石川直宏が語る日本代表への期待「プレッシャーを力に変えていける」

東京ウォーカー(全国版)

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ロシア・ワールドカップ開幕まで約2カ月。人気サッカーコミック「キャプテン翼」の巨大フラッグが全国を行脚し、日本全国のサポーターの応援メッセージを“勝色ユニフォーム”を着用したキャラクターに書き込み、スタジアムに掲げる巨大なコミックを完成させるプロジェクト「キャプテン翼スタジアムコミック」が進行している。

「キャプテン翼」の作者である高橋陽一先生が「サッカー日本代表を本気で強くするために、世界一になる夢を創造し、サポーターと一緒に共有したい」というプロジェクトの想いに賛同し、同プロジェクトのために特別なイラストを提供。サッカー日本代表新ユニフォーム「勝色」を着た人気キャラクターに乗せた熱い応援メッセージがサッカー日本代表を鼓舞する、というプロジェクトだ。

そこで今回、昨シーズン限りで現役を引退し、現在、FC東京クラブコミュニケーターを務める石川直宏さんに、選手にとってのサポーターの存在、日本代表についての話を聞いてみた。

日本代表への期待を語る石川直宏氏撮影=藤巻祐介(TAKIBI)


――石川さんがサッカーを始めたのはいつ頃ですか? きっかけも教えていただければと思います。

石川「サッカーを始めたのは、5歳の時です。子どもの頃、近所によく遊んでいたお兄さんがいて、そのお兄さんが所属しているサッカーチームに一緒に行ったのがきっかけです。その際に僕もサッカーを習いたいなと思って、母親に伝えたのが最初でしたね」

――子どもの頃はどんな少年でしたか?

石川「とにかく、やんちゃでした。ガキ大将じゃないですけど、何をするでも自分が一番じゃないと気がすまない子どもでした。走るのもそうだし、サッカーもそうだし、勉強はなかなか一番になれなかったんですけど(苦笑)、何に対しても一生懸命にやることがポリシーというか、そうでないと気がすまないタイプでした。手を抜くのは大嫌いでしたね」

――子どもの頃の夢は?

石川「小学6年生のときにJリーグが開幕して、それまでも、『サッカーで飯を食う』というか、サッカーでお金を稼ぐことが夢ではあったんですけど、Jリーグができたことで、漠然とした夢だったものが目標に切り替わり、その瞬間からプロを目指そうと思いました。実際に国立競技場にJリーグの試合も見に行って、雰囲気に圧倒されましたね。あの舞台で選手はどんなことを感じてプレーしているのかが知りたくて、明確な目標になりました」

――来るワールドカップに向けて、「キャプテン翼」キャラクターの巨大フラッグが全国12会場を行脚し、勝色ユニフォームにサポーターの応援メッセージが書き込まれ、スタジアムに掲げる巨大なコミックを作成するというプロジェクトが実施されています。石川さんはキャプテン翼は読んでいましたか? 好きな選手は?

石川「キャプテン翼は全巻、持ってました。やっぱり、(大空)翼くんは好きですし、今になってみると、三杉(淳)くんの気持ちがわかったりとか、三杉くんはFC東京にも絡んでるし(※作中でFC東京に入団)。とにかく、いろんな選手がいて、翼くんがいるというのが魅力的で、岬(太郎)くんのようにプレーをサポートする選手にも憧れるし、個々の選手の個性がはっきりしているから、それぞれの選手に惹かれますよね」

「キャプテン翼」とサポーターでつくる史上最大のフラッグ企画「キャプテン翼スタジアムコミック」


――この企画はサポーターの思いを選手に伝える、というものでもありますが、選手にとってサポーターの存在、応援の大切さについてはどう感じていますか?

石川「プレーする上で、選手ひとりの考えだけだと行き着いてしまうというか、サポーターの存在があると、そこから少し他に目を向けることができる。それは責任を押しつけるということではなくて、自分をとことん見つめてやってきたからこそ、サポーターの存在を通じて外が見えてきて、そこに感謝やつながりが生まれると、自分だけでなくそういう人たちを喜ばせたいという思いが新しいプレーを生み出していく。いろんなことに感謝する、つながりを実感しながらプレーすることで可能性が広がっていくと思っています。応援してくれる人の力はかけがえのない、不可欠なものですね」

――現役時代にうれしかったサポーターとの思い出はありますか?

石川「僕はサポーターとの距離感が好きで、それは離れているとか近いという意味の距離感ではなくて、練習場に行けば練習を見てくれて声をかけてくれる人がいて、自分が真摯に接すると返してくれる。うそ偽りのない関係というか、人と人との関係性は自分の中ですごく力になりましたね。自分に返ってくるものがあって、また返したくなって、愛し愛されじゃないですけど、そういう関係性が僕は他の選手以上にあったなと感じていて、それはいろんなけがだったり、辛い部分も多かったので、そうした経験を通じて、思いというか、感じる機会が多かったように感じます」

【写真を見る】中島翔哉こそ「(大空)翼くん」と語る石川直宏氏撮影=藤巻祐介(TAKIBI)


――ワールドカップでの日本に期待することは?

