エゾブルー? 臆病? 卵を産まない? 旭山動物園にいるヘビの秘密
北海道ウォーカー
「こわい」「キモチ悪い」と、わりかしアンチな声を聞く気がする、ヘビの類。旭山動物園にある「両生類・は虫類舎」には、そんな嫌われがちなヘビたち3種が展示されています。

それは、アオダイショウ、シマヘビ、ニホンマムシの3種。どれも日本の固有種です。「やだー、ヘビの話なんて興味ない」なんて画面を閉じようとした方! だまされたと思って3分留まってください! ヘビ、言うほど怖くないんです、むしろカワイイんですって。

まずはアオダイショウ。日本で一番ポピュラーなヘビです。無毒でおとなしくて、ぱっちり開いた丸い目がキュート。何よりステキなのは、色。本州産のアオダイショウは茶系や緑系のものが多いそうですが、北海道産のものは青みがかったものが多いらしく(私も道民ですが、アオダイショウというと青っぽいイメージ)、特に美しい個体は、マニアの間で「エゾブルー」なんて呼ばれているのだとか。

「両生類・は虫類舎」には、アオダイショウ用の通路「ヘビブリッジ」が設置されているので、フンが落ちてくるやもしれぬ恐怖にビビリながら、頭上を通る姿を眺められるというドキドキ体験が可能! ちなみに、アオダイショウがフンをするのは2か月に一度くらいなので、逆に落とされたらレア。素直に喜びましょう。

おとなしいアオダイショウですが、さすがに突いたり捕まえたりしたら怒ります。尾を震わせたり、お尻から嫌なにおい(青臭い)を出したりするので、道端で出会ったらそっと見つめてあげてください。

一方、アオダイショウよりやや小型ですが、性格が荒めなのがシマヘビ。英名で「Japanese four-lined snake」と呼ばれるとおり、タテに4つのラインが入っているのが特徴です。ただ、シマヘビの模様には個体差が激しく、ヨコに模様が入っていたり、まったく模様がなかったり、全身真っ黒だったり(カラスヘビ、と呼ばれます)、「フォーラインじゃないじゃん」と突っ込みたくなるのですが。違うのは模様だけで、どれも毒はありませんよ。

動きがとても素早いうえ攻撃的なので、野生のシマヘビを捕まえたら、ほぼ咬まれるそう。でも、シマヘビも身を守るために必死ですからね。「すごい咬んでくる=すごく怖がってる」と思うと、怖さも(怒りも)和らぎますね。

そして3種類めがニホンマムシ。北海道に生息するヘビでは唯一の毒ヘビです。ずんぐりむっくりした体形で、背には丸い黒模様が2つずつ並んでいます。毒がある=すぐ襲ってくる、というわけではなく、基本的におとなしく、自分から襲ってくることはないそうです。面白いのは卵を産まないところ。「胎生」といって、仔ヘビを産むのだとか。

ちなみに、ヘビたちの食事はハツカネズミ。月に3回ぐらい、1匹ずつ食べるそう。そう、毎日食べなくても平気なんです! そんなところも、慎ましやかに感じられて好感度アップです。もし、飼育員さんが給餌しているところに遭遇したら、観察のチャンスですよ。

いかがですか? 「ヘビ=こわい」、ってイメージは無くなりましたか? それぞれヘビの性格にもよりますが、基本的におとなしい生き物なんです。ぜひ怖がらず、ペンギンを見る感覚で眺めてみてくださいね!
※写真提供:旭川市旭山動物園
旭川市旭山動物園 ■開園期間:夏期開園4月28日(土)~11月3日(祝) ■時間:夏期開園9:30~17:15(入園は~16:00)、10月16日(火)~11月3日(祝)は9:30~16:30(入園は~16:00) ■住所:旭川市東旭川町倉沼 ■電話:0166・36・1104 ■料金:大人820円、中学生以下無料
出村聖子
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