絶賛公開中!「トイレット」荻上直子監督インタビュー

関西ウォーカー

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「この映画は“本当の自分”そのものなんです」

「めがね」('07)以来3年ぶりとなる荻上直子監督の新作「トイレット」。北米を舞台に、自分の殻に閉じこもる3兄妹が日本からやって来たナゾだらけの“ばーちゃん”との生活を通じ、個性を認め合い家族の絆を深めていく様子を描く。構想5年という本作の企画の発端はなんと“トイレ”。

「来日した海外スタッフがウォシュレットに感動してたんです。それで文化の違いの象徴として“トイレ”を題材にしたら、おもしろいんじゃないかなと。トイレは暮らしの中心にもあるので、家族の話につながると思ったんです」

脚本を一気に書き上げたという彼女だが「海外スタッフと映画を撮って、自分のカラーが出せるのか、英語があまり話せない私の話を彼らが根気よく聞いてくれるのか」と、大きな挑戦だった。しかし「照明にしても日本人とは感覚が違っていて、海外スタッフならではの個性があっておもしろかったです」と不安は一瞬で吹き飛び、ばーちゃん役のもたいまさこの個性も作品の大きなカラーになった。

「もたいさんはほとんどセリフがないんですけど、そこにいるだけで圧倒的な存在感を出してくださるんです。彼女に出演してもらえないなら、この映画は作らない気でいました(笑)」と、監督はもたいに厚い信頼を寄せる。さらに突如現れたばーちゃんに3兄妹が戸惑う設定ということもあり「もたいさんはあえて3兄妹役の海外俳優たちとはある程度の距離を保とうとしてくださったんです。なので、海外俳優たちは、もたいさんが現場に現れるとものすごく緊張していましたね。でも、撮影が進むにつれて、彼らも、もたいさんの優しさを感じられるようになっていました」とか。まさに、劇中のばーちゃんと3兄弟のように俳優とスタッフが国境を越え、互いの個性を認め合って作り上げられた本作。監督が作品に込めたメッセージの説得力が増す。

「私もこの映画を作ることで“本当の自分”でいられたんです。3兄妹の姿を通して、観た方にも本当の自分でいていいということを感じてもらえればうれしいです」

荻上直子 PROFILE●1972年千葉県出身。2003年に長編映画監督デビュー。フィンランドを舞台にしたヒューマンドラマ「かもめ食堂」('06)が大ヒット。続く「めがね」('07)でベルリン国際映画祭ザルツゲーバー賞受賞するなど、海外でも注目されている 

【取材・文=リワークス】

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