映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」で映画初主演! 杉咲花「とにかく樹のことをただ真っ直ぐに思い続けることに集中しようと思いました」
東京ウォーカー(全国版)

事故に遭い、車イスに乗る生活を送りながらも建築士として前向きに生きる主人公・鮎川樹。そして強くて優しい樹に惹かれ、全力で支えようとする健気なヒロイン・川奈つぐみ。大切な人に出会い、今を一緒に生きられることの大切さを感じた二人のラブストーリー「パーフェクトワールド 君といる奇跡」が10/5(金)に公開される。岩田剛典さんとのW主演で、ヒロインを演じる杉咲花さんに、作品の見どころなどを聞いた。

―映画初主演作となる「パーフェクトワールド 君といる奇跡」が間もなく公開されます。
「はい。映画初主演作ではありますが、私の中ではそれがプレッシャーになったわけではなく、もともと、作品に携わらせていただくことにとにかく喜びを感じていますので、主役であることは私にとって特に重要なことではなく、それよりも、また新たな作品に携わらせていただけるといううれしさの方が大きかったですね」
―どの作品に対しても、同じ気持ちで向き合っているということですね。
「はい、そうです」

―この作品の台本を読んでどう感じましたか?
「樹とつぐみの恋愛が描かれていますが、それだけでなく、樹を通して、命の大切さなど、ラブストーリー以上のものを感じられる作品になっているんじゃないかと思いました。樹には障がいがありますが、『いつ何が起こるかわからない』というのは誰にでも言えることだと思うんです。実際、映画の中でつぐみが命の危険にさらされる場面もありますし。だからこそ、今、大事な人に言いたいことをちゃんと伝えたいなと感じました」
―二人は高校生の時に出会うわけですが、つぐみは樹のどういうところに惹かれたのだと思いますか?
「私は一目ぼれしたんだと思っています。部活でバスケをしている姿とか、かっこいいと思ったのかなと感じています」
―“出会いは最悪だった”と劇中のナレーションではいっていましたが。
「最悪と言っていますが、あんなに顔を近づけられたら、きっとドキッとしたと思います(笑)」
―社会人になって再会を果たしますが、その時はどういうところに惹かれたんでしょうか。
「つぐみは真面目な女の子だと思うんです。建築士になった樹の一生懸命な姿に刺激を受けて、再会できたこと自体に運命を感じたりして、そこで想いが膨らんだのかなって」

―つぐみを演じてみて、杉咲さん自身と似ていると感じた部分があれば教えてください。
「つぐみは結構自分に近いと思いました。私も思ったことを後先考えずに言ってしまったりするので、そういうところに共感できました。それがいい方向にも悪い方向にも行くことがあるのですが(笑)」
―つぐみを演じる上で、気をつけたことはありますか?
「最初は、ラブストーリーに対してキュンキュンしたい方も多いと思いましたので、ヒロインのつぐみが可愛く見えないといけないのではないかという思いが自分の中にありました。でも途中で、それを意識し過ぎるのは違うかもと気付いたんです。カメラマンさん、照明さん、メイクさん、衣装さんなど、スタッフの方それぞれがどうすればつぐみが可愛く見えるかを常に探していただいていたので、それに委ねてもいいのかなと思いました。もっと気にするところ、例えば、とにかく樹のことをただ真っ直ぐに思い続けることに集中しようと思うようになりました」

―お任せするところと、自分がやるべきところの区別を。
「はい。あと、これまで学生の役は多かったのですが、今回は社会人を演じるのも初めてでした。もともと幼く見られがちなので、24歳の役を演じるに当たって、最初の本読みの時に、自分なりに大人っぽく演じてみたのですが、柴山(健次)監督が『つぐみは天真爛漫でいいと思いますよ』とおっしゃっていて、『元気で明るくていいんです』ということだったので、年齢もそこまで意識しなくてもいいのかなと思いました」
―柴山監督とは撮影中にいろいろ話し合ったりしていたのですか?
「そうですね。監督は相談に乗ってくださるというか、一緒に考えてくださる方です。撮影中、今までにないくらいとにかく話し合いをしました。岩田さんと監督と私の3人でとか、カメラマンさんを含めてとか。1つのシーンに1時間以上かけて話し合いをしたこともありますが、『みんなで映画を作っているんだ』という感覚になって、とても贅沢な時間だと感じましたし、楽しかったです。柴山監督はロマンチストなんだと思いました。『流れ星が消えないうちに』という作品も観させていただきましたが、ロマンチックに感じるシーンが多かったです。今回だと、図書室の中で樹がつぐみに近づいていくシーンにすごくこだわられていました」

―ほかに、杉咲さんが印象的だと思った撮影中のエピソードを教えてください。
「観覧車のシーンが結構大変でした。中が狭くて、入れるスタッフさんの数も限られていて、スペースがなくてカメラも1台しか置けなかったんです。カット割りが多かったので、それを一つ一つ撮るために何度も同じことを繰り返しましたし、しかも、背景が変わるといけないので、観覧車の位置が同じ時じゃないと撮れないということで精神的にもキツかったです。何十周もしました(笑)」
―杉咲さんも岩田さんもすごく集中されていたんでしょうね。
「はい。あと、樹からの手紙を読むシーンがありますが、絶対にいいシーンにしたいと思いましたし、気合いが入りましたね。準備稿の段階ではその手紙の内容を読んでいましたが、決定稿をいただいてからは、撮影するまでそこをテープで止めて絶対に見ないようにして、監督にも『この手紙の部分は本番まで読みたくないんです』とお願いしました。スタッフの皆さんからも、いいシーンにしたいという気持ちが伝わってきて、現場の空気も違っていて、なんとか撮りきることができました。お芝居は一人でできるものではないんだということを改めて感じたシーンでした」

―完成した作品を見た感想を教えてください。
「これまでは家族の物語が多かったので、ラブストーリー自体が挑戦でした。自分がラブストーリーの中にいることに恥ずかしくなりましたし、最初は自分の欠点ばかりが見えてしまって集中して見れなかったり、自身に関しては、正直、悔いが残るシーンもあります。でも、編集や音楽などでそれを補ってもらえていて、うれしく感じました。恋愛は人それぞれ違うので、つぐみの場合は6年以上思い続けていることになりますが、どこまでつぐみの思いを自分の中に入れられるかも私にとっての挑戦でした」
―樹はつぐみにとっての憧れの人でしたが、最後に、杉咲さんが憧れている方を教えてください。
「木村拓哉さんと宮沢りえさんです。木村さんは現場で常に全体を見てらっしゃいますね。後ろにも目が付いているんじゃないかっていうくらいに。スタッフさんやエキストラの方への気遣いなど、自分も見習いたい部分がたくさんありました。りえさんも、ご自身が映っていない時も、私のために目線でお付き合いくださったり、どのシーンも同じ熱量でいてくださいました。とてもキレイでかっこよくて、一人の女性としても憧れています」

撮影=下田直樹 取材・文=田中隆信 ヘアメイク=奥平正芳 スタイリスト=梅山弘子(KiKi)
ウォーカープラス/週刊東京ウォーカー+編集長 野木原晃一
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