影山貴彦のテレビのホンネ。「ドラマ『大阪環状線』 関西各局のタッグへ」
関西ウォーカー
元毎日放送プロデューサーで、同志社女子大学情報メディア学科の影山貴彦教授が、“関西ローカル”のテレビ番組の核心に迫るコラム!
出来上がったドラマは関西全局で同時放送。作り手たちの切磋琢磨の場所にもなる
環状線の駅を舞台に1話完結のオムニバスドラマが展開される「大阪環状線」シリーズ。2016年の10作が好評で、2017年にはPart2が、今年1月16日からは「大阪環状線Part3 ひと駅ごとのスマイル」(カンテレ)が放送されている。
昨年のコラムでも絶賛した、キムラ緑子と波岡一喜が不器用で人間味あふれる母と息子を演じたPart2での「船出の母」。その続編、「こども食堂はじめました」がPart3の初回で見られたのは嬉しかった。
キムラは言うまでもなくすでに大女優だが、波岡も今やNHKの朝ドラで大きな役を射止めるほどの活躍ぶりだ。そんな二人が「環状線」に帰ってきた。視聴者は、そういうのがたまらないのだ。
2月20日放送、赤井英和主演の妻や娘との絆を描いた「指輪のネックレス」や、3月13日の松尾諭が駅員役を演じる「環状線くん」など見逃せない芸達者に加え、若き原石ともいえる俳優たちの演技も楽しみのひとつだ。


こうした企画は素晴らしい。だからこそ言いたい。もう少し早い時間に放送することはできないか、もう少し潤沢な制作費をスタッフたちに提供することはできないものかと強く思う。ぜひ総集編とか名作選のような形でもいいのでゴールデンタイムに放送することを検討して欲しいところだ。
関西ローカルでドラマを制作することはとても大変だ。それはよくわかっている。たとえば、の提案だが、関西各局がタッグを組んでドラマ制作に乗り出してみてはどうだろう?かなり難しいかもしれないが、NHK大阪放送局にも加わってもらえれば、より最高だ。出来上がったドラマは、関西全局のチャンネルで、同時放送する。大きな話題となるだろうし、制作費の都合もつきやすい。好評を得ればレギュラー化して、作り手たちが切磋琢磨し、競い合える場にもなる。夢物語だろうか?いや、きっとできるはずだ。
【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 情報メディア学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「影山教授の教え子が泣きにくる。~涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室」など。
影山貴彦
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