影山貴彦のテレビのホンネ。「やすとも&友近で最強! 『キメツケ!』が面白い」
関西ウォーカー
元毎日放送プロデューサーで、同志社女子大学メディア創造学科の影山貴彦教授が、“関西ローカル”のテレビ番組の核心に迫るコラム!
激戦区に自社制作番組を編成!単なるトークバラエティを超えた深さも

思いっきり応援したくなる番組が、4月から始まった。「やすとも・友近のキメツケ!※あくまで個人の感想です」だ。ゴールデンタイム、火曜夜8時台の激戦区に自社制作番組を編成したカンテレの気概にまず拍手を贈りたい。
メイン出演者は海原やすよ・ともこと友近の3人だ。彼女らと毎回変わるゲスト数人が取材VTRをきっかけとして、「好き勝手にしゃべりまくるトークバラエティ」だ。注目したいのは、ミセラレさんと呼ばれる別スタジオにいる男性ゲストの存在。彼女らと目を合わせて直接トークするのではなく、炸裂する女子トークを「ミセラレ」ながら、時折離れたところからツッコミを入れたり、逆に女性陣にダメ出しされる役割だ。これが番組のアクセントになっていて、とてもいい。ミセラレさん、一度やりたい!(笑)
「好き勝手」といいながら、実は番組の構成がとてもしっかりしており、笑いをちりばめつつ、社会的・文化的なテーマを時に話しあったりもする。たとえば、現在のテレビ番組に欠かせなくなった「ワイプ」。テレビ画面に頻繁に出てくる「小窓」のことで、主に出演者のリアクションを映すものだ。視聴者目線や作り手目線ではなく、撮られる側、すなわち出演者目線で「ワイプ」を熱く語り合っていた。単なるトークバラエティの域を超えた深さが時に見られるのが素晴らしい。
企画・構成を担当するのは小林 仁。旧知の仲だ。昨年2回放送した特番の好評を経て、今回のゴールデンタイムレギュラー化となったわけだが、小林に聞くと、「1年に2回ペースで10年続けばいいな、と勝手に思っていたら、一気にレギュラー化が決まりました!」と、驚きと喜びの入り混じった答えが返ってきた。自身が企画書を提出した番組がこうして大きく育っていくことほど、作り手にとって嬉しいことはあるまい。
【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
影山貴彦
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