『未来のミライ』上白石萌歌インタビュー「4歳って全然子供じゃなかったですね」

東京ウォーカー(全国版)

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細田守監督最新作『未来のミライ』で、不思議な体験を通して成長する4歳の男の子・くんちゃんを演じた上白石萌歌。作品や作品の舞台にもなっている三浦海岸について、彼女に話を聞いてみた。

【写真を見る】「4歳の声に近づけるように工夫はしたんですけど、基本的にはあまり作り込まないように演じました」


青年が駆る馬での疾走がいちばん印象に残ったシーン


―ミライちゃん役のオーディションを受けに来たところ、くんちゃん役も演じてみてほしいと言われて主役に抜擢されたそうですね。

上白石:マネージャーさんから連絡が来て結果を知ったんですけど、最初はくんちゃん役をやるとは思ってなかったのでびっくりしました。でも、オーディションではくんちゃんの方が手ごたえがあった気がします。

―4歳の男の子を演じるのは難しかったと思います。自分なりに心がけたことはありますか?

上白石:そうですね、すごく挑戦だなと思いました。収録に入る前に、保育園に行って4歳の子と遊ぶ機会を作りました。フォトグラファーの友達がいるんですけど、たまたまその子が自分の卒園した幼稚園に恩返しで卒園写真を撮りに行くというので、同行させてもらいました。ちょうどタイミングがよかったです(笑)。公園に行って皆で駆けっこをしたり、一緒に遊んだりしました。

4歳の子と話をすると、わりとしっかりしゃべるし、受け答えもちゃんとしてるんですよ。自分が思っていたよりも大人というか、全然子供じゃなかったですね。「そんなに若作りしなくていいんだな」と思えたのがすごく大きな収穫でした。4歳の声に近づけるように工夫はしたんですけど、基本的にはあまり作り込まないように演じました。

―細田監督からの演技指導や、アフレコ時のエピソードがあればお聞かせください。

上白石:私は「声優さんって職人みたいだな」と思っていて。声優のお仕事は初めてだったのですが、監督が上手に指導してくださったので、自然体でお芝居ができたかなって思います。

―声だけで演じるというのは、やはり女優のときの芝居とは違いますか?

上白石:全然違いますね。普段は表情や体を使って表現するので、それを一切なくして声だけになると思ったように表現できなくて。なので、なるべく自分の出したい感情と声が同じようになるように、テイクを重ねるごとに研究して、どうやったらキャラクターと一体化できるかをすごく考えていました。

―今回周りは星野源さんをはじめ、声優さんよりも役者さんの方が多いアフレコでした。

上白石:そうなんですよ。でも声優さんもいらっしゃって、本当に声の演技がすごいんですよ。俳優さんと声優さんが起こす化学反応というのがすごくおもしろかったです。お互いに知らないことや得意不得意があるので、役者としての違いについて話したりしていました。

―ちなみに青年役の福山雅治さんとのアフレコは別撮りだったのですか?

上白石:一緒でした。唯一、役所広司さんとは別撮りで。役所さん以外の方とは一緒にアフレコしました。

―先日監督とともにカンヌ映画祭に行かれたそうですが、そこで初めて映画の完成版が公開されました。雰囲気はいかがでしたか?

上白石:実は私も監督もスタッフの方も、カンヌ映画祭で初めて完成版を観たんですよ。だから皆、始まる前はすごくドキドキしていました。でも、海外の方ってすごく反応がよくて、映画の最中に笑いが起こったり、すごく素直な反応をいただけたのでうれしかったです。初めてがカンヌですごくよかったなと思います。

―カンヌでの監督との印象深いエピソードはありましたか?

上白石:カンヌでは監督を含め、基本毎晩皆さんとごはんを食べに行きました。監督と一緒にカキを食べたりお肉を食べたり、そういう時間が楽しかったです。

でも、カンヌで過ごしたことよりも私は監督と一緒に過ごしたということ自体が楽しくて、すごく幸せでした。監督の観た映画の中でいちばんよかった作品のお話や家族のお話、大好きな監督作品のいろんな逸話などを聞かせていただきました。

―『時をかける少女』(2006)など、過去の監督作品はご覧になっていたのですか?

上白石:全部観てます!新作が発表されるたびに劇場に足を運んでいました。これまでアニメや漫画にすごくはまったことはないんですが、なぜか監督の作品は観ていたんですよ。

『バケモノの子』展に行ったときに、入場券を買ったら映画のフィルムシートがもらえたんですけど、それをすごく大事に本に挟んでいました。『サマーウォーズ』(2009)の陣内家に移動するときのバスの中という、すごいマニアックなシーンでした(笑)。

―ちなみに『未来のミライ』を除き、監督作品の中でいちばん好きな作品は何ですか?

上白石:『おおかみこどもの雨と雪』(2012)です。サントラも買いました!

物語のロケ地となった神奈川県・三浦海岸で乗馬体験する上白石萌歌


―劇中に三浦海岸が舞台のシーンがあり、今回実際にロケに訪れました。一日を振り返っての感想をお聞かせください。

上白石:私、映画の中で特に青年とくんちゃんが出会うシーンが好きで。最初に映画を観終わった時にいちばん印象に残ったシーンなんです。あの場面の疾走感や勢いがとても好きで、あの出会いを経てくんちゃんがお兄ちゃんになっていくというところで、すごく印象深いんです。

監督もロケハンで三浦海岸に来たと伺ったので、その時点ですごく興奮していて。ここに来て馬に乗ったりするなかで、監督は何を感じたんだろうなとかそういうことを考えるのが、すごく楽しかったです。

―今回三浦海岸をいろいろ回りましたが、映画が公開されたら「ここに来たい!」と考えるファンも多いと思います。その方たちへのアドバイスがありましたら教えてください。

上白石:舞台巡りですね(笑)。びっくりしたことがあって、映画では乗馬からバイクでのツーリングに変わるシーンがあるんですよ。今回のホーストレッキングファームの隣に車やバイクの修理工場があって「ああ、そういうことかも!?」と思ったんです。そこから監督はインスピレーションを受けてああいう演出にしたのかなと思ったので、今すごく監督に聞いてみたいです(笑)。

細田守最新作『未来のミライ』で4歳の男の子・くんちゃんを演じる上白石萌歌


ウォーカープラス編集部

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