石川「今の代表という話になると、不安の声もあると思いますけど、選手は大丈夫だと思うし、ここで『オレがやってやるぞ』っていう選手にならなきゃいけないし、それだけ注目度の高い存在だと思います。注目されている中でプレーできるって、やっぱり幸せなことだと思うし、プレッシャーを力に変えていけると思うので、チャレンジする姿を見たいですし、チャレンジしたからこそ生まれる失敗も成功も、その後の各自にも日本にも良いものをもたらすような活躍をしてほしいと思います。楽しみですね」

――期待している選手は?

石川「本田(圭佑)選手もそうだし、香川(真司)選手もそう。ずっと代表でやってきた選手が、自分の居場所が今まで以上にはっきりしていない中で、彼らのようにネガティブなことを力に変えられる選手がやってくれるんじゃないかなと思っています。南アフリカ(ワールドカップ)でもそうでしたが、つかみ取る力のある選手たちに期待しています、代表のプライドを背負ってずっとやってきた選手が活躍して、それを若い選手が受け取ってというところに期待していますね」

石川「あとは(中島)翔哉。フレッシュな選手のチャレンジが日本全体に与える刺激は大きいと思うし、このあいだの代表初ゴール(3月23日のマリ戦)も興奮しました。翔哉こそ翼くんですよ。サッカー小僧で、ボールと一緒に寝てるんじゃないかってくらい、サッカーが大好きだし、ああいう選手がこの時代にどんどん出てきたら、日本のサッカーの未来が楽しみですよね」

――FC東京クラブコミュニケーターとしてのお仕事について教えてください。

石川「引退するとき、自分がこれから何をしたいかと考えたときに、自分を育ててくれた、サポートしてくれた、応援してくれた人たちにもっともっといい姿を見せたいなと思って、それは個人的なものだけでなく、クラブとして、それをFC東京から発信できるエネルギー、力があると思うし、それを変えていくのは難しいようでそんなこともないというか、できる可能性を自分の中では感じていて、その可能性を自分のアクションから変えていきたいという思いがあります。FC東京だけでなく、そこでの活躍や発信がJリーグなり日本のサッカーだったり、その先にというの感じながらチャレンジしたい。その一歩をFC東京というクラブで踏み出したいという思いがあって、プレーはできないですけど、思いをいろんな人と密にコミュニケーションを取って、心をつなげて、と。今、いろいろとインプットしているところです。やりがいがあるし、楽しいです。こうしたいああしたいがどんどん出てきていますね」

――最後にFC東京の見どころ、魅力を教えてください。

石川「今期はJリーグ25周年、FC東京も20周年で、ひとつの節目の年なんです。リーグ戦タイトルを獲得したことがない中で、タイトルの取り方を知っている長谷川(健太)監督が来てくれて、チームの改革を進めている。近くで見ていて感じるのは、本当にブレない。自分の思いだったり、これをすれば間違いないというチャレンジの姿勢が選手に伝わってきているし、いい意味で選手もそれを発信してくれています。サッカーとはこうあるべき、だとか、選手として目指すべきところはこういう姿だとか、あらためて自分が選手じゃなくなって客観的に見た中ででもそれを感じさせてくれる、そういう雰囲気が今のFC東京にはあるし、エネルギーに満ちています。そのエネルギーをスタジアムで感じてほしいですね。僕もピッチで皆さんに出会うことはなくなりましたけど、味スタのいろんなところに出没するので、選手時代よりも近い距離感で会えると思います。僕自身も勝ったときの喜びも負けたときの悔しさも、選手のとき以上にサポーターの姿から感じることができていますし、喜びも苦しみも一緒に感じてもらえるので、ぜひスタジアムに足を運んでもらえればと思います」

「キャプテン翼」の巨大フラッグが全国12エリアへ。


全国行脚会場

■4月14日(土)/富山県・グランドプラザ(富山県富山市総曲輪三丁目8番39号)

■4月28日(土)/東京都・墨田区総合体育館(東京都墨田区錦糸4-15-1)

■4月29日(日)/静岡県・エコパスタジアム(静岡県袋井市愛野2300-1)

■4月30日(月)/大阪府・心斎橋ビッグステップイベントスペース(大阪府大阪市中央区西心斎橋 1-6-14)

■4月30日(月)/大阪府・キャプテン翼スタジアム天王寺[U-12フットボールクリニック](大阪府大阪市天王寺区茶臼山町5-55)

■5月3日(木)/北海道・北海きたえーる(北海道札幌市豊平区豊平5条11丁目1-1)

■5月3日(木)〜5月4日(金)/神奈川県・ラゾーナ川崎プラザ(神奈川県川崎市幸区堀川町72-1)

■5月5日(土)/長崎県・トランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市宇都町27-1)

■5月6日(日)/宮城県・ゼビオアリーナ仙台(宮城県仙台市太白区あすと長町1-4-10)

■5月6日(日)/山梨県・若草総合スポーツ公園(山梨県南アルプス市寺部720)

■5月12日(土)/埼玉県・埼玉スタジアム2002第4グラウンド(埼玉県さいたま市緑区美園2-1)

■5月12日(土)/滋賀県・長浜バイオ大学ドーム屋内グラウンド(滋賀県長浜市田村町1320)

■5月12日(土)/長野県・信州スカイパーク(長野県松本市神林5300)

浅野祐介/ウォーカープラス編集長

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