品質重視!地方の中小企業がつくる“国産キッチンツール”が人気

東京ウォーカー(全国版)

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職場の“弁当ブーム”などで、キッチンツールへの注目が集まっている。オシャレな輸入品からアイデア勝負のものなど、多彩なアイテムが続々と登場する中、最近注目を集めているのが、地方の中小企業が開発する、精密な“国産調理器具”。多少値段が高いのだが、精巧な技術を生かした製品は品質が良く、長く使っていけるということでヒットしているという。

まずは、福井県福井市の中小メーカーが、2005年から展開している「おいしいキッチンプロジェクト」のキッチンツール。福井市では、最終製品(部品ではなく完成品)をつくる企業が少なかったために、部品作りの技術を生かして地場産業を盛り上げようと、数多くの中小企業が集まってキッチンツールの開発が始まった。

例えば繊維機械用部品の製造業として創業した「山内スプリング製作所」が作ったのは、オシャレなデザインフライ返し「バタフライ返し」(2100円)。眼鏡部品、釣具、電子機器用部品の加工で培った高精度なレーザー加工、ワイヤー加工技術などを生かし、ステンレス製のキッチン小物を開発している。ほかに、カーテンなどのレースの技術を応用して、荒川レース工業が制作した野菜入れ「ベジネット」(700円〜1050円)など、その斬新さは必見だ。さらに、ここではほかにも、高機能繊維の開発に取り組むネオテックスが食器洗いや台ふきんを作るなど、さまざまな企業が開発に参加している。

同プロジェクトの広報担当者は、「(これらの商品に対し)実際に便利だし使い勝手も良いという声をいただいておりまして、例えば『ベジネット』は、発売当初から今年4月までで合計10万個以上を売り上げたほど人気です。発足して今年で4年目のプロジェクトですが、ご好評いただいているので、今年も新商品を開発していく予定です」と話す。

また、愛知県で船舶などの部品を製造してきた「愛知ドビー」が立ち上げた「バーミキュラ」も人気だ。鋳鉄などの加工技術を生かしたのは、“鋳物ホーロー鍋”。日本の職人が、ひとつひとつ手間ひまかけて、ミクロン単位の精度で精密加工したこのホーロー鍋は、鍋フタと本体の機密性を極限まで高め、無水調理をかなえてくれる。「オーブンポットラウンド22cm」で2万3800円だが、2月の発売開始から2000個以上の注文があり、5月の時点で5か月待ちと注文が殺到している状態だ。

ほかにも、新潟県の洋食器メーカーとして創業した「YOSHIKIN」の“グローバル包丁” は、ヨーロッパ方面、オセアニア方面など世界数十か国の取り扱いショップでも販売され、各国のユーザーから高い評価を得ている。洋食器製造のノウハウ、ステンレスの加工技術を生かし、刀身から柄まで全てステンレス製の一体構造包丁で、“素材美”を表現した今までにないデザイン。使いやすいと好評の「三徳(G-46)」(8400円〜)は、クセがなく、家庭用として人気だという。熟練の職人が水砥石を使って、一本ずつ手作業で刃をつけた「GLOBAL-PROシリーズ 」(8400円〜)も、決して安くはないが、本格的な仕様に料理のプロも満足する一品だ。

これらの“こだわりキッチンツール”を後押しするのは、消費者の意識の変化もあるようだ。野村総研の調べによると「とにかく安いものを買う」という消費者が減少傾向にあるという。4年前の50.2%から年々減り、昨年末は45.4%。逆に「できるだけ長く使えるものを買う」といった“品質重視型”が、52.6%から61.3%に増加しているという。“日本の技術力の宝庫”とも言える、地方の中小企業の型破りな発想や、精度の高さが詰まったアイテムは、すでに数十か国で愛される“グローバル包丁”のように、今後は日本のみならず世界へと広がっていきそうだ。【東京ウォーカー】

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