影山貴彦のテレビのホンネ。「25年の万博は大阪!? 決まって欲しいなあ」
関西ウォーカー
大阪の選出を心から願いながらも、ライバル都市をしっかりと取材している

1970年の大阪万博当時、生まれていない方も多いだろう。
小学2年生だった私には、少々ほろ苦い思い出がある。2学期が始まり、夏休みの宿題の絵が教室に貼られた。クラスメート達の絵は、ほぼ大阪万博。圧倒的多数が太陽の塔だった。両親が商売で忙しくしており、「万博へ連れてってくれ~!」と言い出しにくかった私は、「あんなもん興味ないから、行きたくない」と強がった。もちろん、本心は別にあったわけだが。
それから16年経った1986年、万博公園からほど近いところにあった放送局に就職することになるのだから、人生は面白い。住まいも長らくその近くにあったので、ほぼ毎日のように太陽の塔を見ることになった。そのたび、教室に貼られた絵のことを思い出した。
2025年の万博の候補地に名乗りを上げている大阪のことを書こうと思いながら、気がつけば、1970年絡みのことを多く綴ってしまった。我ながら熱い。だが当時の日本にとって、それほどのビッグイベントだったのだとご想像いただけたら幸いだ。
さて、どうなる? 2025年の万博! 11月23日に開かれるBIE(博覧会国際事務局)総会の最終プレゼンテーション後、開催地が決定される。が、その割に盛り上がりに欠けると思っているのは、私だけではなかろう。そんな空気の中、9月24日に放送された「ナゾの国に行ってみた!55年ぶりの夢 大阪万博ライバル都市徹底調査SP」は意義深い番組だった。好感を持ったのは、大阪が開催地に選出されることを心から願いつつも、ライバル都市であるロシアのエカテリンブブルク(写真右)とアゼルバイジャンのバグーをしっかり取材し、魅力ある町としてクローズアップしていた番組作りだった。ライバル陣の魅力に触れ、少々不安もある。でも、なんとか大阪に決まって欲しい。
今度こそ行くぞ、万博!(笑)

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
関西ウォーカー
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