幕末ミステリーリサーチ File3 東京都内の坂本龍馬を探せ! #03 さわれる龍馬と新橋の聖地
東京ウォーカー
ピョンチャン五輪で世間が盛り上がる中、それに負けず劣らず幕末維新旋風もすごい。特に史料の新発見は例年とは比べものにならないハイペースで、先日も鳥羽伏見の戦いで焼失した豊後橋に関する伏見奉行所の史料が発見された。全国各地の資料館や大学では、明治維新150周年の好機に合わせて研究により力を入れているのだろう。この調子でもっともっと新史料が発見され、それによって考証や研究がさらに深められ、幕末維新のミステリー解明につながってほしい。【ボクらの維新通信社2018】もこの流れを活性化していきますよっ!
観光地お台場で龍馬とデート!

そんな通信社の中で、幕末維新好きの俳優や歴ドル、声優たちが結成した幕末ミステリーリサーチ、通称“BMR”。毎回テーマに沿って動画ロケを行ない、幕末維新のさまざまな楽しみ方を提案している。先々週からは「東京都内の坂本龍馬を探せ!」というテーマの下、前回はBMR女性隊員によるキャッキャウフフの龍馬スポットをご紹介した。
さて今回は男性隊員編。まずはBMR隊長のロバート・ウォーターマンのレポートからだ。龍馬に限らず幕末や歴史のスポットといえば、史跡や資料館がまず思い浮かぶが、ロバートが愛車を走らせ向かったのは、カップルやファミリーで賑わう観光地のお台場。こんなところに龍馬いるの!?
いるんです。お台場海浜公園のすぐ近く、デックス東京ビーチの中にあるマダム・タッソーTOKYOに! ロンドンが発祥のマダム・タッソー館は、アメリカやドイツ、オランダ、タイ、香港など世界各国に展開している有名な蝋人形館。歴史上の偉人や国際的エンターテイナー、有名アスリートたちの精巧な蝋人形(フィギュア)が見もので、ここマダム・タッソーTOKYOでも入り口でいきなりマリリン・モンローが出迎えてくれ、エレベーターではブルース・ウィリスと一緒に乗って館内に入っていく。
その中に幕末の風雲児・坂本龍馬がいるんです。写真やパネルの平面、モノトーンではない、立体的でフルカラーの龍馬が。銅像のように見上げるのではない、等身大(推定)の龍馬が。だから横や後ろに回り込んですみずみまで眺めることができる上、なんとマダム・タッソーでは、基本的に蝋人形にさわってもOK。

それじゃ遠慮なく。と隊長はあんな角度やこんな角度で龍馬をなめるように鑑賞し、続いて背中をなでたり肩を組んで2ショット撮影。肉付きも確かめたくて胸筋をさわった時、コリっとした感触があったのでちょっと胸元を開けて乳首も確認。おお、こんなたたずまいでしたか。……ワリとやりたい放題だったのである。ふと見れば周りに数組のカップルがいたが、気にせず存分に龍馬を堪能したのだった。

ほかにも芸術家や科学者、ハリウッドのセレブたちと撮影をしつつ、帰り際に忘れちゃならないもう一人の幕末人にもご挨拶。一般的にはトム・クルーズとして知られるハリウッド・スターは、我が通信社的には『ラストサムライ』のジュール・ブリュネ(を演じた人)である。ブリュネは徳川幕府がフランスから招いた軍事顧問の一人で、幕府陸軍の砲兵と歩兵にフランスの近代戦闘を叩き込んだ人。幕府瓦解後も国外退去せず、土方歳三や大鳥圭介たちと箱館五稜郭まで戦った武人である。
こうして蝋人形館を満喫し、車に乗り込んだロバートが目指したのは神奈川県の横須賀。今回のテーマは「東京都内の龍馬スポット」だが、「湾岸線をまっすぐ行けば、あの龍馬像も見られる」と気づき、そのままアクセル、ブ~ン。
大津の街に溢れる龍馬愛

