高校野球連載 第9回/オリックス・バファローズ澤田圭佑投手が振り返る春夏連覇の舞台裏!
関西ウォーカー
“高校野球大好き”な著名人が甲子園の魅力を語るスペシャル連載「”ワタシ”が語る甲子園~100年の熱狂ストーリー~」。情報誌「関西ウォーカー」と連動してスタートしたWEB版連載では、誌面に掲載しきれなかった未公開トークを含むスペシャル版を前後編で掲載。
連載第9回目は、かつて大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を成しとげた、オリックス・バファローズの澤田圭佑投手のインタビュー(前編)をお届け!

愛媛からはるばる高校野球の激戦地・大阪へ。あえて勝負に行った理由とは?
―澤田投手は愛媛県出身ですが、大阪桐蔭に進んだのはなぜですか?
澤田「もっとレベルの高いところで野球をやりたいというのが一番の理由です。最初は大阪桐蔭のことは全く知りませんでしたが、大阪の高校を調べていて、見たことのある選手が多いなと思ったのが大阪桐蔭でした。それから父と練習を見に行ったのですが、ノックを見ていると守備の上手い人ばかり。バッティング練習でも、どんどんホームランを打っていて…、見ているだけで圧倒されました。自分は中学までチームで何をしても1番で、自分よりすごいと思える選手を目の前で見たことがなくて。周りの人がうまいと、わくわくするじゃないですか。そういう雰囲気の中で野球をやってみたいなと思いました」
―入学当初は太っていた方だったとか。大阪桐蔭の実際の練習はどうでしたか?
澤田「体重は結構ありました。入学した直後は体作りのために、とにかく走る。グラウンド近くの山道を1日に何十本も走りました。コーチや監督から『そのタイム、絶対無理やろ!』って言いたくなるような目標タイムを設定されて、本当にもうどれだけ走ったことか…。自分でストップウォッチを持ってタイムを見ながら走れたらいいんですけど、うまくペース配分をしてしまうからという理由で禁止。今どのくらい時間がかかっているかも分からないので、ひたすらがむしゃらに走るんです。1年生の時は要領も得ていなかったので設定タイムギリギリでしたが、3年生になると同じコースでもかなり速く走れるようになっていました」
―同級生には藤浪晋太郎投手(現阪神タイガース)もいましたね。
澤田「最初に藤浪を見た時の印象は『でかっ!』ですね。中学時代はリーグも違ったので名前も知らなかったのですが、入学した時から身長が190cmくらいあって、一目置く存在でした。ポジションが同じ投手だったので一緒に練習することが多くて、よく一緒に走らされていましたね。『何で俺らだけこんなに走らなアカンねん』って言いながら、走っていました(笑)」

―厳しい練習を頑張ってこられたのは、レベルの高い同級生がいたからでしょうか?
澤田「レベルの高い同級生に刺激を受けて、というより、怒られないようにしようというのもありましたが(笑)。やっぱり、うまくなりたいからというのが一番でした」
―澤田選手が2年生の時、夏の大阪大会の決勝で劇的な負け方をして甲子園を逃しました。そのあとの新チームのスタートはどうでしたか?
澤田「とにかく今やれる野球を確立していこうという感じでした。ただ、夏休みの間は藤浪が絶不調で、思ったより復活するのに時間がかかってしまって。8月の練習試合はほぼ自分が投げていたので、秋の大会が始まるころは、かなりキツかったのを覚えています」
春のセンバツに優勝した夜には、夏の甲子園に向けてのミーティング

―キツイ練習を耐えぬき、3年生の時に春のセンバツで優勝。でも優勝した日の夜には、夏の大会に向けミーティングをしていたとか。
澤田「センバツでは試合に勝つたびに、移動のバスの中で『おまえら、調子に乗るなよ』と言われていました。試合に勝っていい気分になっている時でも『おまえら』って言われるたびに、『何か悪いことしたかな?』って考えたりして。さすがに2試合目、3試合目になると『またか』ってなりましたけど(笑)」
―センバツの初戦は大谷翔平投手(現エンゼルス)率いる花巻東に勝ちましたが、その時も?
澤田「そうですよ。『1回勝ったくらいで調子に乗るなよ』って。もちろん自分たちもそんなにうぬぼれていた訳ではないし、ふざけたりもしていないんです。でもそうやって毎回言われることで気が引き締まっていたというか。少しは喜びに浸りたかったですけど(笑)。優勝したあとにも『おまえら、春に優勝しても夏に優勝せんと意味ないんやぞ』って言われて、さすがに『まだ怒られるの?』みたいな空気になりましたね」
―優勝しても、優勝した雰囲気ではなかったのですね。
澤田「試合後の写真撮影で、“イエーイ!”みたいなポーズを取っていましたけど、内心は『コーチに怒られるかも』ってビクビクしていました(笑)。センバツは優勝したと言っても、逆転勝ちとか僅差の試合が多かったので、内容自体はあまりよくなかったんです。反省点が多かったというか、苦しい試合ばかりでしたからね」
―優勝後のミーティングではどんな話がありましたか?
澤田「『明日から練習するから』って。優勝したから休みというのはなかったし、翌日からすぐに切り替えられましたね」
まだまだ続く、澤田選手の甲子園トーク!後編もお楽しみに!
◇
〈今回の語り部〉
澤田圭佑…1994年4月27日生まれ。オリックス・バファローズの投手。大阪桐蔭では3年時に甲子園春夏連覇を達成。立教大では通算22勝をあげ、4年時は主将も務めた
沢井 史
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