【たかつきDAYS】心安らぐ場所

関西ウォーカー

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 ゆっくりと流れる時間、いつまでも続く静寂、見事な建築美…。境内に腰を下ろしてまぶたを閉じれば、心が安らぐのを感じられるだろう。大阪・高槻市に点在する、美しい社寺を訪ねてみた。

ハイキングの休憩を兼ね立ち寄る人も(本山寺)


山岳寺院を御朱印めぐり


大阪平野の北東部に位置し、市域のほぼ半分を山間部が占める高槻市。その昔、役行者が奈良県の葛城山から神峰山に修験を伝えて神峯山寺と本山寺が開創され、その周辺に安岡寺、霊山寺などの山岳寺院が建立された。神が宿るとされる神峰山は、山岳修行の場として歴史を刻んできた。現在も多数の参拝客が訪れるほか、近年の御朱印ブームも手伝って若い女性の姿も多く見受けられる。御朱印はそれぞれの寺社でデザインが違うので、思い出の記録として集めてみるのもいいだろう。

【写真を見る】ポンポン山へ続く登山道に入口がある(本山寺)


●静寂に包まれた荘厳なお堂「本山寺」

697年、役行者が5色の彩雲がたなびくのを見て、この地で行をしながら毘沙門天の像を刻み、堂を構えたと伝わる。鞍馬寺、朝護孫子寺とともに「日本三毘沙門天」ともいわれる古刹は、山間部に位置し標高は約520m。市内で最も高所にある境内には、静かで非日常的な時間が流れている。

■住所:高槻市原3298/電話:072-687-9921

龍の口から流れる手水で清めると、自然に背筋が伸びる(本山寺)


参拝後、寺務所に訪ねて御朱印をもらおう。書き置き分もあり(本山寺)


●山腹にたたずむ趣深い寺院「安岡寺(あんこうじ)」

775(宝亀6)年、開成皇子の創建と伝えられ、神峯山寺と同時期に建立された山岳寺院。境内には本堂や叶観音堂などがあり、国の重要文化財にも指定される千手観音坐像は真上村にあった安正寺の本尊で、安岡寺の客仏として現在に至る。

■住所:高槻市浦堂本町41-1/電話:072-687-0727

境内の鐘楼は参拝客も鐘つきができる(安岡寺)


千手観音坐像は毎週土曜に拝観できる(安岡寺)


●自然美と建築美が融合する山寺「神峯山寺(かぶさんじ)」

697年、役行者が開山し、774(宝亀5)年ごろ開成皇子が入山し創建。比叡山と並び、七高山の一つとして栄えたと言われる。約100万平方メートルの広大な寺領の峰々に諸堂が点在する。ふもとにある参道の入口には荷役の牛を祀った「牛地蔵」や、途中には堂島の米商人が米価を占った「勧請掛け」などの見どころも。

■住所:高槻市原3301-1/電話:072-688-0788

本堂に国の重要文化財の仏像3体を安置。予約制の「拝仏」で拝める(神峰山寺)


朱色の仁王門が境内への入口(神峰山寺)


●山岳修行の聖地とされた名刹「霊山寺(りょうぜんじ)」

女瀬川の上流右岸、標高約150mの山中に位置する寺院で不動明王を本尊とする。778(宝亀9)年、開成皇子の開創と伝わり、木々に囲まれた静かなたたずまいの境内には本堂や薬師堂、時計堂などが点在する。また眺望もすばらしく、晴れた日には大阪市内の街並みを見渡すことができる。

■住所:高槻市霊仙寺町1-11-1/電話:072-699-0001

正方形の本堂(霊山寺)


入口の門をくぐり、階段を登れば本堂へとつながる(霊山寺)


古代人の息吹を感じる式内社(しきないしゃ)


古代から三島は淀川を軸とする交通の要衝であり、そのため多くの古墳が造られた。700年代には律令制度が整えられ、中央集権的な国家が成立。やがて三島は島上郡(高槻・島本地域)と島下郡(茨木・摂津・吹田東半地域)に二分され、島上郡では郡家に郡の役所・嶋上郡衙が置かれ、阿久刀神社や神服神社などの式内社と呼ばれる由緒ある古社が成立。古代から信仰を集めた、歴史ある2つの神社を紹介する。

●政治・経済の中心地にあった式内社「阿久刀神社(あくとじんじゃ)」

高槻市を南北に流れる芥川、その名の由来になったとされる阿久刀神社。その創始には機織り集団・調連(つきのむらじ)の長・阿久太(あくた)を祀ったとも、物部氏(もののべし)と同祖の阿久連(あとのむらじ)の氏神、さらには在地の豪族・三島県主(みしまのあがたぬし)の氏神など、諸説ある。樹齢800年以上と伝わる雄大なムクノキが御神木。幾度の焼失や流失を経ても、地域の人々に長く親しまれる場所だ。

■住所:高槻市清福寺町23-2/電話:072-681-6662

郡家・真上境付近で流れを変える芥川を背にして鎮座する(阿久刀神社)


境内には紅梅一輪に2つの実がなる珍しい品種の夫婦梅の姿も(阿久刀神社)


●機織りの総領・服部連を祀る社「神服神社(しんぷくじんじゃ)」

摂津峡に連なる帯仕山の裾野にある服部地域に鎮座。この地は奈良時代、摂津国島上郡服部郷にあたり、服部連(はとりのむらじ)の本拠地であったとされる。境内に踏み入ると、その広々とした空間と穏やかな空気感に心が和む。御神木のヤマモモなどを見てまわると、緩やかな時間の流れを感じられるだろう。

■住所:高槻市宮之川原元町1-1/電話:072-687-8770

緑豊かな木々に囲まれる境内(神服神社)


2017年12月に建てられた服部連像。凛とした表情で境内を見守る(神服神社)


三十六歌仙の一人 伊勢姫ゆかりの寺


●希代の歌人が晩年を過ごした草庵跡「伊勢寺(いせじ)」

平安時代に生き、美しい容姿と豊かな文学的才能に恵まれた伊勢姫晩年の住居跡に建てられたと伝わる寺。伊勢姫が所持していたとされる硯と銅鏡が寺宝として残る。境内に入ると、見事に手入れされた庭の美しさに目を奪われる。宮廷にあって女流歌人として重きをなした歌人に思いを馳せて、ゆっくりと散策してみては。

■住所:高槻市奥天神町1-1-19/電話:072-681-3284

境内には高槻城主・和田惟政の墓も(伊勢寺)


中門の左手には伊勢姫の代表作が書かれた歌碑が建てられている(伊勢寺)


藩主(城主)の信仰があった神社


●高槻城内に建てられた神社「野見神社(のみじんじゃ)」

須佐之男命(すさのおのみこと)と野見宿禰命(のみのすくねのみこと)を祭神として祀る野見神社は、歴代高槻城主や家臣の崇敬を集めてきた。2,805平方メートルの境内には永井神社、高槻戎神社、小島神社、護国神社、四社明神といった摂社が連なる。城跡公園からも近く、多くの人が気軽に訪れるパワースポットとして知られる。

■住所:高槻市野見町6-6/電話:072-675-1316

高槻城三の丸跡の一画にあり、歴代城主の信仰もあつかった(野見神社)


祀っている野見宿禰命は相撲の祖とされる(野見神社)


【関西ウォーカー編集部/PR】

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