W杯に広がる試合後のゴミ拾い、吉田麻也「来た時よりも美しく、それが日本人の美学」
東京ウォーカー(全国版)
世界中の注目を浴びるサッカーのワールドカップ(W杯)は、ときとして小さな振る舞いが大きな話題を呼ぶ。
熱戦が続くロシア大会でも、日本人サポーターが試合後にスタンドのごみを拾って帰る姿が世界に広く伝えられた。

日本人特有の行いとして、他国から見れば珍しく映るのであろう。日本代表の第2戦を翌日に控えた23日(土)、会見に出席した吉田麻也に海外メディアから質問が飛んだ。
「日本のファンがスタジアムをきれいにしていったことが話題になっている。吉田選手の見解はどうか? それから試合後は自分たちもロッカールームを掃除するのか?」
ちなみに質問者はイングランドメディアで、吉田はかの地のクラブであるサウサンプトンで在籍6シーズンを数える。「おそらく試合後の僕たちのロッカーは、イングランドのプレミアリーグに比べてきれいだと思います」と、ジョークを交えた答えで会見場の話題を誘った。
「ファンの皆さんの行いには、僕らも感銘を受けています。僕らも日本を背負って戦っていますが、スタジアムでの皆さんの行いは、ロシア、そして世界中で見られているので、ピッチ外のことがこうして、たたえられるのは誇らしいこと」
メディアの後ろにはファンがいる。日頃の言動からそんな意識を強く感じることが多い、吉田らしい答えでもある。

ちなみに、日本人サポーターの試合後のごみ拾いは前回のブラジル大会でも話題になり、今大会では他国にも波及。19日に行われ、日本代表が2-1で勝利を収めたコロンビア代表戦後には、両国のサポーターがともに協力し合ってスタンドを清掃したともいう。
サッカーの話題とは一見関係なさそうだが、世界規模のイベントで日本の文化を伝える意味では、またとない機会でもある。
答え終わったかに思えた吉田が、再び口を開く。深く一呼吸を入れて、大事そうに言葉を続ける。
「日本には『来た時よりも美しく』という言葉があります。美しくして、その場を去るというのが美学としてあるので、そこは日本のサポーターの皆さんに染み付いているんじゃないかと思います」
コロンビア戦では一時同点に追いつかれた際に、下を向く選手たちを激しく鼓舞する姿が印象深い。
21歳のときに名古屋グランパスからオランダのVVVフェンロへの移籍で海をわたってから、すでに9年半が経った。
ときにリーダーとして、ときに国際人として――。チームを支える29歳は、まさしく“日本代表”という肩書に相応しい、掛け値なしに素晴らしい振る舞いを見せている。
小谷紘友
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