みつけだせ!僕らの最高のマネージャー!!「九州大学陸上競技部」

九州ウォーカー

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選手を支えるキラリと光る“最高のマネージャー”を発掘する連載。今回は「九州大学陸上競技部」です。

陸上競技部の練習にお邪魔したのは10月のとある土曜日。広大な敷地が広がる九州大学伊都キャンパス内にある陸上競技場には選手たちが次々と集まってきます。

陸上競技部マネージャー 藤島彩那さん


九州大学陸上競技部


まずは給水をつくる作業をはじめるマネージャーのみなさん。現在、九州大学陸上競技部には部員が80人あまり。マネージャーは1年生3人、2年生2人、3年生が3人在籍しています。今回はその中から農学部で学ぶ3年生、藤島彩那さんにご登場願います。

SD練習の担当は…?


全員がそろったタイミングで主将の伊藤翼さんを中心に円が組まれ、パートごとの課題や連絡事項が報告されます。

陸上競技部主将の伊藤翼さん


陸上競技部の選手たちは、「長距離」「中距離」「短距離」「フィールド」に分かれて練習をしています。藤島さんたちマネージャーは、各パートごとの代表者からその日の練習メニューを告げられ対応していきます。

選手からその日の練習メニューを告げられる藤島さん


この段階で聞き慣れない「SD」という用語が...。どうやらマネージャーの皆さん、「SD」が苦手のようで。担当をジャンケンで決定していました。SD練習とはスタートダッシュ練習のこと。この練習は、走ってくる選手の順番・タイム計測・タイム書記をマネージャー1人で行わなければならず、その管理が大変な仕事だそうです。

「今日のSDは...」


ジャンケンの結果、この日のSD練習担当は2年生の江頭さんに


選手の頃に感じていたことを活かして


ほどなく長距離の練習がはじまり、机を置いて給水のためのボトルを準備。藤島さんたちマネージャーも、首から下げたいくつものストップウォッチを手に各選手ごとのタイムを計ります。

複数のストップウォッチを駆使してタイムを計る


「ファイトー!」の掛け声に続けて、ラップタイムを読み上げていきます。それまで和気あいあいとした雰囲気だったマネージャーたちですが、練習に入り、タイム計測が始まると一変、真剣な表情に。ここには、中学高校と自身も選手として陸上に取り組んでいた藤島さんの想いがありました。

【写真を見る】引き締まった表情でタイムを記録する藤島さん


「自分が高校時代に競技している時に、マネージャーにされて嬉しかった事や『これは別にしなくても...』というのを自分なりに思ったことはあったので。例えば冬の鍛練期でキツい走り込みをしている時に、タイムを計っているマネージャーが笑いながら話していたりすると、『いいなぁマネージャーは...』と思ったり。練習中はふざけて失敗したりしないように。もちろん練習前は、ワイワイするのも好きなんですけど、練習中は緊張感を保って余計な話しはしないようにしています」

マネージャー仲間でプライベートで遊びに行くこともある


正確に丁寧に、選手のために


陸上競技部のマネージャーの最も重要な仕事は、「タイム」を計ること。臨機応変に選手の要望や課題に応じて、タイムを計測し記録していきます。記録したタイムは整理し、ノートにまとめられます。そのノートは選手がチェックしやすいようにLINEなどで共有されるそうです。藤島さんは、選手たちそれぞれの目標タイムを頭に入れ、ひとりひとりを見守っています。

専用のノートに計測タイムを書きこんでいく


「タイムが頭に入っていれば、試合でベストタイムが出た時に『おめでとう!』って言えるんですけど、なかなか後輩の選手の記録までカバーできていなくて、それは課題です。選手に積極的に話しかけていくのはマネージャーみんなの方針なので」

選手に並走し給水をとってもらう


やりがいを発見するまでの苦悩


「マネージャーはしたことなかったので、入部時は苦労しました。一時期は『私、何してるんだろう...』と思う時期もあって、やっぱり選手をしていたので競技をしたくなる時期もあったりしました」

高校時代は走り高跳びの選手だった藤島さん


「最初の頃は先輩に頼りっぱなしで、私もなにをしていいかわからなくて、自分で動けないもどかしさがありました。でも1年2年と経って、だんだん仕事がわかってきて、先輩が就活されていた時期は、マネージャーの数が少なくなるので、1人で動いている時に『私、仕事できるようになってるんだな』と気付かされて、日々の積み重ねでどんどんマネージャーが楽しくなりました」

同時に入部した泉さん(左)とは共に成長してきた


マネージャーとしての『極意』『ひみつ道具』


《マネージャーの極意》

常にまわりを見る。

「自分の担当しているパートだけじゃなく、周りを見て、どのパートが何をしているのか?を把握するようにしています。1年生の慣れていないマネージャーのことも見てあげたいし、もちろん選手も。常にアンテナを張っています」

《ひみつ道具》

ストップウォッチ。

「ウォッチがないと始まらないので、一番大切にしています。あとはケガの対応のために、アイシング用の氷を入れる袋は常にみんながすぐに取れるところに置くようにしています」

大会の前の選手たちへの接し方も、選手それぞれの個性を見極めて柔軟に対応している


藤島彩那さんの『ここが最高!』


「マネージャーになって、いろいろな競技に関わっているのでそれぞれの面白いところがわかるようになりました。何より人の成功を心から喜べるようになりました。選手の頃は自分がうまくいっていない時は、ほかの選手の成功を素直に祝えなかった部分もあったので。マネージャーという仕事が、自分の心をすごく豊かにしてくれたと思います」

「陸上で感動させられることがたくさんあります」


プレーする側からサポートする立場に変わったことで見つけた、自分の心の変化を率直に話してくれた藤島さん。新たな自分を見つけられたマネージャーの仕事を通して、陸上競技部を支えるその想いが最高です!

集大成!七大戦(ななだいせん)に向けて


「これから冬を迎えると鍛練期といって、ひたすら走り込んで体力をつける時期に入ります」


「七大戦」の愛称で知られる全国七大学総合体育大会は、北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州の7つの国立大学が合同で開催しています。各大学の所在地をめぐって開催されているこの大会。来年、8月の開催地は福岡!4年生にとっては引退試合となる最大の大会です。七大戦の競技種目は多岐にわたりますが、陸上競技大会での九州大学の成績は残念ながら低いもの。「来年の地元開催に向けてOB、OGからの期待も高まっていますし、みんな七大戦に目標をすえて頑張っています!」

練習の緊張がほどけるとこんな笑顔も!


「陸上は個人競技で、団体競技ではないんですけど、マネージャーとして練習を見ていて、みんな励まし合いながら、誰かが記録を出せばみんなで喜びあいますし、選手が個々でやっている分、喜びの数は多いし大きいと思います」

「これから就活で練習に来れない時期もあると思うんですけど、最後の『七大戦』に向けてがんばります!」


来年、福岡で催される「七大戦」に向けて一致団結する九州大学陸上競技部と、選手たちを全力で支えるマネージャー藤島彩那さんの陸上にかける日々は続きます!

山本真己

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