ミュージカル「モーツァルト!」平野 綾インタビュー「大阪には日本一好きな本屋さんがあります!」

関西ウォーカー

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WEB連載「はーこのSTAGEプラス」Vol.52をお届けします。

6月28日(木)に東京・帝国劇場の公演を終え、まもなく大阪にやってくるミュージカル「モーツァルト!」。この舞台に、平野 綾が2014年に続き2回目となるモーツァルトの妻・コンスタンツェ役で出演している。声優で人気がブレイクし、いまではミュージカルのヒロインに欠かせない女優となった。

ミュージカル「モーツァルト!」でモーツァルトの妻・コンスタンツェ役を演じる平野綾。同役は生田絵梨花と木下晴香のトリプルキャスト


「モーツァルト!」は脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲/シルヴェスター・リーヴァイ、演出・訳詞/小池修一郎のゴールデントリオのヒット作で、2002年に初演。“音楽の天才”モーツァルトが駆け抜けた、歓喜と苦悩の35年の生涯を描く人気のミュージカルだ。今回は新たな楽曲を加え、舞台ビジュアルもリニューアルして登場する。

モーツァルトを演じるのは今回が3回目の山崎育三郎と初参加の古川雄大。モーツァルトの妻・コンスタンツェ役は、平野綾を筆頭に初めて参加する生田絵梨花と木下晴香のトリプルキャスト。3人の中で最年長となった平野に、演出家の小池修一郎から「若い2人の見本になるように頑張りなさい」と言われたそう。「ついこの間まで一番年下の現場が多かったんですが、その月日はすぐに終わったなと(笑)」。

もうすぐ大阪へ上陸する最新バージョンの「モーツァルト!」。平野の見どころは、2016年のアメリカ留学の成果が存分に発揮される“歌声”だ。舞台への意気込みや想い、公演中の空き時間の過ごし方など、彼女の素顔に迫る!

本作で帝国劇場初主演に抜擢された、モーツァルト役の古川雄大(写真左)と写真提供:東宝演劇部


【今回の舞台】

シーンを改訂したり、セットもガラッと変えてブラッシュアップした舞台に。初めて観る方はもちろん、ご覧になったことがある方にも、同じ作品でもこう違うんだなと、楽しんでいただけると思います。

モーツァルト役の育三郎さんは太陽、雄太くんは月だと思っているので、まったくタイプの違う2人が同じ役を演じて、どういうアプローチになるのか、すごく楽しみです。私自身も、前回と同じ役で表現の仕方がどう変わったのかを、知りたいと思っています。

【楽曲の印象】

私、クンツェ&リーヴァイさんの作品の中では一番好きかもしれません。切ない感覚や、心に残る楽曲が多いから。後になればなるほど響いてくるんですよね。でも、どう自分を追い込んでいくか、みたいな楽曲が多いので、自分がその曲のパワーに負けないようにしなくてはと思っています。

声も表現力もパワーアップした素晴らしい歌声に注目を!写真提供:東宝演劇部


【課題と意気込み】

前回は、彼女の内面をもう少し掘り下げられたのではないかなという想いが残りました。なので今回の一番の課題は、女の怖さや愛情、憎悪や業といったものをコンスタンツェで爆発させること。

4年前は、歌も芝居も技術の足りなさや年齢感もあり、迫力を表現できなかったことが自分のなかで一番悔しかった部分でした。最近では、振り幅の大きい役が続き、そこでつかんできたいろんなものを総動員しようと思っています。30代に突入して、いい年齢の感覚でコンスタンツェが出来るかと。

【舞台の魅力】

すぐ目の前で行われているのに、まったく世界が変わるというか、それでいて手が届くんじゃないかと思ってしまうようなドキドキがあって。その時間、その場所を、自分たちでしか共有できない特別感があるのが、舞台の好きなところです。今、ネットでは全世界で同じものを同時にすごい人数の人たちで見ることができる。そういう今だからこそ、ここでしか観られないということに、すごく価値が出てくるのだと思います。毎公演、雰囲気もすごく変わりますしね。そこが生ものの一番おもしろいところだと思っています。

