実は壁がない? 旭山動物園でルームシェア生活を送る2種のサル

北海道ウォーカー

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旭山動物園の「サル舎」で飼育している3種のサル。横に長い放飼場では進化の過程に沿って、左からワオキツネザル、アビシニアコロブス、ブラッザグェノンの順に展示されていますが、このうち、アビシニアコロブスとブラッザグェノンの放飼場には「仕切りがない」って知ってました?

旭山動物園/サル舎で暮らすアビシニアコロブス(左)とブラッザグェノン(右)(C)旭川市旭山動物園


生息地がほぼ同じことから同居をしているこの2種。どちらも生息地はアフリカで、アビシニアコロブスは中部から東部の森林、ブラッザグェノンは沼地の林で暮らしています。ただ、アビシニアコロブスは一日のほとんどを樹上で過ごしますが、ブラッザグェノンは地上を歩いたり走ったりするのが得意で、半地上生活を送るサル。生息地は同じでも、暮らし方は違うんですね。

【写真を見る】旭山動物園/アビシニアコロブス。おもに木の葉を食べるので「リーフイーター」(葉っぱを食べる人、の意)とも呼ばれる(C)旭川市旭山動物園


旭山動物園/アビシニアコロブスの背中にはU字型の白い毛が生えている(C)旭川市旭山動物園


見た目も特徴的なこの2種。アビシニアコロブスは、なんといっても美しい毛のコントラストが目を引きます。全体的に黒い毛に覆われていますが、顔の周りと背中、尾の先っぽは白く、なかでもマントを羽織っているような背中のふさふさっとした毛は、「なんじゃあれ」と見るたび不思議な気になります。ちなみに、生まれたばかりの子供は全身真っ白!親とは全然違う見た目なんですよ。

旭山動物園/アビシニアコロブスの子供は全身真っ白(2017年1月撮影)(C)旭川市旭山動物園


現在いる個体はすべて家族。子供2匹とそのお母さん「アビ」、父方のおばあさん「カトリーナ」の4匹を展示しています。すごく身軽で放飼場をひょいひょい移動するので、うまく写真が撮れないのも特徴。

旭山動物園/ブラッザグェノン(オス)(C)旭川市旭山動物園


一方、ブラッザグェノンといえば、思わず二度見してしまいそうな顔が印象的。額に三日月形のオレンジ色の毛が生えていて、鼻からあごにかけて真っ白い毛を蓄えています。このヒゲから水戸黄門にちなんで「黄門ザル」なんて呼ばれることも。

旭山動物園/ブラッザグェノン(2016年撮影)(C)旭川市旭山動物園


現在、旭山動物園では3匹を飼育中。オスの「マキャベリ」と、お母さんの「エマニュエル」、そしていしかわ動物園(石川県能美市)からやってきたメス「モモ」が展示されていますよ。

旭山動物園/ブラッザグェノン(2017年撮影)(C)旭川市旭山動物園


ブラッザグェノンは気性が少し荒いため、たまにアビシニアコロブスを追いかけることがあるようですが、ちょっかいを出すくらいでケンカにはならないそう。一方、アビシニアコロブスは平和主義者で、木の上で休んでいることが多いのだとか。見た目の違いはもちろん、こういった行動から性格の違いを観察してみるのも面白いですね!

一見「ケンカしたりしないの?」と不安になる、同居生活。ただ、野生ではそれぞれの生活スペースに仕切りなんてのは無いわけですから、「同じ空間で暮らす」ほうが彼らにとっては自然なことなのかもしれませんよね。

※写真提供:旭川市旭山動物園

旭川市旭山動物園 ■開園期間:夏期開園4月28日(土)~11月3日(祝)  ■時間:夏期開園9:30~17:15(入園は~16:00)、10月16日(火)~11月3日(祝)は9:30~16:30(入園は~16:00) ■住所:旭川市東旭川町倉沼 ■電話:0166・36・1104 ■料金:大人820円、中学生以下無料

出村聖子

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