音色が聞こえる? 特別な指先から生まれる「BASSE」のパン
東京ウォーカー
「シンプルな3コードで名曲を生む。みたいに、普通の材料でおいしいパンを作ることが僕の目指す姿です!」。そう語るのは、小岩にある「Boulangerie BASSE」(バース)の松永健太店主だ。パン店が名曲? と思うかもしれないが、同店は例外。実は松永さん、第一線で活躍するバンド「銀幕一楼とTIMECAFE」のベーシストでもあるのだ。

全国ツアーやワンマンライヴも行う
趣味でバンドをやっているパン職人は少なくないだろう。しかし松永さんの場合は、CDを全国流通しているうえに、全国ツアーも敢行。5月末には北海道へ赴き、7月18日には渋谷屈指の有名な大型ライブハウス「TSUTAYA O-WEST」でワンマン公演も行う。このように音楽面でも一流ながら、もちろん「Boulangerie BASSE」も大人気だ。

松永さんは1987年生まれの葛飾区・金町出身。もともとはどこにでもいそうなバンドキッズだった。中一でギターに目覚め、高校までは好きなミュージシャンの楽曲コピーに明け暮れる。卒業後にはオリジナルの曲で活動もはじめるが、メンバーの脱退などでベーシストへ転身することに。しかしベースの方が自分に向いていると思ったそう。

当時は小岩のライブハウスでアルバイトをしていた。ただ、ライブハウスの営業は夕方からがメインとなるため、日中に親戚が経営するパン屋を手伝うことに。かつて小岩にあった「みすずベーカリー」である。これがパン職人に目覚めるきっかけだ。2011年に時代の流れでここが閉店するまで働き、その後は東東京や千葉を中心に展開するパン店で数カ月修業。その後、凱旋する形で小岩に「Boulangerie BASSE」をオープンしたのが2013年の4月である。

音楽活動での刺激がパン作りに生かされている
ちなみに、「銀幕一楼とTIMECAFE」に加入したのが2011年の3月。それまではジャズからメタルまでジャンルを問わず、スタジオミュージシャン系のベーシストとして活動していた。いまでこそ「Boulangerie BASSE」の運営も軌道にのりスタッフも増えたが、加入当初や独立当時に両立するのは大変だったそう。



そんな同店の名物といえば、「くるみこしあんクリームチーズ」や「カレーパン」だ。そのほかにも多彩なパンが用意されているが、きっと音楽活動でのインスピレーションが生かされているに違いない。心躍るおいしさの秘密は、昼間は生地を捏ね、夜は音楽を奏でる特別な指先から生み出されているからだろう。
東京ウォーカー編集部
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