公共交通機関を使っての知床観光にも便利! アイヌの文化を体感する宿

2018年5月30日 20:00更新

北海道ウォーカー 市村雅代

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知床の玄関口、ウトロの町中にあり、観光船乗り場や温泉も徒歩圏内という宿泊施設「酋長の家」。知床観光の拠点として便利な場所ですが、アイヌの血を引く一家が営むこの宿ならではの楽しみも。ぜひ宿での時間を満喫してください。

お楽しみその1 料理はすべてこだわりの手作り。アイヌの料理も食べられる!

酋長の家の自慢は料理。すべて手作りで、ダシもコンブとカツオから取るというていねいさ。そのため仕込みは朝から行っているそう。メニューの内容は、食べる前に説明されます。

民宿タイプのお部屋の料理。品数は多いが、量よりも質で満足感ある夕食。一品一品ていねいに説明される

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この日はサケの白子の天ぷら(ふわっふわでとろとろ)、マスのちゃんちゃん焼き(甘めの味噌味がいい!)、カレイの煮つけ(身がしっかりしていてしっとり)、納豆コンブ(納豆は入っていません。ねばーるコンブ)、ホタテの紐のおひたし(コリコリの食感が楽しい)、ピーマンのぬか漬けのゴマ和え(ぬか漬けというのは言われなければ気づかず。下味的な感じでしょうか。さっぱりしているけどコクがある)、ホタテの稚貝のオハウ(じんわり温まる塩味)、それとラタシケップです。

滑らかな舌触りのラタシケップ。コーンやクルミの食感も楽しめる

ラタシケップはアイヌの伝統的な料理。マッシュしたカボチャに金時豆、クルミ、コーンを混ぜ、シケレペ(キハダの実)の柑橘系の香りがアクセントになっています。女将、梅澤悦子さんのおふくろの味ですが、作り方を教えてもらっていなかったため、悦子さん自身では再現できなかったそう。

「20年くらい前に食べたいなーと思って、まず友達に作り方を教えてもらったんです」。そこから研究を重ねて母親の味に近づけていったのだそう。ただ、一度にたくさんできてしまうため食べきれず。宿の料理として出してみたら好評だったことから、定番メニューになりました。シケレペの香りが独特でかぼちゃサラダとは全くの別モノ。ぜひ食べてみてください。

お楽しみその2 アイヌ楽器の演奏を聴ける

お料理の説明と共に披露されるのが悦子さんのムックリ。

夕食前のプチ演奏会。連泊する人がいる場合は、アイヌの歌を披露。そんなホスピタリティもうれしい

ムックリは竹製の楽器で、口に当て端の紐を引っ張り振動させて音を出します。「びょーん」という音に最初は驚くかもしれませんが、ムックリの奏でる音は風や波の音、そして演奏者の気分を表現しているとも言われ、想像をかきたてられます。

お楽しみその3 小さなアイヌミュージアムがある

客室になっている2階と3階それぞれにアイヌの民具や神具を飾ったコーナー、そしてアイヌの物語の絵本が置かれた一画があります。

アイヌ文化、アイヌ語に気軽に触れられるコーナー

そもそもなぜ「酋長の家」なのか。「私の父、志富イサネが阿寒のアイヌコタン(集落)を作った人だったの。阿寒では民芸店を営んでいたけど、知床に夏の間だけお店を出すことになってね」。

部屋は民宿タイプと旅館タイプあり(料理の内容も異なる)。写真は旅館タイプ

その後、宿となり悦子さんが引き継ぎ、現在ではその息子さんの欣也さんが宿主となっています。2016年で開業から50年が経ちました。現在、悦子さんは主に宿に併設されたおみやげ物店で刺繍をしたりして過ごすことが多いそう。アイヌに関するお話を聞いたり、店で売っているムックリの鳴らし方についてアドバイスをもらえます。

みやげ物店で人気なのはアイヌ刺繍が施された商品

欣也さんもこの宿の特徴は「アイヌの資料が充実しているところ。また女将(悦子さん)がアイヌの原体験を持っていることでしょうか」と話します。昼間は大自然を満喫、夜はアイヌの文化に触れるひとときを。そんな知床の旅もいいかもしれません。

国道から入ると見えるこの大きな看板が目印

温泉民宿・旅館 酋長の家 ■住所:斜里郡斜里町ウトロ東124 ■電話:0152・24・2742 ■価格:旅館タイプ9870円/民宿タイプ7710円(ともに大人1泊2食付の場合。入湯税込み) ■休み:12~1月

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