ほっこり北の屋台のアジア料理店で味わう、アイヌ料理の数々

2018年5月29日 15:00更新

北海道ウォーカー 市村雅代

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アイヌ語で「小さな家」という意味の名前を持つお店が帯広市の北の屋台にあります。インドネシアに住んでいたという経験を生かしたアジア料理の中に、店主のおふくろの味・アイヌ料理も並びます。2017年の春に北の屋台に仲間入りした「ポンチセ」。インドネシア料理をはじめ、中華などアジア各国のテイストを盛り込んだ料理を食べられます。その中のひとつがアイヌ料理。アイヌ料理をはじめて食べる、少しだけ食べてみたい、という人もぴったりです。

メニューにはさまざまなアジア料理が並ぶ。店の一番人気はパクチー餃子(580円)

屋台のお店を開くのが夢だったと話す店主の豊川純子さん。時期はもう少し先で、と考えていましたが出店の話がトントン拍子で進み、また同時期に大病を患ったこともあり、夢を先延ばしにせず実現することにしました。

定番メニューにあるアイヌ料理はチポロイモ(480円)、シケレペの実入りかぼちゃ団子(2つで480円)、そしてポネオハウ(580円)です。チポロイモはマッシュポテトにイクラをのせたもの。

ジャガイモ×イクラの塩味の組み合わせははずれなし

かぼちゃ団子に入っているシケレペの和名はキハダ。柑橘系のさわやかな香りがかぼちゃの甘みを引き立てます。

シケレペの実とかぼちゃは好相性で、アイヌ料理ではほかにもバリエーションあり

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シケレペの実とかぼちゃは好相性で、アイヌ料理ではほかにもバリエーションあり

オハウは最も定番的なアイヌ料理の汁物で、一般的にはサケを入れます。が、ポンチセで出している「ポネオハウ」は豚骨を使ったもの。十勝地域のアイヌならではメニューです。「だいぶ近年になってからのことだとは思いますが、近くに食肉加工場があったので、そこの肉を工夫して食べていたようです」と豊川さん。

骨の隅々までしゃぶりつくしたくなるポネオハウ。プラス120円でうどん入りにできる

幼馴染の間では「骨のおつゆ」と呼んでいたというこのオハウ。豚骨を砕いて煮込んでいるので、それはもう旨みがたーっぷり! 肉は骨についているので、お箸では隅々まで食べられません。骨を手に持って手と口をべたべたにさせながらいただきます……が、これがうまい! メニューを考える時に、豊川さんは「こんな『ワイルド』な料理、出して大丈夫かな。出すにしても友達だけに出す裏メニューにするか?」と悩んでいたそう。それがアイヌ料理の中では一番人気に。いまでは十勝らしいこのメニューをお店で出せてよかった、と思っていると話します。

ほか、アイヌの代表的な保存食のムニニイモ(500円)も要予約で食べることができます。凍結と解凍を繰り返し発酵させたジャガイモを粉にして作ったお団子で、香ばしいような独特の香りが特徴。表面はカリッと、なかはモチッとした食感です。ほか、八列コーンのスープや、エハという豊川さん自身が大好きだというツル性植物の豆ごはんなど、食材が手に入った時にだけ食べられるものもあります。

要予約のムニニイモ。ジャガイモを使った通常のイモ餅とは全く異なる独特の風味

いずれも豊川さんが小さい頃から食べてきたものですが、当初はアイヌの料理を出す予定ではなかったそう。「自分からアイヌの血を引いていることを話したことはなかったので、その料理を出すのに抵抗があったんです」と話します。しかし、アイヌの若い世代がアイヌの歌や踊りを披露して多くの人に楽しんでもらっている様子を見て考えを変えたと話します。「アイヌのものに興味を持ってもらえる時代がくるなんて思っていませんでした」。

さりげなく置かれたアイヌに関する本。店を始めてから自然と集まってきたとか

定員9名のお店は、満席になったら隣の人と肩を寄せ合って座るほど。ポンチセ=小さなお家という店名はこの広さを表しただけでなく、誰もが帰って来られるアットホームなお店にしたいという願いを込めてつけたそう。アイヌ料理を食べて「懐かしい」と言う外国人観光客もいるとか。小さいお家で食べるアイヌの母の味がそう感じさせているのかもしれません。

北の屋台の中ほどにあるポンチセ。お酒も充実しており、2次会の場としても便利なロケーション

亜細亜食堂ポンチセ ■住所:帯広市西1条南10丁目7番地北の屋台 ■電話:080・6077・3763 ■時間18:00~24:00(L.O.23:30) ■休み:水曜 ■座席:9席(喫煙可)

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