最古の温泉や茶の湯文化、歴史にふれる松江へ!写真に残したくなる1泊2日ひとり列車旅
関西ウォーカー
松平不昧公がはぐくんだ茶の湯文化で知られる島根県松江。その文化と共に、茶器や民芸の歴史も深い場所には100以上の窯元があるそう。ここでは、島根ならではの器を求め、多彩な民芸品を扱う店を訪れてみたい。また、名物の丼や宍道湖の風景なども満喫したあとは、玉造温泉まで足を延ばし、旅の疲れを癒そう。
温泉地をあとにする前に、玉造の歴史ある窯元にも足を運ぼう。個性あふれる器も玉造のおみやげにしたら、松江まで戻り、町のシンボルであり国宝の松江城で散策を。城の周辺の小さな茶屋で一服したり、名工の鮮やかな手つきで作られる華麗な和菓子を堪能すれば、旅の最後まで茶の湯や民芸の文化を楽しみ尽くせるはず。1泊2日かけて、松江を満喫するモデルコースをご紹介。<※情報は関西ウォーカー(2018年9月11日発売号)より>
<1日目 12時>季節の風 藏(くら)
米穀店を営むご夫婦が「おいしいお米を食べてもらいたい」と始めた丼メインの食事処、季節の風 藏。奥出雲産のコシヒカリに、宍道湖で採れた肉厚のプリッとしたシジミを合わせた定番の丼は、シジミの旨味が上品に感じられる逸品!

「大量のシジミを煮立てて作るダシをベースに味付けをした丼は、旨味が凝縮。大葉やゴマもアクセントになっているので飽きずに食べてもらえます」と、店主の小竹原正紀さんと奥様の能子さん。
■季節の風 藏(くら)<住所:島根県松江市東本町1-64 電話:0852-21-2270 時間:11:30~14:30(LO) ※夜は予約時のみ営業 休み:水曜 座席:54席 タバコ:禁煙 アクセス:JR松江駅より市バス(法吉ループ)松江駅行で約5分、大橋北詰より徒歩2分>
<1日目 13時30分>objects
学生時代に旅先で偶然出合った焼物に魅了されて以来、陶器が大好きになった店主の佐々木さん。陶器マニアの店主が「カッコイイ!」と直感で選んだ作品を配する店内は、一つ一つの器の美しさが際立つこだわりの空間に。

存在感抜群の民芸品が多彩。

「店内で不定期に、気になる作家さんの企画展示を行っています。9月17日(祝)までは、素朴さの中にも木の温かみがある、京都出身の佃 眞吾さんの作品を展示しているのでぜひ!」と、店主の佐々木 創さん。
■objects<住所:島根県松江市東本町2-8 電話:0852-67-2547 時間:11:00~19:00 休み:不定休 アクセス:JR松江駅より徒歩13分>
<1日目 14時30分>島根県立美術館
宍道湖の湖畔に立つ島根県立美術館。“水との調和”をコンセプトに、水に関する絵画や写真などを展示する。島根にゆかりある作家の作品など、6700点以上の所蔵品のほか、屋外にあるユニークな8つのパブリックアートにも注目を。

真新しい技法で描かれた日本画家の作品も目を引くが、洋画展示も名作ぞろい。

■島根県立美術館<住所:島根県松江市袖師町1ー5 電話:0852-55-4700 時間:3から9月10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)、10から2月は10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで) 休み:火曜(祝日の場合翌日) 料金:観覧料300円(企画展は別途料金) アクセス:JR松江駅より市バス(南循環)で約6分、県立美術館前からすぐ>
<1日目 16時>玉造アートボックス
玉造温泉のおみやげショップやカフェが集合する複合施設。美肌をテーマにしたスイーツを販売する美肌マルシェや人気カフェのmamecafeほか、地元で活躍する作家のものを集めた雑貨店など多彩なショップがそろう。

ロールケーキ生地を使い、ボーロみたいな食感。“カラダの中からキレイに”をコンセプトに、食物繊維豊富なキラキラ玄米を入れたスイーツをそろえる美肌マルシェ。女性が手に取りたくなるパッケージデザインと、お菓子のヘルシーさにも定評が。時間は9時から19時。

“ココロが喜ぶもの”を基準に、地元の食材を使ったランチやスイーツが人気のmamecafe。森の中でのピクニックをイメージした懐かしさあふれる店内には、心地いい時間が流れる。時間は9時から18時。
■玉造アートボックス<住所:島根県松江市玉湯町玉造1241 電話:0852-67-5050 時間:9:00~19:00 休み:木曜 アクセス:JR玉造温泉駅より徒歩5分の入口から一畑バス玉造温泉行で約5分、温泉下から徒歩1分>
<1日目 17時>玉作湯神社
勾玉と温泉の神様を祀り、1300年の歴史ある玉作湯神社。不思議な力を持つ願い石は、触って祈れば願いがかなうと伝えられ、温泉街のパワースポットとして人気を集めている。お祈り後には、願い石のパワーをお守りにして持ち帰ろう。

縁結びで知られる玉作湯神社で良縁祈願も忘れずに。

願い札に願いを書いて納入箱に納め、叶い石を袋に入れて持ち帰ろう。
■玉作湯神社<住所:島根県松江市玉湯町玉造508 電話:0852-62-0006 時間:参拝自由 休み:なし 料金:参拝無料 アクセス:JR玉造温泉駅より徒歩5分の玉造温泉入口から一畑バス玉造温泉行で約7分、玉造温泉から徒歩3分>
<1日目 18時>玉造グランドホテル 長生閣
創業から200年以上の歴史ある旅館、玉造グランドホテル 長生閣。メノウが敷き詰められた美しい大浴場で、美肌効果のある玉造温泉の湯を満喫しよう。また、玉造温泉街では珍しい1人の夕食付き宿泊プランも用意しているので、女性のお一人様も多い。

