影山貴彦のテレビのホンネ。「雨上がりのフォトぶら」 紹介されぬ名所に興味
関西ウォーカー
ガイドブックには決して載っていない、地元の人が自慢にしているスポットへ

元来あまのじゃくな人間だ。メディアが紹介する「おすすめスポット」とは距離を置き、「自分だけが知っている」おもしろいところを探そうと力を注ぐのがボクの定番の行動パターンである。もちろん、「自分だけ」ということはありえないわけだし、いわゆる街の「秘境」に常にこだわっているわけではない。「ベタ」なところへももちろん足を運びはする。
旅行に行っても、ガイドブック片手に定番を押さえなければ気が済まない人がいる。それはそれでいい。だが、ボクの場合は、いかにメディアに紹介されていないスポット、人との出会いをすることができるか、を旅の楽しみに据えている。
そんなボクのような人間の欲求を満足させてくれるのが、「雨上がりのフォトぶら」(カンテレ)だ。ガイドブックには決して載っていないけれど、地元の人たちが「自慢」にしている「わが町スポット」が、必ずある。その情報を1枚の写真とともにいくつか受け取った出演者たちは、自分たちの独断でそれらのうちどこを目指すかを決め、実際に訪れるという番組だ。もちろん訪れるのは、常に関西エリアである。それがいい。
レギュラー出演者は、雨上がり決死隊(宮迫・蛍原)とアジアンの馬場園だ。彼ら3人に週替わりのゲストが加わり、オールロケで番組は進んでゆく。スタッフの努力も大きいのだろう、確かに全く知らなかった場所もしばしば登場する。
出演者の独断で、訪れる場所を決めていると記した。そのため番組上、写真では紹介されながら、実際には行かぬまま終わってしまうスポットが毎回いくつもある。そのちょっとしたモヤモヤ感が、今クセになっている。テレビで紹介されてしまうと、そこはたちまち「有名な場所」となる。紹介されているようでされなかった名所に思いを馳せるのも楽しいものだ。

【著者プロフィール】かげやまたかひこ/同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
影山貴彦
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