「お互いに家族を失った」少年と“猫のオカン”が出会う!“猫のオカン”に込めた作者のこだわりを訊く
東京ウォーカー(全国版)
WEB上の個人制作漫画には、プロの漫画家が手掛けたものも数多く存在する。「ポンコツお嬢様と陰キャ世話係」を連載中の漫画家の野愛におし(
@nioshi_noai
)さんがのオリジナル作品「猫神オカンはお世話したい」もそうした漫画の1つだ。
同作は、小さなころから決して涙を流すことのなかった少年「ノボル」が、母の墓参りの日、人の何倍もの巨体の猫に追いかけられる場面からはじまる。自分の死を覚悟し、涙が出かかるノボルだったが、猫は彼を捕まえると、親愛の表現である毛づくろいでお世話。その様子に「デッカイ猫のオカンだ!」と感激するとともに、亡き母の面影を垣間見て感極まるノボル。だが、猫のその優しさにも理由があって……、という物語。人と猫、種は違えどお互いの喪失を癒やす光景に胸が突き動かされる短編だ。そんな同作の制作背景を、作者の野愛におしさんに取材した。
“猫のオカン”の細部に込めた作者のこだわり
母を亡くした少年と、子を亡くした母猫。X上で公開された本作「猫神オカンはお世話したい」は、そんな2人が互いの孤独を埋めるように触れ合い、少しずつ前を向いていく物語だ。作者・野愛におしさんによると、もともとは「ジャンプ+」の連載争奪ランキングに向けて2022年に制作した作品で、惜しくも2位となり連載には至らなかったという。
それでも、主人公に自身の感情を重ねながら描いたことで、キャラクターの人間味や自分に合うテンポを再確認できたそうだ。また、猫のオカンは、実在する猫のような存在感を目指し、怖く見える顔つきと柔らかな表情、毛の弾力まで細部にこだわったそうで、額の模様や耳の毛には人魂のようなデザインも施し、女性らしい優しさを目元で表現している。
制作では、王道の物語と技術を学ぶため、当時身につけたことを詰め込んだそうで、見開きやコマのつなぎ方、ページをめくった瞬間の温度差など、読者の感情を動かす演出にも挑戦している。特にセリフを使わず、顔だけで感情を伝える場面は大きな挑戦だったという。
野愛さんが描きたかったのは、家族を失った者同士が触れ合うなかで現実を受け入れ、「親離れ」と「子離れ」を同時に迎えていく姿であり、「お気に入りの作品だからこそ、いつか1から描き直し、さらに心に残る作品にしたい」と語っている。
取材協力:野愛におし(@nioshi_noai)
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