エンタメ好きは見るべき! 映画「グレイテスト・ショーマン」にワクワクが止まらない
関西ウォーカー
「グレイテスト・ショーマン」。タイトルに惹かれて飛び込んだ試写会で、ショービジネスの原点を築いた興行師フィニアス・テイラー・バーナムのことを知った。19世紀のアメリカで、現在のサーカスの基礎を設立した人であり、プロデューサーで起業家の先駆者だった。芝居や音楽が上流階級の人々のものだった時代に、一般市民向けの娯楽としてのショー“サーカス”を作り上げたのだ。

『至高の芸術とは、人を幸せにすること』。
P.T.バーナムのこの言葉を旗印に、オリジナルのミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」が作り上げられた。タイトルロールを演じるのは、ヒュー・ジャックマン。その実力を世界に見せつけた「レ・ミゼラブル」の大ヒットは、本家本元のミュージカル「レ・ミゼラブル」の新演出にも影響を与えたほど。
そして製作は「ラ・ラ・ランド」チームだ。2017年度アカデミー賞主題歌賞を受賞し、世界の注目を集めたベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。彼らはブロードウェイ・ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」で音楽と作詞を手掛け、2017年度のトニー賞オリジナル楽曲賞も受賞した。

【物語】19世紀半ばのアメリカ。幼馴染の妻・チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)を幸せにすることを願い、挑戦と失敗を繰り返すP.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、社会から疎外されていた超個性的な人たちをパフォーマーとして集めたユニークなショーで成功する。が、根強い反対派と差別的状況は変わらない。若き相棒フィリップ(ザック・エフロン)の協力でイギリスのヴィクトリア女王に謁見し、そこで出会った美貌のオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)のアメリカ公演を企画。フィリップに一座を任せ、一流のプロモーターとなる足掛かりにしようと、アメリカ・ツアーに打って出る…。
【音楽】ミュージカルナンバーは9曲。自分たちを奮い立たせる主題歌「This is me(これが私)」の、キアラ・セトルの力強いボーカルが圧巻、オープニングとエンディングで歌われる「ザ・グレイテスト・ショー」もワクワク感満載!
【ひらめき】ドラマチックなサクセスストーリーの中、印象的なのはバーナムの発想力。夜の屋上で、手元にあるものを使って一瞬で回り燈籠を作り、そこに干されたシーツに投影する。くるくる回る影絵に驚き喜ぶ子供たち。うれしさが伝わる幸せなシーン。バーナムは好奇心旺盛で既成のものや固定観念に囚われない。自由な発想で、人がやっていないこと、ほかにないものを次々と発案し、リスクを恐れず実行する。自分勝手で周囲を振り回すけれど、その原動力は妻への愛。めっちゃ大変やけど、いい男。最近はこういう男、少なくなったような。それ以上に、裕福な名家から貧しいバーナムと結婚し、支え続けた妻。こういう女の方が少ないかな。。

『みんな違うから輝く。誰も見たことのないショーを』
【サーカス】“サーカス”。見世物小屋から、像やライオンなど動物の芸や人間の曲芸を見せるショーに発展し、今ではシルク・ドゥ・ソレイユのような世界的規模のエンターテインメント・ショーへ。
物語では、バーナムが作ったショーを観た新聞記者は、「大混乱」の意味で“サーカス”という言葉をタイトルに使う。それを逆手に取り、自分のショーを“サーカス”と名付けるバーナム。眉をひそめる上流階級の人たち、興奮して楽しむ一般庶民たち。パフォーマーたちの見た目や肌の色は、特別なものであり、違うからこそ輝くと歌う。バーナムの活動を観続ける新聞記者は“サーカス”を「“人間の祝祭”とも訳せる」と最後に言う。
【ショー】華やかで楽しい。円形の劇場は光と熱気に満ち、劇場を出る人たちの顔はみな笑顔だ。ダンスしながら歌うのはもちろん、アクロバットをしながら歌い、カップルは空中ブランコをしつつ歌って愛のデュエット。ある意味シルクより、すごい!? ま、こちらは映像。とはいえ、ピンク色の髪の空中ブランコ乗り・アンを演じたゼンデイヤの、特訓を超えた演技には拍手を贈りたい。

同じ人間とは思えないほどの超絶技で魅了するシルク・ドゥ・ソレイユのショーには、いつも“人類の祝祭”のイメージがある。2/7㊌、「キュリオス」が東京で開幕した。大阪では特設会場の中之島ビッグトップで7月26日㊍~10月29日㊊に上演される(問:ダイハツ キュリオス大阪公演事務局【電話】0570-200-889/10:00~18:00)。「キュリオス」は、この映画の背景となる19世紀の雰囲気が漂う世界観で、テーマは“創造の旅”。是非、映画「グレイテスト・ショーマン」を見てからシルク・ドゥ・ソレイユを楽しんでほしい。
物語の最後にバーナムはひらめく。「そうだ、テントでやればいい!」。シルクが初めての人はもちろん、熱烈シルク・ファンも、ビッグトップへの入場がいつも以上にワクワクするに違いない。
演劇ライター・はーこ
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