横須賀といえば浦賀。浦賀といえばペリー。幕末の海外勢推しの隊長としては、ホントはペリースポットもご紹介したかったのだが、今回はぐっと我慢して、まず訪ねたのは御菓子司 ・精栄軒。こちらの龍馬とおりょうのカステラ、さらに黒船サブレも買い込んで、目的地の大津にある信楽寺(しんぎょうじ)へ。大津は坂本龍馬の妻・おりょうが晩年を過ごした地で、信楽寺にはおりょうの墓があり、また龍馬とおりょう夫婦の珍しい木像があるのだ。

二人の木像は、2006年のおりょう没後100年の年に、よこすか龍馬会と仏師・梶谷叡正氏によって作られたものだ。信楽寺では、「訪ねてこられた方がいつでも龍馬とおりょうと話せるように」と設けてくれた「龍馬の部屋」で会うことができる。ありがたや。ちなみ像の前に交流ノートが置かれていて、全国のファンの思いやメッセージが書き込まれている。BMRのメッセージも残してきたので、龍馬&おりょうに会いに行く方ぜひ見てください。

大津駅前には、地元の湘南学院の高校生たちがクラウドファンディングで製作費を募り、設置した郵便ポスト、「龍馬とおりょうの恋文ポスト」もある。人口減少が続く町を活性化させるために何かできないか、と企画されたもので、課外研修でおりょうと大津とゆかりの深さを知ったことから生まれた話だそうだ。ネットとSNS全盛の今、なぜアナログの手紙のポストなのか。その理由がおもしろい。
企画者の高校生たちの最大の関心事は、自分や友人の恋バナ。仲間内で「どうやって告白したか、どんな告白をされたらうれしいか?」と話しているうち、多くがメールやLINEだと知ったいう。その一方で「直接気持ちをぶつけてほしかった」、「自分なら心を込めた告白をしたい」という声も多かったことから、時間をかけて、悩んで、心を込められる手紙で告白できる恋文ポストが作られたのだ。う~んなんかイイ話。他の幕末志士とは違って、“坂本龍馬”には時代、世代を超えて青春を仮託できる。これも人気の理由なんだろうなあ、と甘酸っぱい気持ちで帰路についたロバートでした。
平和倒幕を目指した師弟の像

続いて、この一連のミステリーファイル3の言いだしっぺ、マペヲ隊員の調査報告といこう。彼がまず訪れたのは、(もちろんルールを守って)都内の港区赤坂にある赤坂子ども中高生プラザ。施設名はまたもや龍馬と関係なさそうだが、ここはかつて勝海舟が住んでいた場所なのだ。
この地に2016年9月10日、「勝海舟 坂本龍馬 師弟の像」が建てられた。二人とも超イケメンの像で、龍馬はよく見ると「一番カッコいい龍馬像」といわれる長崎の風頭公園のそれによく似ている。それもそのはず、作者は同じ山崎和國氏。マペヲ曰く、この師弟像の特徴は二人の刀が紐で縛られていることで、それは二人が目指した平和倒幕を象徴しているのだと。
二人が、現代風の「誰も死んじゃいけない」的な倫理観だったとは思わないが、最大限、平和的な国体改造(=倒幕)を実現しようと尽力したことはまぎれもない史実。その理念をイメージした像というのは新しい。また、屋外の像は日照の関係で南向きに建てられることが多いが、その師弟像は東向きという点でも変わっている。海外雄飛を望んだ二人の思いを汲んで、太平洋を向いているんだそうだ。
おじさんの聖地・新橋で龍馬酒

