“太陽の塔”内部を写真で徹底解説!48年たっても衰えない生命のエネルギーは圧巻
関西ウォーカー
大阪のシンボルとして親しまれる「太陽の塔」。1970(昭和45)年の日本万国博覧会閉幕後非公開となったすべての内部が修復を終え、48年ぶりに常設の展示施設に生まれ変わった。
万博後に行方不明になった「地底の太陽」や、原生生物からクロマニヨン人までの生物模型が取り付けられた「生命の樹」などが再生。当時と同じBGM「生命の讃歌」が響き、ドラマチックな空間体験が楽しめる。太陽の塔の生みの親・岡本太郎が表現した生命のエネルギーを体感して。<※情報は関西ウォーカー(2018年4月3日発売号)より>
【見学には予約が必要】サイトから要予約。手続日の4か月先まで予約可能だが、すでに4か月先までいっぱいで予約が取りづらい状況に!

内部を見ればよくわかる!これが太陽の塔の構造
新生・太陽の塔は、2つのゾーンで構成されている。まず地下の展示室・地底の太陽ゾーンで大阪万博テーマ館の世界へと誘い、生命の樹ゾーンへ。階段を上りながら、見事に再生を果たした生命の樹をゆっくりと鑑賞しよう。

太陽の塔の裏側にできた通路を抜けると受付に到着。

まずはプロローグとなる地底の太陽ゾーンを鑑賞する。

生命の樹の周りを階段でぐるぐる回りながら上って行く。

は虫類時代あたりから見上げると、上部の生物が迫ってくるよう。

塔の両腕を結ぶ回廊から生命の樹を見下ろしてみるのもおもしろい。

太陽の塔内部の最上部「太陽の空間」は、無限の天空を表現。
【生命の樹の詳細】33種183体の生物模型で生命の起源を表現
真っ赤な壁面の塔内の頂点に向かってそびえる、高さ約41mの「生命の樹」。アメーバなどの原生生物から人間までの生物模型が取り付けられ、根元から未来に向かって吹き上げる「生命のエネルギー」を表現している。

「生命の樹」は高さ約41m。5色の樹は五大陸を表現している。

【原生類時代】赤色の巨大なクラゲ。周囲の太陽虫と共に鮮やかな景色を作る。

【原生類時代】基本的にべん毛や繊毛を持たず、仮足で運動する単細胞の原生生物。

【三葉虫時代】海で暮らす節足動物。地球上に誕生した生物のなかで、最も繁栄した生物の一つ。

【三葉虫時代】5億年も前から変化していない、生きている化石の一つとして有名。

【魚類時代】甲冑魚という、体を硬い装甲で守っていた古代の原始的な魚。

【は虫類時代】長い首が特徴の大型草食性恐竜。48年前は口が動いていた。

【は虫類時代】大きな頭部を持ち、後頭部にある長くて大きなトサカが特徴の翼竜。

【両生類時代】ジュラ紀中期に棲息していた首長竜。多数の鋭い歯で魚などを捕らえた。

【哺乳類時代】朽ちた部分をあえて修繕せず、48年の歳月を感じられるようにしている。

【哺乳類時代】現生人類であるホモ・サピエンスの最も近い近縁種とされる。
こちらも48年ぶりに復元!「地底の太陽」が再び現れる
大阪万博閉幕後に行方不明になり、詳しい図面も残されていなかったが、当時の写真などを手がかりに作り直された「地底の太陽」。プロジェクションマッピングによって、「地底の太陽」が彩られるシーンに魅了される。

顔の直径約3m、幅約11mの黄金の仮面。当時の世界観を感じられる展示エリアとなっている。

当時の「地下展示」空間では、祭壇の中央で儀式をつかさどっていた巨大な地底の太陽。世界の仮面や神像に囲まれていた。
48年前とは思えない技術力が細部でわかる
建築技術の高さに驚かされる緻密な鉄骨構造と、新たな照明効果で神秘的な存在感を放つ両腕など、48年も前のものとは思えない細部に驚き。帰路となる階段に展示されているパネルで太陽の塔が完成するまでの軌跡もわかる。

1970年大阪万博のシンボルマーク「桜」が鉄骨に残されている。

現在階段は立入禁止だが、照明効果により幻想的な雰囲気
知っておけば楽しさ倍増!太陽の塔の謎

【なぜ顔が3つある?それぞれが持つ意味は?】おなかの「太陽の顔」は現在を、頂部の「黄金の顔」は未来を、背面の「黒い太陽」は過去を表しています。「太陽の塔」は、過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴であると同時に生命の中心、祭りの中心を示したものでした。

【万博の建造物のなかでなぜ太陽の塔だけが残った?】万博閉幕後の太陽の塔の保存は保留状態で一度は撤去が決まりましたが、太郎自身が存続を訴え、また撤去反対の署名活動などを受けて存続が決定しました。「岡本太郎に過去はない」が口癖でしたが、太陽の塔の存続は強く希望しました。

【生命の樹を通じて岡本太郎が伝えたかったこととは?】未来に向かって吹き上げる「生命のエネルギー」を表し、下から上に原生類から哺乳類へと進化しています。が、アメーバが下等で人間が最上級という意味ではありません。「生命の根源、われわれの足元を見直そう」という太郎のメッセージが込められているのです。
■太陽の塔<住所:吹田市千里万博公園1-1 電話:0120-1970-89 時間:10:00~17:00(最終入館各30分前) 休み:水曜(祝日の場合翌日) 料金:大人(700円) ※要別途公園入園料大人(250円) 駐車場:4300台(400円/120分、土日祝600円/120分) 交通:大阪モノレール万博記念公園駅より徒歩5分>【関西ウォーカー編集部】
編集部
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