「適当にほかのことやってて」の“適当”がわからない!仕事中にネット動画を見て注意…涙が止まらない!?発達障害の"思考回路"【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
「適当に」がわからない、ごく普通の注意を「責められた」「攻撃された」と感じて涙があふれてしまう――。そんな当事者の思考を描いた漫画「発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた」が、多くの共感を集めている。自身も発達障害と向き合ってきた春野あめ
(@AmeHaruno)
さんに、本作へ込めた思いを聞いた。
「わざとじゃない」が伝わらない!?
幼い頃から人間関係でつまずくことが多かった春野さんは、「なんでできないの?」「わざとやってるの?」と言われ続け、自分でも理由がわからず苦しんできたという。本書では、そうした実体験をもとに、発達障害の特性によって起こるすれ違いを13のケースで紹介している。
例えば、「適当にほかのことをやっていて」と言われても何をすればよいのかわからず、YouTubeを見てしまったエピソードでは、「話の意図を汲み取れない」という特性を描写。また、「はかりの上に物を置かないで!」と注意されただけで、相手に責められたように感じて泣いてしまうケースも取り上げ、本人の内面を丁寧に描いている。
自己理解にたどり着くまでの8年間
春野さんは、発達障害と診断されてから自身の特性を理解し、二次障害とも向き合えるようになるまで約8年を要したという。本書は、「なぜ自分はその行動を取ってしまうのか」「どうすればトラブルを減らせるのか」を考え続けた経験をまとめた一冊で、臨床心理士・心理学博士の中島美鈴さんが監修を務めている。
当事者の思考回路を知ってほしかった
制作のきっかけは、前作を担当した編集者からの提案だったという。編集者は、当事者の思考回路を知ることで「トラブルの際になぜそのような言動をしたのか」が理解できれば、人間関係も変わっていくのではないかと考えたそうだ。
春野さん自身も「自分が周りの人たちを振り回した経験を包み隠さず描くことは勇気がいりました」と振り返る一方、「発達障害についてもっと詳しく描きたい」「いろんな人に知ってほしい」という思いから執筆を決意したという。
また、体験談だけでなく、特性の解説や対策、支援制度などを伝えるために専門書や論文を読み込み、それらを一つの漫画へまとめる作業には特に苦労したと明かした。
自分を知ることが生きやすさにつながる
「もしかして私も発達障害かも」と悩む人へ向けて、春野さんは「悩んだら、すぐに心療内科に行ってみてください!発達検査を受けられるなら受けてみてください!」と呼びかける。一方で、「診断はあってもなくてもいいです!」とも話し、自分の特性や傷ついてきた経験を少しずつ理解していくことが大切だという。「自己理解のちょっとした足しにしてもらえたらうれしいです」と思いを語った。
さらに、「この本に興味を持ってくれた方のほとんどは、たくさん傷ついてきた方たちばかりかと思います。少しでも助けになったり、癒やしになったりしたらいいなあと思います」とメッセージを寄せている。本書には「人との距離感がおかしい」「融通がきかない」「自覚なく人を不快にさせてしまう」「嘘をつく」など、ASDやADHD傾向に関する13のケースも収録されており、生きづらさを理解するヒントが詰まっている。
■取材協力:春野あめ(@AmeHaruno)
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