普段使いの決定打!? 新型「日産リーフ」試乗レポ

東京ウォーカー(全国版)

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環境問題と交通事故の問題に対し、電気自動車と自動運転技術で立ち向かっている日産自動車。その技術の粋を集めたのが、2017年10月にフルモデルチェンジをした電気自動車「日産リーフ」だ。初代「日産リーフ」の販売開始から8年、進化した「日産リーフ」に都内で触れた。

新型「日産リーフ」撮影:栗原祥光


「日産リーフ」は全世界で28万台を販売した「世界でもっとも普及している」電気自動車。しかし「走行距離が短い」「充電スタンドがない」などという声や現実が、普及への道のりを遠くしていた。

しかし日産自動車は充電スタンドの増加を始めとして、長年に渡り電気自動車の普及に力を注ぎ続けてきた。登場から8年経過すると社会状況も変化し、ガソリンスタンドは減少を続けるいっぽう、充電スタンドは増え続け、今では2万8500基を超えているという。

ちなみに2016年度の時点で、日本国内におけるガソリンスタンドの総数は約3万2300か所。前年に比べ1177か所減っており、近い将来逆転することは間違いない。

環境性能の高さを示すZero Emissinのロゴ撮影:栗原祥光


技術も進化した。特に蓄電池の発展は著しく、発売当初は200kmであった航続距離は2012年と2015年の2度マイナーチェンジを経て、280km(JC08モード)までに延ばすことに成功。そして今回の2代目「日産リーフ」では初代の倍となる400kmを達成。より行動範囲を広げることに成功した。

素直にカッコいいと思えるデザインへ


【写真を見る】新型「日産リーフ」のサイドビュー撮影:栗原祥光


さらに2代目「日産リーフ」はエクステリアを大幅に変更。外観寸法は大きく変化していないものの、よりワイド&ローなフォルムとして、スポーティーなムードを漂わせている。デザイナーいわく「誰が見ても日産のカッコいい車」を目指したとのことだ。

特にエアロダイナミクスにはこだわりがあり、空気抵抗係数(cd値)は0.28とクラストップを達成。航続距離の向上に寄与している。

「日産リーフ」のドライバーズシート撮影:栗原祥光


インテリアは「モダンなプレミアム感」を意識したとのことで、“日常使いのイイ物”感を演出。そして中央から左右へと広がりのあるデザインにすることで閉塞感を軽減。ところどころに青の加飾を入れることで、クールさとエコテイストを演出。同乗者に「日産リーフ」という特別な車に乗っていることを意識させる作りとしている。

日産の知能化技術を惜しむことなく投入!


さて自動車が抱えるもう一つの問題点である交通事故。これに対する日産の提案が自動車の知能化、つまり自動運転技術だ。

日産自動車はすでにミニバン「セレナ」やSUV「エクストレイル」で高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載。もちろん新型の「日産リーフ」にも投入してきた。

さらに今回「プロパイロット・パーキング」を新開発。縦列、前向き、後ろ向きの3種類に対して、ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト、さらにパーキングブレーキまですべて自動制御する。せまい駐車スペースでも車が自動的に、そして安全に駐車してくれる。これは便利だ!

左のモニターでプロパイロットの動作状態が視認できる仕組みだ撮影:栗原祥光


「ノートe-POWER」で話題を呼んだアクセルペダルを離すだけで自然に減速、車両が完全停止するワンペダル動作「eペダル」機能を搭載したのもトピック。一見交通事故低減につながらないように思えるが、アクセルのオンオフとブレーキペダルの踏みかえは、意外と疲れるもの。疲労軽減が安全運転に寄与するのだ。

「走りの楽しさ」と「エコロジー」が両立


広がりのあるデザインのドライバーズシート撮影:栗原祥光


ドライバーズシートに身を沈めると、D型ハンドルの影響もあるが、どことなくスポーティー。それだけでワクワクしてしまう。シートはちょっと固めでちょうど良い。

電源ボタンを押し、シフトレバーをDにセット、アクセルを少しだけ踏み込むと、クルマは音も立てずにスルスルと動き出す。それだけでも驚くのだが、ここでアクセルを離せばブレーキショック無く車が停止する。これだけで感覚的にクルマという乗り物とは別の何かだ。ハンドルを含めて操作は軽快の一言で、特に女性には歓迎されることだろう。

「日産リーフ」の小さなシフトノブ。右上に新設された「eペダル」「プロパイロット・パーキング」のボタンを配置する撮影:栗原祥光


静かな場所ではモーター音が聞こえるものの、ほぼ無音と言っても過言ではない走行感覚は「日産リーフ」ならではの世界。さらにバッテリーが底面にあるため重心が低く、思った以上の安定感のある走りが楽しめる。

さらに加速はガソリン車とは異なる力強さを感じるばかりか、ワンペダル動作によるスムースな加減速と停止に、未来の車のあるべき姿であると確信する。ワンクラス上の、例えば2000ccクラスのCセグメントハッチバックよりも「日産リーフ」の方が快適なのだ。

マスのある車の乗り心地とは異なりながらも、低重心ゆえの安定感は普通の車とは異なる「日産リーフ」ならではの世界。先代「日産リーフ」に比べて、やや硬めにも感じるものの、それが安心感にもつながり、筆者は好印象を抱いた。

ランニングコストは圧倒的に低い!日常使いにピッタリ


さて、「日産リーフ」の維持費であるが、自動車税は2万9500円、重量税は5年目まで0円だが6年目以降は7500円が発生する。なお2年目の自動車税は7500円とのこと。車格としては2000ccクラスでありながら、自動車税の面では1000cc以下の車両に区分されている。

電気代は、月額2000円の使いホーダイプランに加入すれば、全国5500基以上の急速充電器が使い放題。レギュラーガソリンで2000円は、あっという間に達する金額なので、その経済性は圧倒的だ。もちろんエンジンオイル交換などは不要。ランニングコストでいえば、軽自動車よりもはるかに低価格で、軽自動車よりも広い室内空間が手に入る。「日産リーフ」は日常の脚として、とても魅力的に見えて仕方がない。

走りも経済性も素晴らしい。あとは契約のハンコを押すだけ、と思ってしまう浅はかな筆者は価格を見て驚いた。最下位グレードで315万360円、最上位グレードになると399万600円だ。

ただ、一見高額なようだが40万円の補助金が受け取れるほか、例えば神奈川県だと5万円といった具合に、地方自治体によっては補助金が支給される。またエコカー減税の対象車であるため、取得税と重量税の合計12万9700円が免税。さらに、自動車税減税で2万2000円の減税が受けられる。

これらの補助金などを受け取れば、国産Cセグメントハッチバックの最上位グレードに50万円をプラスする程度で「日産リーフ」の最上位機が手に入るという計算になる。なお補助金を受け取った場合、最低でも6年間の保有義務が発生するとのこと。

新型「日産リーフ」のリアビュー撮影:栗原祥光


インフラや後続距離で電気自動車を敬遠する時代は終わりつつある。圧倒的なランニングコストの安さと快適さを手に入れるために、高めの車体価格に目をつぶるか、それとも安いガソリン車を選び、高いランニングコストを支払い続けるべきか。試乗以降、筆者は夜な夜なソロバンをはじき続けている……。

クリタタカシ

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