ミルクは先or後!? イギリス流“極上ミルクティー”のいれ方3か条
東京ウォーカー(全国版)
「ミルクティーに入れるミルクは先か後か?」紅茶の国・イギリスでは、ミルクを注ぐタイミングに関したこの論争が130年もの間続けられていたが、2003年、権威のある英国王立化学協会が「ミルクが先」と発表したことでついに決着。以来、世界中でミルクを先にいれる方法“ミルクインファースト”が広まっているという。
とはいえ、日本では“後からミルク”がまだまだ多い印象だ。「ミルクが先か後か」で何がどう違ってくるのか気になる記者は、さっそく紅茶研究家・磯淵猛氏を直撃! “ミルクインファースト”を実践した、極上ミルクティーのいれ方を教わり、その味を確かめてきた。
■【STEP1】「まずは酸素たっぷりのお湯を沸かそう!」
自身で紅茶専門店を経営する同氏は、「ミルクティーを作るなら、まず“ブラックティー”をしっかりいれること」とアドバイス。このブラックティーとはいわゆるストレートティーのことだが、いれ方次第では、味や香りの弱い、薄い色のちょっと“残念な紅茶”にも…。これを極めることが極上ミルクティーへの第一歩なのだ。そこで、「“酸素をたっぷり含んだお湯”を用意しましょう」と磯淵さん。まずは、新鮮な水を勢いよくやかんに注いで酸素を含ませ、沸騰直前の95〜98℃ぐらいまで加熱。湯の表面が白く泡立ってきたら火を止め、温めておいたティーポットの中にまた勢いよくお湯を注げばOK! 茶葉は、お湯を入れる直前にポットに入れるのが正解だ。(※ティースプーンで山盛り1杯or軽めに2杯が1人分の茶葉。ミルクティーは多めに)
■【STEP2】「“ジャンピング”が味と香りの決め手!」
お湯を注いだとき、ポットの中で、茶葉が上下に上がったり下がったりする運動を“ジャンピング”というが、これが重要。お湯の中に十分な酸素があることと、お湯に対流が起きるほど高温であることが求められる。ティーポットにお湯を注ぐと、泡と茶葉は一旦、一緒に浮上。その後ポット内で茶葉が上下運動し、最終的にすべての茶葉が底に沈めばOKだ。これが成功した時は、ティーの色が濃く、味や香りがしっかりとしたものに。失敗すれば上述した“残念な紅茶”になってしまうのでご注意を。
■【STEP3】「常温のミルクに紅茶を注ぐ!」
そしていよいよミルクを注入! ブラックティーをポットで蒸らしている間に、ティーカップにも熱湯を入れ、2〜3分放置。その後お湯を捨てたら、温かくなったカップに低温殺菌のミルクを注ぎ、常温に調整しておこう。注ぐ量は20~30cc。かなり多めに感じる量だ。さらに、茶葉をこしながら、濃い目に作ったブラックティーをミルクの上から注いでいく。常温のミルクと混ざるとぬるくなってしまいそうだが、9分目まで注ぐことでHOTな状態をキープ! 熱く、香りよく、口切れのさわやかなミルクティーが完成する。
ちなみに、ミルクを先に入れるのは、タンパク質の熱変性を抑え、さっぱりとしたイングリッシュミルクティーに仕上げるため。低温殺菌牛乳を使用した理由も同じで、加熱処理の過程で起こるタンパク質などの熱変性が少ないからだ。チーズやバター、クリームなど乳脂や脂肪を含むフードをよく食べるイギリス人は、それらを食べた後に“口内をさっぱりさせてくれる飲み物”としてミルクティーをチョイスすることが多いそうで、さっぱり感のある低温殺菌牛乳を使用することは、本場の味に近づくため必要不可欠なのだ。
実際記者は、普段のスタイル通り、熱々のブラックティーに冷たいミルクを後からプラスしたティーも試飲。すると、口の中にミルクのネットリ感が残り、“ミルク臭”も…。さらに“残念な (失敗版)ブラックティー”や、クリームを使用したミルクティーを飲んでみたが、低温殺菌牛乳を使用して丁寧にいれた“ミルクインファースト”のミルクティーのスッキリ感は格別だった。ギトギトした濃いメイクをオイルでクレンジングするように、こってり甘いケーキを食べた後に“ミルクインファースト”のティーを飲めば、口に残った食べ物の味や香りを不思議なことにスッと消してくれたのだ。「これならケーキの次のひと口もヘビーでなく、楽しみになりますよね」と磯淵さん。皆さんもぜひ、イギリス流のこの本格的なミルクティーをいれて、ティータイムを堪能してみてはいかが? 【東京ウォーカー】
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