いい年して子供たちから学ぶ、”相手を知ること”についての大切な知恵<連載/ウワサの映画 Vol.37>

東海ウォーカー

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頭部の骨格に障害のある女の子を見て、大声で泣き出しちゃったというある作家の3歳の息子さん。その出来事から生まれたベストセラー小説を映画化したのが「ワンダー 君は太陽」です。私も、本作の主人公・オギーに初対面となったら、ぶしつけなリアクションをする可能性大…。なので私はオギーのいじわるクラスメイトの一人として、びっくりするほどすんなりと子供の世界に同化しちゃいました。差別問題にも直結する”内面を見よ”というテーマに年齢は関係なく、思慮なき言動をされる者とする者、双方の成長がすがすがしかった!

原作は、R・J・パラシオによる全世界800万部突破の人気小説。出演を熱望したジュリア・ロバーツが、世間の荒波にもまれ心が折れまくる息子を包む、温かくさわやかな愛で魅了!Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


「スター・ウォーズ」が大好きで宇宙飛行士に憧れる10歳のオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は、遺伝子の疾患により、他の人とは異なる顔立ちで生まれてきました。27回も手術を受けたせいで、学校には通わず自宅学習を続けています。そんな中、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は、「まだ早い」と反対する夫・ネート(オーウェン・ウィルソン)の反対を押し切り、5年生の初日からオギーを学校に行かせることに。夏休み中の学校を訪れ、ジャック・ウィルら3人の生徒に学校を案内されている最中、1人の生徒に「その顔は?」と聞かれるオギー。その場は毅然と対処した彼ですが、帰宅後は元気がありません。「やめるべきか…」と心配する母親に、「大丈夫、僕は行きたい」と答えたオギーは、やがて初登校の日を迎えるのですが…。

宇宙飛行士のヘルメットをかぶり、顔を隠して初登校! いじめや裏切り、友情といった人生初の試練と喜びと共に、温かい家庭から飛び出したオギーの小さな世界が広がっていきますMotion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


「最高の自分でいるために最善を尽くすことは誰にでもできる」という原作者の信念を実行するオギー。めげて、いじけて、立ち直って…、を繰り返しながら強くなっていく姿に、外見を超えて、もっともっと彼の”奥”を見たくなる。特殊メイクでわかりませんでしたが、オギー役は「ルーム」のあの子、”映画史上最高の天才子役の一人”と言われるジェイコブ・トレンブレイ君だったんですねー。子供らしいストレートな喜怒哀楽の発露に引き付けられっぱなしでした。 母親役はジュリア・ロバーツ(正直、初めて素敵な女優さんだと実感)というテッパン親子のやりとりは見応えアリ!

理科が得意でボバ・フェットの大ファン、そしてユーモアセンスも抜群のオギー。彼の魅力がジワジワと周囲に伝播し、「ペストがうつる!」と騒いでいた生徒たちにも変化が…Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


しかし! 私が誰よりも押したいのは、ジュリア&ジェイコブ君という名優コンビにはさまれた、残念ながら名優ではないオーウェン・ウィルソンです! 脚本にも参加した「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」で「意外と多才なの?」と思ったあたりから、大好物なのです…、彼にしか出せない空気感が。今作でも、シリアスになりがちな内容の中、一人だけ「ほわん」とした佇まいで和ませてくれます。彼のおトボケ感が、ともすればシラける”できすぎな話”にリアリティをもたらすというか…。オーウェンよ、君こそがワンダーだっ! しかも今回は、常にジョークを飛ばし同志として息子を支える父親像が、妙にかっこよく見えてオイシイ(笑)

以前ベン・スティラーに取材した際、「オーウェンは何もしなくてもおもろくてうらやましい」って言ってましたが、その通り。常に口笛を吹いてるっぽい、おちゃらけ気味の表情のせい?Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


オギーひとりの視点だけではなく、「弟にかかりきりの親にかまってもらえないオギーのお姉ちゃん」や「いじめっ子との付き合いもあり、オギーとの友達関係にもたつくジャック・ウィル君」らを、パートごとにフィーチャーする構成もおもしろい。子供たちの群像劇的な趣向が新鮮です。それぞれの立場による見解はどれも共感を誘うし、少年少女の多層的な胸の内が大人のそれと大差がないことも捉えてます。問題作とも言われる一方でカルト的人気を誇る青春映画「ウォールフラワー」に続き、好きだわー、スティーヴン・チョボスキー監督の作風。そうそう、「スター・ウォーズ」のチューバッカが校内を闊歩する場面(オギーの空想)にも胸が踊っちゃいましたけど、ルーカスフィルムとディズニーからのGOは、チョボスキーが脚本を務めた「美女と野獣」の大成功へのご褒美?

オギーがぎこちなくも初めての友情を築いていくジャック・ウィルが、非常に男前キャラ。演じるノア・ジュプ君もかっこいい! 将来が楽しみ~Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserve


「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときは親切を選べ」。私にはシチュエーションがピンと来ない(正しくも親切でもないから?)こんな言葉をはじめ、効果的に散りばめられた名言や格言の数々もステキ。「相手を知るためには『よく見ること』が大事」ってセリフは、この映画の神髄ですね。ほかに心に響いたのは、「あなたの行いは、あなたの記念碑」かな。…自分の記念碑が実在したら、とてもじゃないけどオギーには見せられない&私も見たくない(焦)【東海ウォーカー】

子供の時にこの映画観てたら、こんなおチビさんにケンカをふっかける思春期ボーイズ&ガールズにはならない気がします…Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserve


【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(6月29日公開)のウディ・ハレルソン!

おおまえ

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