結成10周年突入記念ライブ「大拍乱会」を目前に控えた、 チャラン・ポ・ランタンインタビュー【前編】
横浜ウォーカー

川崎市育ち、もも(妹・歌)と小春(姉・アコーディオン)による姉妹ユニット、チャラン・ポ・ランタンが結成10周年目というアニバーサリーイヤーに突入。ライブはもちろん、ドラマや映画、CMへの楽曲提供など、活動の幅を広げ、駆け抜けてきた二人。その日ぐらしで、振り返るという概念もなかった二人が、インディーズ時代の楽曲で構成するベストアルバム「過去レクション」をきっかけに、ふりかえって取り戻したものとは!?
2018年11月23日(祝)、自身最大規模のワンマンライブ、10周年目突入記念公演「大拍乱会(だいはくらんかい)」NHKホールを前に、話を聞いた。

——結成10周年目イヤーに突入ですね!
もも 10周年ですよ。来年(2019年)の7月に10年経ちます。
小春 時が経ちましたねー。
——結成は川崎なんですよね。
もも そうですね。結成は家!ですから。姉の小春に声をかけられて。
小春 なんて言ってたんだっけ?
もも 「お前さ、歌とか歌えんの?」って。
小春 全然、楽しくなさそうでしょ。その時は、ももが高校1年になったばっかりで、私は二十歳で音楽活動をやっていて、姉妹的に一番距離があいている時だったよね。妹が部活で早く起きて学校に行ってる時は、私は寝てるし。
もも すれ違い夫婦みたいな。
小春 同じ部屋で寝ているんだけどね。
もも お互いのこと気にせずに生きてたけど、なにか居合わせたタイミングで誘われて、なんとなく引き受けたっていう。
小春 それまでインストのバンドをやっていたのが、たまたま歌詞ができて、誰かに歌ってもらおうかなって思った時に「妹がすごいカラオケに行っているらしい」って母からの噂だけで誘ったからね。歌声も聴いたことがなかったけど、とにかくスケジュールを簡単に抑えることができる暇そうな人がいいなって思ってた。
——基準はそこ(笑)。
もも 自分の支配下に置きたいみたいな。当時やってたバンドも小春ちゃんが軸で動いていたもんね。
小春 最初は、ももの歌い方も普通だったから、「ここで巻き舌をお願いします」「ここでこぶしをお願いします」とかって、すごくお願いしまくって、その通りに歌ってもらう。そんな感じでやってた。それが10年も経てば変わるもんでね。
——独特の音楽的な世界観がありますが、ライブはもちろん、映画・ドラマ、CMへの楽曲提供など、今のように活動が広がっていくイメージってありました?
小春 何も考えていませんでしたよ。
もも 「二人で頑張って武道館行こうぜ!」なんて言葉を交わしたこともない。
小春 ないない。今でこそ、来年は何したいとかって考えるようになりましたけど、明日のことくらいしか考えてなかった。同世代で音楽活動を続けている人たちに比べたら、我々の活動ってのろのろと進むんですよ。とはいえ、確実に一歩一歩進んでいるなと思うし、うちらのペースはこんなもんなのかなと。
もも もともと大道芸人からスタートしているというのもあるよね。その日稼いだお金で、その日を生きるみたいな考え方。
小春 そうそう。その日、すごいお金持ちに1万円を1本もらえれば、とりあえず大丈夫みたいな発想。もともと私の好きなバンドが、街の結婚式や葬式で演奏したり、家族を養うために腕に磨きをかけるみたいな……生きていくために音楽をやっているジプシーバンドとかで、その影響もあるよね。
もも 影響を受けるところが違ったね。
小春 うん。だから、CDって1,000円くれた人にお礼として渡すグッズみたいな感じだった。ただ、その場を通り過ぎていく人たちの中に「もう一回見たい」って思ってくれている人たちはいるんだろうかと思ったことがあって。昔のシャンソン、ロシア民謡とか、ディズニーのメドレーとかやるほうが盛り上がるけど、はたして、これで名前が残るのだろうかと。そこからですかね。少しだけスタイルが変わったのが。そこに疑問を持たなかったら、いまだに横浜駅の噴水の前とかで大道芸をやっていたかもしれない。生活だけのことを考えたら、大道芸のほうがよっぽどめでたい生活ができたりしますから。
——そっか。根本的な発想が違ったんですね。大道芸という。
もも 大道芸人として、「野毛大道芸」に出たことがあるんですよ。
——YouTubeで「野毛大道芸」に出ていた時の映像を見たことがあります。
小春 あの時はヤバかった!! CDが売れまくって。1回目のショーが終わって、足りなくなって、お母さんにCD持ってきてもらった。だから1枚目のデビュー盤「親知らずのタンゴ」は横浜の人が一番持ってるはず。
——その「親知らずのタンゴ」の楽曲も収録する「過去レクション」が2018年11月21日(水)に発売に、さらに11月23日(祝)には、NHKホールで10周年目突入記念公演「大博覧会」が開催されますね。
小春 そうなんですよ。ぜひ、みなさん遊びに来てくださいよ。
もも 川崎の部屋でスタートした二人が、NHKホールに!
小春 NHKホールって、がんばったら出られるとかって発想もなかったから。なんかね、歩みが遅いとはいえ、こんな機会を与えてくれて本当にありがたいって感じですね。
もも 自分たちが本当にそこに立つのかって、不思議な感じ!
小春 わりと、去年くらいまでかな。「ヤバイヤバイ、明日はこれ、明後日はこれ」みたいに追われてた状況で、振り返る概念ってなかったんですけど。こうやって10周年という機会があってよかったなって。
もも 駆け抜けていたもんね。
小春 すごくいい機会でしたよ。もう終わったみたいになってるけど(笑)。
——(笑)。アニバーサリーイヤーは始まったばかりですが、それは、次の活動につながりそうですね。
小春 いやー、これはつながるでしょ。未来に持っていけるものは過去からも持って行こうよって思いましたね。人によって量は違うでしょうけど、持てるものって限りがあるから、なんとなく手からこぼれていっていたものを「過去レクション」を聴いて引き戻すみたいな。そして、NHKホールは気づかずに捨てていたものを拾う会じゃないですかね。新曲を発表してのツアーと違って、いろいろ経てきた10年の中で「こんな曲もあったんですよね」っていうような会でもあるので、また、いい機会だなって。
——選曲はおもしろくなりそうですね。
もも おもしろくなってますよ。個人的に好きな曲も入ってるし。本当、楽しみ!
※後編では、注目の「過去レクション」についてお届けします!

取材・文/古城久美子、撮影/山本佳代子
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