埼玉B級グルメ界の新キング「キューポラ定食」とは?

東京ウォーカー

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11/24(祝)、埼玉県川口市で第3回「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」が開催された。優勝したのはホームである川口市の「キューポラ定食」。第1回大会優勝の深谷市「煮ぼうとう」や、第2回大会優勝のさいたま市「豆腐ラーメン」など、並みいる強豪を押しのけての栄冠だ。しかし、そもそもキューポラってなんだかわかる?

川口市は、吉永小百合が主演を務めた「キューポラのある街」(日活・1962年公開)の舞台にもなった鋳物の街。キューポラとは、鋳物をつくるために鉄を溶かす溶銑炉のことだ。いまでこそ少なくなったが、鋳物工場の屋根から伸びるキューポラ(鉄の溶解炉)は、川口市の原風景。今大会のために考案した「鉄骨いなり」と「雷すいとん」は、そのイメージにピタリとはまったのだ。

「鋳物工場の敷地内には、古来より火伏せの神としてお稲荷様をお奉りしているんです。『鉄骨いなり』は鋳物工場のお稲荷様と、“鉄”のイメージから、鉄分を多く含有している干しひじき、桜えび、白ゴマ、にんじんなどを加えました」とは、メニューを考案した桜井道子さん。「雷すいとん」は、「だご汁」(安行地区などで里芋などの野菜と団子を煮たものを言う)をアレンジしたもの。鶏ひき肉と一方には七味、もう一方には小松菜を練りこみ、赤と緑の団子を作った。「緑色を出すのにいろんな食材を試して、小松菜が一番しっくりきたんです。栄養バランスがよいことと、手にはいりやすい食材を使用することにこだわりました」(同)。

地元B級グルメでは、地場産の食材を使った料理や名物などを使用することはよくあるが、イメージの“鉄”と“栄養を多く含有する食材”を使用するのは珍しい。「前回は開催地のメニューが優勝していたのでプレッシャーもあったけど、試食会で知事や市長に『キューポラ定食』が大好評で。それが自信になりましたね」(同)。記者も食べたが、味噌と稲荷の甘味と、七味・一味のピリ辛のバランスが絶妙だ。また、品数に対して使用されている食材が圧倒的に多く、彩り豊かな点も好印象。なにより“栄養”に着目したアイデアが秀逸だった。

グルメ王決定戦は、県内各地の歴史や文化に根ざした“ご当地グルメ”を誕生させ、地域活性化を目的に07年スタート。優勝するとサークルKサンクスの「商品化」権がもらえるとあって、第3回目となる今大会には初登場10グルメも含め、17市3町から過去最多の21グルメが登場した。来場者数も過去最高の約3万5000人を記録。ただ、サークルKサンクスで商品化される予定はあるものの、時期は未定。「残念ながらいまのところ「キューポラ定食」を食べられるお店はありませんが年内にはレシピを伝授して食べていただけるお店を作りたいと思います」(川口市商工課・川上富雄氏)。

あなたも、懐かしくて温かい「キューポラ定食」をいつか、ぜひ。【東京ウォーカー/荒木紳輔】

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