影山貴彦のテレビのホンネ。「男気あふれるさんま、やっぱりカッコいい!」

関西ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

全国ネットの番組と顔つきが違う。さんまが重きを置く「ホームグラウンド」


タレント間、スタッフ間、あるいはタレントとスタッフの間での衝突が時に芸能ニュースを賑わすことがある。私は、それもこの業界の魅力のひとつと考える。確かにあまりにヒドいもめ事は困るが、逆に言うと人間らしさを感じ、親しみを覚えることも少なくない。

先日、明石家さんまが34年ぶりにテレビ東京の番組に出演した。「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」だ。

80年代初め、テレビ東京で最高の人気を博していた「サタデーナイトショー」の司会を務めていたのがさんまだった。だが、「お色気番組がトップとはいかがなものか」というテレビ東京上層部の判断で、番組は突然打ち切りになったのだ。それに納得しなかったさんまが、その後一切テレビ東京の番組に出演しなくなったという話は、「都市伝説」として語り継がれていた。

「充電~」でバイクを走らせながら、さんまは出川に「都市伝説」を自らの口で語った。出川との関係があったからこそ出演を決めたという。演者と局の長年の軋轢がベースにあり、その雪解けが実現する。エンタの世界として最高の流れだ。番組は過去最高の視聴率を獲得した。

そんな「男気」で仕事をするさんまがホームグラウンドにしているテレビ番組が、「痛快!明石家電視台」(MBS)だろう。良く見れば気づかれる読者もいるだろうが、全国ネットの番組と「明石家~」で、さんまの顔つきは違う。「明石家~」の方が、表情が柔らかい。スタッフ、共演者との人間関係もこの上なく強固だ。

「MBSヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)では、さんまのストレートな感情を吐露し、それがネットニュースになることも目立つ。こうした番組は、まさに彼の「ホーム」なのだ。さんまの数多くの魅力のひとつは、それに重きを置くことにある。明石家さんま、やっぱりカッコいい。

元毎日放送プロデューサーならではの視点で語る影山氏


【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

影山貴彦

この記事の画像一覧(全1枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

お花見ガイド2024

お花見ガイド2024

全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!

CHECK!今が見頃の花見スポットはこちら

ページ上部へ戻る