旭山動物園・「一匹狼」とはいうけれどオオカミは一匹で暮らさない?
北海道ウォーカー
「一匹狼」というと、「徒党を組まずに一人で生きるカッコいい人」なんてイメージがあるんですけど、動物園に行くとふと気づきます。
「オオカミって、群れてるよね?」
旭山動物園にある「オオカミの森」には、現在7頭(うち1頭はバックヤードで飼育)のシンリンオオカミが暮らしてますが、「オオカミファミリー」という手書き看板があるとおり、全員家族。

オオカミは「パック」と呼ばれる群れで生活する動物で、ペア(夫婦)とその兄弟、仔などの血縁関係にある個体で構成。また、群れの中には順位があり、「α(アルファ)」と呼ばれるオスのリーダーが群れを率いますが、旭山動物園でいうと、「ケン」がそれにあたります。

子供たちは生後数年間この「パック」に残り、母親の子育てを「ヘルパー」として手伝うそう。園内でも兄姉が赤ちゃんの面倒を見る様子が過去に観察されていて、母親の出産直後から姉も巣穴に入り、子守をすることを許した年もあったのだとか。

こんなハートフルな家族の話を聞くと、「一匹狼なんて単なる造語じゃないか!」と騙された気になりますが、実際にいることはいるんです、「一匹狼」。
いわゆる「一匹狼」と呼ばれるのは、「はぐれオオカミ」という「パック」内での順位闘争に敗れた個体のことで、大半が敵対するオオカミの群れや人間との争いに敗れてしまうそう。伴侶を得て新たなパックを形成できるのはごく一部というから、現実の「一匹狼(はぐれオオカミ)」はイメージよりかなり過酷なものなんでしょうね……。
一方、アムールヒョウやユキヒョウ、アムールトラといったネコ科動物は「群れを作らない動物」(シンリンオオカミはイヌ科)。繁殖時期や子育て時期以外は、それぞれ個体ごとに展示しています。

昨年2017年8月に生まれたアムールヒョウの双子はまだ母親の「ルナ」と一緒に展示されていますが、ずっと、というわけではありません。闘争や近親交配を避けるため、子育てが終われば別々の展示に。ヒトの感覚でいうと、「お父さんも一緒に、家族みんなで展示してあげればいいのに」なんて思ってしまいますが、別々に暮らすのが当然、という動物もいるんですよねぇ。


ちなみに、ライオンはネコ科動物で唯一群れを作る動物。オスと数頭のメス、仔で構成される「プライド」という群れを作ります(群れの名前がカッコいい)。狩りはメスが行い、オスの役割は「他のオスから縄張りを守る」こと。タテガミがあるのはオスだけです。

2018年3/21現在、旭山動物園の「もうじゅう館」で暮らすのは、「レイラ(メス)」一頭のみ。22歳の高齢個体で、最近は寝室でのんびり過ごしていることが多いそう。まだ雪もあり、屋外放飼場には出てきませんが、春になったら元気なようすを見られるかも知れませんよ。
「一匹狼」じゃないオオカミファミリーの様子や基本群れを作らないアムールヒョウなど、暮らし方にも注目して観察してみてくださいね。
※写真提供:旭川市旭山動物園
旭川市旭山動物園 ■開園期間:冬期開園11月11日(土)~2018年4月8日(日)※12月30日(土)~2018年1月1日(祝)は休園 ■時間:冬期開園10:30~15:30※入園は~15:00 ■住所:旭川市東旭川町倉沼 ■電話:0166・36・1104 ■料金:大人820円、中学生以下無料
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