「霊が見えなければクビ」入社後に謎の霊感研修!?見えない主人公に襲いかかる「ブラック企業×地縛霊」のダブル苦痛【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
ブラック企業に勤める若手社員の主人公は、会社がブラックだとわかっていながらも、就職を機に購入した新車のローンがあるため辞められずにいた。そんなある日、社長が「ビジネスはエネルギーだ。そして霊感もエネルギーだ」と言い出し、「1カ月以内に霊が見えるようにならない社員はクビだ」と宣告。なぜか会社で霊感を身につけるための謎の研修が始まってしまう。
霊が見えないとクビ!? 謎の研修がスタート
主人公は「上等だ!こんな“あたおか企業”こっちから願い下げだ」と心の中で毒づく。しかし、車のローンがあるため簡単には退職できない。そんな中、会社では霊が見えるようになるための研修が始まり、2週間ほどすると霊を見られるようになる社員まで現れ始める。
主人公が見なければならないのは、会社に棲みついている地縛霊。周囲が次々と見えるようになるなか、主人公だけはどうしても姿を捉えられずにいた。そんなある日、机の上に「ガンバレ」と“死骸の毛”で書かれた文字が残される。どうやら地縛霊が主人公を応援しているらしいが、その手段はあまりにも気色悪い!?
最初は怖がっていた主人公だったが、幽霊が誠実に謝罪してくる姿を見て、少しずつ心を通わせていく。やがて明らかになる幽霊の正体は、このブラック企業の経理部で働いていた元社員。数年前に過労死し、死後も会社から離れられない地縛霊になったという。
怖いものもよく見ると結構可愛い!?
本作を描いたのは、会社員として働く一方、漫画家としても活動している新田せん(
@nittasen
)さん。会社勤めの経験を生かして漫画のネタを作り、創作活動を続けている。作品のこだわりについて聞くと、「人間が日々“怖い”とか“嫌い”と思っているものも、よく知ってみるとかわいいところがあるのかな?と思いながら幽霊のヒロインを描きました」と話す。なかでも、ヒロインをかわいく見せることにはこだわったという。
幽霊の必須アイテムは「気色悪い毛」
霊感のない主人公と幽霊の女の子が意思疎通を取るために使うのが、“気色悪い毛”だ。「はい。あの毛を所持できるのは幽霊だけで、あれは彼女の必須アイテムです。気色悪いですが…(笑)」と作者。
また、終盤に存在感を増していく「メガネの藤田」については、もともとは「ただのモブだった」と明かす。「絶対この職場(学校)おかしい」と思いながらも、言えずに流されてしまっている様子が、多くの人の“あるある”を想起させ、共感につながったのかもしれないという。
過労死した元経理部員の彼女は、なぜ地縛霊になったのか。主人公が「お前、悪いこと何もしてないだろ!?」と問いかける場面では、彼女が“気色の悪い毛”で「フンしョクケっサン」と文字を書く。重いテーマを扱いながらも、作者自身は「ラブコメです。それしか描けないとも言えます(笑)」と語る。ブラック企業と幽霊という組み合わせから始まる、ユーモアあふれる物語の行方に注目したい。
■取材協力:新田せん(@nittasen)
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