神話に基づいて3種の天然石・メノウがちりばめられている内湯が神秘的。

■玉造グランドホテル 長生閣<住所:島根県松江市玉湯町玉造331 電話:0852-62-0711 時間:IN15:00から、OUT10:00まで 休み:不定休 料金:1人1室(1泊2食付き)1万7820円から ※プランにより異なる アクセス:JR玉造温泉駅より車で10分(無料送迎サービスあり)>
<2日目 10時>湯町窯
大正時代に開窯し、100年近く日用食器を作り続ける湯町窯。ぼってりした形と、イギリスの陶芸家、バーナード・リーチが伝えたスリップウェアの技法で付ける花柄や波線が特徴的。温かな色合いと愛らしい模様に思わず一目惚れ。


「先代のころより、毎日の食卓で使いやすい器作りを大切にしています。リーチ先生から指導を受けたハンドル(持ち手)を付けた多彩な作品も手に取ってみてくださいね」と、3代目の福間琇士さんと4代目の福間庸介さん。
■湯町窯<住所:島根県松江市玉湯町965 電話:0852-62-0726 時間:8:00~17:00(土日祝は9:00~17:00) 休み:なし アクセス:JR玉造温泉駅より徒歩1分>
<2日目 11時30分>松江城
島根・隠岐の大守だった堀尾吉晴によって、1611(慶長16)年に築城された松江城。天守は、彦根城と同じく附櫓を設けた複合式望楼型で、全国に現存する12天守の一つ。山陰で唯一保存された松江のシンボルであり、2015年に国宝に指定された。

千鳥が羽を広げたような天守の破風の形から千鳥城との別名も。
■松江城<住所:島根県松江市殿町1-5 電話:0852-21-4030(松江城山公園管理事務所) 時間:9月30日(日)まで8:30~18:30(登閣最終受付18:00) 休み:なし 料金:登閣料670円 アクセス:JR松江駅より市バス・レイクライン(循環)約10分、大手前から徒歩1分>
<2日目 12時30分>へるんの小径
松江城公園内にある茶屋、へるんの小径で松江ならではのお茶とお団子を味わおう。名物のぶぶだんごは、注文が入ってから炭火でじっくり焼き上げるので、ふっくら柔らか。団子と一緒に島根ならではの、ぼてぼて茶も楽しみたい。

白、草の2種の団子にあんこと味噌を好みでトッピング。

■へるんの小径<住所:島根県松江市殿町488 電話:0852-23-2008 時間:10:00~16:30(LO) 休み:水曜、木曜、不定休 座席:11席 タバコ:禁煙 アクセス:JR松江駅より市バス・レイクライン(循環)で約16分、小泉八雲記念館前から徒歩5分>
<2日目 13時30分>田部美術館
茶の湯に親しみ島根の文化人として活躍した、第23代田部長右衛門が創設した田部美術館。約600年にわたり田部家が収集した美術品のなかでも、茶道具など、茶道に関するものを中心に展示する。茶人大名の不昧公ゆかりの品も所蔵。

季節ごとにテーマを決めて茶道具を取り合わせて展示する人気コーナーも必見。
■田部美術館<住所:島根県松江市北堀町310-5 電話:0852-26-2211 時間:9:00~17:00(最終入館16:30) 休み:月曜(祝日の場合開館) 料金:大人620円 アクセス:JR松江駅より市バス・レイクライン(循環)で約16分、小泉八雲記念館前から徒歩1分>
<2日目 14時30分>神代そば
創業から自家製粉と生粉打ちのそばにこだわる老舗、神代そば。十割そばを松江で最初に始めたという伝統的なそばの豊かな香りとコシの強さを味わって。島根に伝わる料理酒の地伝酒が入った香り高いツユがそばの味をさらに引き立てる。

「1952(昭和27)年に創業して以来、変わらぬ製法で十割そばを提供し続けています。つなぎを使わないため延びやすいので、できたてをおいしく食べてくださいね」と、店主の佐藤博志さん。
■神代そば<住所:島根県松江市奥谷町324-5 電話:0852-21-4866 時間:11:00~15:00 ※売切れ次第閉店 休み:水曜 座席:40席 タバコ:禁煙 アクセス:JR松江駅より市バス・レイクライン(循環)で約16分、小泉八雲記念館前下車すぐ>
<2日目 14時30分>喫茶きはる
松江歴史館内に店を構える喫茶きはるでは、現代の名工・伊丹さんが作る宝石のようにあでやかで華麗な和菓子をぜひ。形だけでなく、和菓子に旬の果実を使って季節が感じられるように仕上げているのも斬新。抹茶と共に味わってみて。

芸術品のような美しい和菓子をぜひ。

「月のなかでも上旬、中旬、下旬で商品を変えるため、その時期だけの上生菓子を味わっていただけます。また、抹茶に合うようにあんこは栗を入れて甘さを加えているのもこだわりです」と、現代の名工 伊丹二夫さん。
■喫茶きはる<住所:島根県松江市殿町279(松江歴史館内) 電話:0852-32-1607 時間:9:00~17:00(LO16:30) 休み:第3木曜 座席:約60席 タバコ:禁煙 アクセス:JR松江駅より市バス・レイクライン(循環)で約13分、大手前堀川遊覧船乗場・歴史館前より徒歩3分>
関西ウォーカー編集部
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