スペアザ、メジャーデビュー10周年イヤーを経てアコースティック編成SPECIAL OTHERS ACOUSTIC始動!【前編】
横浜ウォーカー

岸根高校の同級生で結成した、SPECIAL OTHERS(以下、スペアザ)。昨年は斉藤和義やRIP SLYMEなどを迎えたコラボ作品『SPECIAL OTHERS Ⅱ』を発表し話題に。そんな華やかなメジャーデビュー10周年イヤーを経て、次なる10年に向けた最初の一手は? なんと2014年から同じメンバーで並行して活動しているアコースティック編成のSPECIAL OTHERS ACOUSTIC(以下、スペアコ)名義での始動だという。2014年に『LIGHT』を発表して以来、約3年半ぶりとなる2ndアルバム『Telepathy』について、また地元横浜について話を聞いた。
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――昨年、スペアザはメジャーデビュー10周年イヤーでしたね。コラボ作品『SPECIAL OTHERSⅡ』も話題となり、次の展開が気になっていましたが、アコースティック編成のスペアコの活動というので、驚いて。
宮原 昨年10周年で、新たについたお客さんを刈り取るために、スペアザの作品を出すのが普通の考えだと思うんですが、われわれも10年やってきて、刈り取るとか、そういう感じよりも、純粋にアコースティック作品を出したいなという気持ちでした。
芹澤 この年になって、宣伝だったり商業的なことにのっかって、無理に作って出すのも不自然だし、世の中の人もおれらにそんなものを求めていないだろうから、自分たちが出したいものを出すという、経験則に基づく気持ちよさみたいなところを優先しました。
――スペアコとして、『Telepathy』は2014年に発売された『LIGHT』以来のアルバムですね。
又吉 3年半ぶりですね。エレクトリックの楽曲って自ずと重厚になるので、ここでアコースティックをというのもありました。
宮原 単純にライブをやった時に、曲数が多いほうがいろんなセットリストでできるから、もともと2枚目を早く出したいというのもあったし、前作に入れようと思っていた曲が2曲あって、入れ忘れていたのを発売後に気づいたんですよ(笑)。それを出したくてしょうがなかった。
柳下 アコースティック曲のストックも結構あって。アコースティックに対するモチベーションが高い中で、必然的にアルバム制作に向かって行った感じです。
――具体的には?
宮原 入れ忘れたのは「CP」と「Birdie」です。既に発表しているんですけど、最初はアコースティックで作った曲で。
柳下 「ローゼン」はもともとLeyonaさんに提供していた曲で、いい曲なのにライブでやる機会が少なくて。
宮原 でも、アコースティック編成でやったら、おれたちだけでいい感じになるなって。
芹澤 ほかにも「IDOL」は、アコースティックやりはじめたころ、もうやってた曲ですね。
宮原 その曲は、柳下がギターでベースラインまで弾けるので、2人分の楽器をやれるから、さらに他の楽器で音を厚くできるし、アコースティック編成だとおもしろくなるんですよ。
柳下 もともとは、ブラジルのタンバリンみたいな楽器でパンデロを使っていたんですけど、今回はドラムセットでリズムを入れて、しっくりきましたね。
又吉 エレクトリックバージョンと聴き比べると楽しいですよ。
――また、新曲も6曲収録されていますが、「STEADY」「WOLF」のミュージックビデオはチェコ共和国のプラハで撮影されたんですね。プラハの旅は、原点回帰というテーマがあったそうですが。
柳下 おれたち毎回、原点回帰って言ってるよね。
又吉 あんまり動いてないってだけですけど。
宮原 もうネタみたいになってて。
芹澤 ここ10年くらい、原点のまわりをずっと回ってる。
宮原 北極星のようだよね。
柳下 それをまあ、レコード会社のスタッフがおもしろがって、原点回帰をテーマに海外に向けておもしろいことをしようぜって。
宮原 ただ、プラハにおれらの原点は何も感じなかったよね。初めて行ったしね。
芹澤 全てが新鮮!
柳下 何が原点だったのか。何の脈絡もなく……(笑)。
芹澤 こじつけるなら、ロックやポップス、アイドルの人たちと一緒にやったり……知らないところへいつも踏み込んで行くっていう意味では、おれらの原点だよね。プラハという未知の世界へ……。
宮原 うまいね!
又吉 あとは、今回のプラハも必要最低限の楽器を持って行って撮影してきましたけど、4人で音を出しているっていうことでいうと、そこも原点というか、基本というか。それしかできないので。
――プラハで撮影されたミュージックビデオ「STEADY」。この曲のタイトルも原点の意味を含んでいるのかなと。
柳下 どんな意味なんだっけ?
宮原 大事な人とかそういう感じ?
芹澤 使い方にもよるみたいなんだけど、他にもおもしろい意味があるんだよ。
――さっきおっしゃった「めざす方向が変わらない」とか「地に足がついたとか」という意味もあるみたいで。
宮原 原点回帰とドンピシャじゃん。完璧!
芹澤 ホントよばれたように付けた名前だね(笑)。
――ミュージックビデオはデートシーンが満載ですけどね(笑)。
芹澤 おれら、撮られてる時はデートシーンがこんな長いってわからなかったんですけど。
柳下 まさか、そっちがメインってね。
――スペアザのミュージックビデオって演奏シーンが多いので、演技をしているので驚きましたよ。
宮原 確かに、演技は初めてだな。
柳下 前は、断ったりしてたよね。
芹澤 でも、もうオジさんになって、そういうのどうでもいいっていうか。
宮原 もう、言われるがままやったよね(笑)。哀愁漂う曲なんだけどね。
――「WOLF」も同じくプラハで撮影を。
芹澤 これ、スティーヴ・ライヒの「Clapping Music」みたいに手拍子を入れてて、すっごく好きな曲なんです。だから、絶対世に出てほしい、聴いてほしいって強い思いがあって、こっちもプラハで撮っちゃおうぜってなりました。
又吉 結局、悪ノリになりましたけどね。
――こちらは、どんな映像に?
宮原 おれらヒップホップに挑戦したよね。かなりイケてるかと。
芹澤 「今回のミュージックビデオはヒップホップに挑戦」って最高のキャッチだね(笑)。
又吉 確かに挑戦してるから、間違ってはない。
柳下 ビースティ・ボーイズの曲が流れててもガンガン合うと思う。
――なぜ、曲調とは全く違う、ヒップホップ調になったんですか。
柳下 「ここで撮ってみる?」というラフな感じで、和気あいあいと進んでいったんですけど。
宮原 ヒップホップ調の街並だったから、俺が記念にヒップホップっぽいポーズで映像を撮ってたら、監督が「それ、俺もほしいっす」ってなって。そのあとそればっかりに(笑)。曲は激渋系だから、ヒップホップとのリンク感がどうなっているかは、みんな確認してほしいですね。
――「WOLF」ってタイトルも気になりますが。
宮原 オオカミがめっちゃ走ってるなってイメージですよね。
芹澤 僕は、この曲に思い入れがあったから疑問視してたんですけど、プラハでミュージックビデオがヒップホップになった瞬間、ヒップホップとこの曲の真ん中に「WOLF」という言葉があって、「あ、WOLFだ」って落ち着きましたね。
――とてもかっこい曲ですが、ちょっと意味がわからないです(笑)。
芹澤 これもミュージックビデオを観てもらうと、その感覚が入ってくるはずです。ぜひ注目してほしいです!(→後編へ続く)

構成・取材・文/古城久美子、撮影/映美
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