【本誌連載の拡大版】バスケットボールの若き雄、石崎巧インタビュー(1)
横浜ウォーカー
北京オリンピックは残念ながら出場できなかった日本男子バスケットボール界を担う司令塔的な役割を担うPG(ポイントガード)であり、これまでになかった長身も武器。大学時代を含めて神奈川歴6年目の石崎炊巧選手の登場です。
――今シーズンをここまで振り返ってみると。
「いまのところはチームの形というものをまだ少し模索状態というか、完成された状態ではなく、練習を含めて作り上げていっている状態です。そういう中での試合で苦しい状態というのもありますけど、8勝8敗の4位につけているのはチームとしては悪くないのではないかな、と。これから修正していけばよくなる点があるので、調子を上げていけばもっといい試合ができるかな、と思っています」
――実際にトヨタ自動車やアイシンといった去年の上位チームと対戦してみてどうでしょうか。結果は惜敗でしたが。
「上位のチームにはまだ勝っていないんですけど、去年よりはいい試合ができているというか、手ごたえを感じている部分が多いので。去年とはまた違った試合ができているので、これからの僕らの努力次第でどうにでもなると思っています」
――石崎選手自身はどのようなプレーでチームを引っ張っていくのでしょうか。
「チームが勝つことが一番なので、自分の持ち味を生かすのもすごく重要ですけど、それよりもその試合の中で何が必要なのかをいかにチームに意識させるのかが司令塔、つまりガードとしての役目だと思っているので。その意味では、試合の状況ごとに何が重要なのかということを早く見つけて、みんなに伝える。それを意識しています」
――ポイントガードでいながら得点も非常に多いのが石崎選手です。私がイメージするポイントガードは人気漫画『SLUM DUNK』の宮城リョータなんですけど(笑)。つまり、小さいけどスピードとクイックネスが抜きん出ていて、得点よりもアシストがメーンの仕事というイメージなんですけど。
「(「SLUM DUNK」と聞いて笑いながら)最近は日本人のポイントガードでも点を取るし、アメリカや世界に目を向ければ、ポイントガードでも点を取ることができない選手というのはやはり成功しないんですね。もちろん毎試合点を取る必要ないんですけど、取らなきゃいけない状況になれば点を取ることができるというのは、いまのバスケットにおいてはポイントガードとして必要最低限の条件なので。なので、僕が点を取っている試合というのは試合の中で周囲が点を取りづらい状況であり、もしくは僕が点を取りやすい状況であり、その中で点を取りに行った結果だと思います」
――アシストに目を向ければ、12/4現在の日本バスケットボールリーグのランキングでは1試合平均3.19アシストで7位ですね。
「何て言うんですかね…僕の考えでは、チームが組織的に回っている時はポイントガードがアシストをする機会というのはあまりないと思うんです。ポイントガードが得点できる状況を作り、センターやフォワードの選手が切れ込んだところにまたほかの仲間が合わせる。僕が作ったワンプレーだけでプレーが完成するほど簡単なものではないと思うので、その意味ではそこまでアシストの数にはこだわっていないですね」
――となると、個人としてこだわりたいのは。
「今シーズンはチーム全体的に得点という面であまり高い数字を残せていないので、しばらくは得点に重点を置いてプレーをしていきたいかな、と思っています」
――では、最も得意にしている得点パターンは。
「得意というのはあまりないですけど…何でしょうね。身長(1m88)が日本のポイントガードの中では大きい方なので、ドリブルで中に切れ込んで入っていってから打つこともありますし、スリーポイントも打ちますし。状況の中で一番いい方法を選択して、一番確率の高いシュートを打つようにしています」
――となると、「SLUM DUNK」の登場人物の中でお気に入りなのは。
「あまりスピードがない方だったので、宮城リョータではなく、海南大付属高のポイントガードの牧伸一郎ですね(笑)。ただ、僕自身は理想としているポイントガードなどといったものはあまり作らないので。自分の理想とするのは、試合の状況ごとに必要なプレーができるポイントガード。対応力のあるポイントガードを目指しています」
――臨機応変、七変化という感じですね。
「あとは、観ていておもしろいのはたまに上手なパスが出るところかな(笑)。ちょっとバスケットを知らないと何をしているのかわからないポジションなんですけど、観ている人が『オオッ』と言ってくれるような長いパスだったり、これは通らないだろう、というようなところへパスを通したりすることがたまにあるので(笑)」
……(2)に続く
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