【小さい頃の夢】

3歳の頃にニューヨークに住んでいて、ブロードウェイミュージカルを観て「この世界に入りたい」って言ったのが最初でした。小学校の絵日記には「ミュージカルスターになりたい」って、宝塚歌劇のような絵を書いていて。小さい頃から観劇する機会が多かったので、舞台の世界に憧れていました。今、夢が叶ってるなぁと思って、ほんとに幸せです。

今回はコンスタンツェの内面をより一層掘り下げて演じる写真提供:東宝演劇部


【憧れの元宝塚の人と一緒に】

もうリアルにその通りで(笑)。「レディ・ベス」でご一緒させていただいた花總まりさんは、学生の頃に観に行っていたので憧れでした。お花様っていまだに言ってしまうんですけど、最初にお会いした時、私「花さんのクリアファイルとかポストカード、めっちゃ持ってます!」っていう話をしてしまうくらい(笑)。

だから、最初はダブルキャストをやらせていただくことがすごくプレッシャーで。どれだけすごい方なのかは自分がファンだったからよくわかっているので、なんとか置いていかれないようにと、いっぱいいっぱいでした。

【子役から声優、そしてミュージカル女優へ】

声優の仕事は続けていますが、今は、あまり声優としてのイメージはなくなりましたね。声優は長年やらせていただいているので、最近ではラスボスみたいな敵役や人間じゃない役が多くて。舞台ではわりと正統派なヒロインをやらせていただいてバランスが取れている気がしていたのですが、最近は舞台でも役の振り幅がすごくて! 自分にしかできない役作りを目指したいと思っています。 

【ニューヨーク留学】

ありがたいことではあるのですが、ずっとお仕事が忙しくて、児童劇団以来ミュージカルのレッスンを受けていなかったので、まずは、一から発声法を学び直そうと思って2016年にニューヨークに行ったんです。息の長い役者であるために、いかに自分の身体を酷使しないで最高のパフォーマンスができるかを勉強しました。それから「歌がまったく変わったね」と言っていただけるようになって、やった!と(笑)。

初演の「レディ・ベス」で課題がいっぱい残ってしまい、再演までに何ができるかと、思い切ってお仕事を半年お休みして留学して良かったなぁと思っています。

モーツァルト役・山崎育三郎(写真右)とは、2014年に続き2回目のコンビ写真提供:東宝演劇部


【自信を持って】

隙あらばニューヨークに行ってレッスンを受けるようにしています。すごくいい先生に出会えたので。

ここ数年、いろいろな経験をさせていただいて、自分の居住まいのようなものが今までと全然変わってきました。とても居やすくなったんです。今までの私は、自信がないのが一番の問題だったんですけど、ニューヨークに行って、考え方が変わりました。

【公演中の空き時間の過ごし方】

食べるのが好きなので、1人でプラッと初めてのお店に入って、お店の人と仲良くなってしゃべって、みたいなのがすごく息抜きだったりします。関西でも行きつけの店が出来たので、そこで「久しぶり~」みたいな感じで行ってしゃべるとか。知らない人としゃべって、友達になるのが好きなんです。

あと、本を読むのが好きなので1日1冊は確実に読んでます。それも息抜きですね(笑)。ジャンルを問わず、文庫もハードカバーも読みます。もちろんマンガも。

気になった本をどんどんジャケ買いするので、地方公演から帰る時が大変で、大体いつも段ボール1~2箱は本で埋まってしまいます(笑)。家に送るのが大変です。

【日本一好きな本屋さんが大阪に】

日本一好きな本屋さんが心斎橋にあるんですよ。あまりにも好きすぎて、そこでファンクラブイベントもやっちゃうぐらい(笑)。そこに行くと私、1日出てこないんです。カフェも併設されていて長居しやすくて。1回で買う本の量が20冊くらいなんですが、その本屋さんはレアな本も多くてついつい大人買いしてしまいます。

1回読んだ本は絶対捨てないんです。誰かにあげる場合は買い足して、絶対取っておくタイプなので、実家の私の部屋の本棚に入りきらない平積みの本が崩れ、部屋の扉が開かなくなりました(笑)。

これまでの台本もかなりの数を取ってあります。子役の時のものから、アニメの台本も。「いつか綾ミュージアムができるね」って両親が言ってたぐらい(笑)。

演劇ライター・はーこ

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