)。当時の控え選手がレギュラー選手のために、決勝の相手の高松商業を分析して分厚い資料を作っていました。でも、彼らからするとチームが優勝すれば、レギュラーと力の差が開いてますます試合に出る可能性も減ってしまうはず。心中は複雑なはずなのに“チームが優勝してくれるならいいんです”って徹夜でデータを作っていて…。人のために一生懸命できる姿に感銘を受けました」

一番の注目校を聞くと「え~~~難しい!!」と頭を抱え悩む市川さん


―今年は夏の甲子園は100回の記念大会。期待も膨らみますね。

「私が初めて高校野球を見たのが2000年。今年の球児は最高学年が2000年生まれなので、何か縁を感じますね。この春は大阪桐蔭の春の2連覇の期待がかかっていますが、他にも見どころはたくさんあります。今年のセンバツは例年より多い36校の学校が甲子園に出場します。初出場の学校も多いですし、見ていてさわやかで気持ちのいいチームを多く見られたらいいですね」



〈今回の語り部〉

市川いずみ(フリーアナウンサー)

1988年1月19日、京都府出身。関西大学卒業後、山口朝日放送に入社。15年にフリーになり、現在はABC「おはようコール」やMBS「ちちんぷいぷい」に出演中。今年イチオシの選手は大阪桐蔭の青地斗舞選手と乙訓の山本レオ選手。

沢井 史

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