影山貴彦のテレビのホンネ。「いい味出して2,000回! ytv『す・またん!』」

関西ウォーカー

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元毎日放送プロデューサーで、同志社女子大学メディア創造学科の影山貴彦教授が、“関西ローカル”のテレビ番組の核心に迫るコラム!

関西ローカルパートで独自の存在感!読売テレビは昔からその手法が上手い


関西独自の存在感が光る「す・またん!」


「11PM」(イレブン・ピーエム)。若い方々もタイトルくらいはご存じだろうか。1965年から1990年まで、24年半の長きにわたって放送された。番組開始当初は深夜にテレビを見る人はまだ少なかったが、やがて大いに人気を博し、日本人の生活パターンを変えるほどの影響を社会に与えた。

「11PM」は月、水、金曜は、東京の日本テレビが制作し、火曜と木曜は、大阪の読売テレビの制作だった。刺激的な内容に心躍らせて見ていた健全な(笑)青少年だった私は、番組最後にアシスタントが言う、「明日は大阪(東京)・読売(日本)テレビからです!」の締め言葉に、「日本テレビ? 読売テレビ? 同じチャンネルなのに?」と少しばかり不思議に思ったものだ。私がテレビ業界に強く興味を持ったのは、「11PM」がきっかけと言ってもいい。   

ちなみに「11PM」終了後に始まった「EX(エックス)テレビ」も、火曜と木曜は読売テレビの制作。私が「西」の人間のせいだろうか、「イレブン」同様に読売テレビ制作のテイストが好きだった。「ホンネ」の番組作りをしている気がしたものだ。

準キー局の読売テレビは、キー局の日本テレビとこうした形で番組を作り合うのが、昔から上手い。前述のケースと同じではないが、ユニークな放送スタイルで支持されているのが、今年1月で放送2000回を数えた「朝生ワイド す・またん!」だ。

多くの地域で日本テレビ制作の「ZIP!」が放送されている時間帯に、関西ローカルパートで独自の存在感を出す「す・またん!」。正直、関西の視聴者には、こちらの方が馴染み深い。4月から辛坊治郎のスタジオ出演が木曜と金曜になるなど、出演者の入れ替えや曜日変更も少々あったが、番組の良き雰囲気はキープされている。新レギュラーとなった野村明大も、ベテラン森たけしといい味を出し始めた。

【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

影山貴彦

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