『ゆるキャン△』で話題の公園に「桃のきれいな時期に来るのです…」と観光協会がつぶやいたわけ

女子高生がキャンプやアウトドアをゆるく楽しむTVアニメ『ゆるキャン△』。この作品では山梨県をはじめとする実在のスポットをモデルにして描いており、静岡県の富士宮市役所は作品のキービジュアルを職員で再現した写真をTwitterに投稿するなど、関連自治体も注目のアニメとなっています。

そんな中、2月7日(木)に山梨市観光協会Twitterアカウント(@yamanashikanko)のこんな投稿が注目を集めました。

「(……きこえますか…ゆるキャン△ファンの…みなさん… 今…あなたの心に…直接呼びかけています…今は…笛吹公園のドームが…改修工事中なのです…アニメに出たパフェのお店…見られないのです…せっかくなので…桃の花がきれいな時期に…来るのです…それはもう…見事なのです…)」

笛吹公園とは、『ゆるキャン△』で野外活動サークルのメンバーが立ち寄った場所。このモデルとなったのが山梨県笛吹川フルーツ公園なのですが、劇中でスイーツを満喫する印象的なシーンの舞台となった建物がなんと現在工事中だと言うのです。アニメを見て作品の舞台に足を運ぼうとした人からは「貴重な情報！危ない、明日行こうとしてた…」と感謝する声が上がっています。

その一方で、投稿に添えられていた桃の花と富士山のコントラストが鮮やかな写真にも反響が寄せられました。編集部は詳しい話を山梨市観光協会に聞きました。

――アニメに登場したドームが工事中とお聞きしました。

「はい。笛吹川フルーツ公園のガラスドーム“くだもの広場”で現在工事を行っています。アニメに描かれたカフェのモデル“オーチャードカフェ”がくだもの広場内にあり、現在は仮店舗で運営中です」

――改修工事はいつまで続くのですか？

「実はまもなく終了の予定です。改修工事の期間は2月15日(木)までなのですが、作品をご覧になって今すぐ来ようと思う方もいらっしゃると考え、Twitterでお知らせしました」

――投稿に添付されていた写真はどこの景色ですか？

「桃の花と桜の花が満開の時期に、笛吹川フルーツ公園から撮影したものです。盆地の遠くまでピンク色に染まっているのがわかるかと思いますが、これはすべて桃の花です」

――“桃の花がきれいな時期に”の意図は？

「甲府盆地は桃の栽培が盛んで、写真の時期の甲府盆地は、桃色のじゅうたんとも呼ばれています。作品の舞台探訪とともに、せっかくなら桃の花も楽しんでいただければと思いました」

――見頃はいつ頃ですか？

「シーズンは例年4月10日ごろです。市内の各所に桃の花のスポットがありますので『桃の花散策MAP』を作成し、駅周辺を中心に配布するほか、観光協会のサイトでも公開しています」

――作品内の季節は冬です。今の山梨の見どころは？

「やはり空気が澄んでいるので、甲府盆地や富士山を望む眺めがはっきりと見えるところでしょうか」

――山梨を訪れる方にメッセージをいただければ

「山梨はさくらんぼ、桃、ぶどうといった果物の生産も盛んです。これからお越しになる方には、景色とともにぜひ季節ごとの味覚も楽しんでいただければ」

話を聞いているうち、筆者も行きたくなる気持ちがむくむくと膨らんできました。日中だけでなく夜景も見事で、フルーツ公園から見る夜の甲府盆地の眺めは新日本三大夜景に数えられるとのこと。こちらも見逃せません。

公式サイトでは取り上げないようなニュースを発信しているという山梨市観光協会のTwitter。後日のツイートでは「中の人ね…ゆるキャン△に便乗して…山梨市を宣伝しまくるよ…せっかくなんだもん…山梨市いいとこだから…いっぱい来てほしいんだもん…」と呼びかけています。笛吹川フルーツ公園のほか、ほったらかし温泉をはじめとする市内各所の観光情報も満載。『ゆるキャン△』ファンのみならず、山梨観光を“ガチ”で楽しむなら要チェックです！

国分洋平