入口はアニメ『お~い竜馬』だったワリに、最近史実や資料研究の楽しさに目覚めたマペヲらしく、今回は格調高いレポートで行くのかと思ったが……。動画のマペヲはなぜかおじさまたちの憩いの町、新橋にいた。龍馬が寝起きした土佐藩邸とも、北辰一刀流の体得に汗を流した千葉道場とも微妙にずれた飲屋街に、どんな龍馬がいるのかと思いきや、彼が向かったのは立ちのみ竜馬。
実はBMRのファイル1の頃からテーマに据えて行きたかった店だそうで、龍馬ファンが集まる店で酒を飲みたいという他に、ちゃんとした理由もあるのだという。この立ちのみ竜馬をはじめ、近所のSTANDING BAR ORYO、新橋以蔵と、一帯に3軒の龍馬にちなむお店があるのだ。3軒とも系列店で、オーナーも同じ。チェーン系の居酒屋や焼き鳥屋で“龍馬”を冠したお店は多いが、近所に3軒、それもコンセプト(というかゆかりの人物)が異なりながらちゃんと龍馬に繋がっているというのはたしかにおもしろい。
それぞれのお店で、ファンやオーナーが持ち寄った龍馬グッズを眺め、龍馬のちなみフードならぬちなみ酒を楽しみ、高知県観光特使にして呑んべえオヤジたちの憧れ・吉田類氏が描いた龍馬の絵を鑑賞し、龍馬トークに花を咲かせながら3軒をはじごする。最高じゃないか。こうなりゃ4軒目として飲み処・瑞山なんてのも開いてほしい!(と思ったが武市センセイには下戸説があったな)

<次回予告>誕生祝いとシンボルの奇跡!?
次回のBMRはファイル3の調査の総決算。隊員たちがそれぞれの自撮り動画を元にレポートを報告しあうはずが、なぜか不思議な展開に。龍馬の誕生日を祝いたいと手作りお菓子を持ち込む隊員がいたり、担当編集の何気ないひと言から地図起こしが始まり、ちっちゃな奇跡(?)が生まれたり。次回も乞うご期待♪
今週の『西郷どんナナメ斬りッ!』
冬季オリンピックまっただ中なのに視聴率が好調だった第7回『背中の母』を、例によって隊員独自の視点でナナメ斬ってます。今回はもちろん、「西郷隆盛が死んだ!」話あり、初登場の須賀、ではなく市来正之丞のウンチクあり、BMR流の「どん頃」あり。新キャストの発表でますます盛り上がるNHK大河ドラマ『西郷どん』と合わせて、このコーナーもお願い致しもす!
動画の※印解説!
【※1 BMRとは】日に日に幕末薩摩への熱が高まり、九州ロケに行きたくなっている幕末好きの俳優、声優、歴ドルたちかなる通信社内の動画調査サークル。みなさんからの調査依頼をお待ちしておりもす。通信社公式ツイッターでいつでも募集中 ⇒https://twitter.com/bokura_bakumats/
【※2 隊長はデカい】BMR隊長のロバート・ウォーターマンは、身長183cmであり、体重130kgである。動画の蝋人形龍馬が小さく見えるのはそのせいもある。ひと頃あった「龍馬の身長を低くしたい風潮」も影響したのかもしれない。西郷どんや桂小五郎、武市半平太、大久保利通、島田魁など大柄な志士は多く、それらと並んで「大きかった」という証言が残ってるんだから、もう少し龍馬の身長あってもよくない?
【※3 おりょうさんのお墓】龍馬を亡くした後のおりょうさんは、流浪の日々を過ごし、明治8年(1875)に西村松兵衛と再婚、しかし名前も西村ツルとなった後も、「私は龍馬の妻だ」と言っていたという。信楽寺の墓にも阪本龍馬之妻龍子と彫られている(“坂”の字は当時“阪”と書くこともあった)。
【※4 龍馬と勝の師弟像】正しくは師匠が先で『勝海舟 坂本龍馬の師弟像』。2016年9月に完成。「武力ではなく平和倒幕に尽力した師弟」を象徴する像だ。
【ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)】
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